2012年1月18日水曜日

生きる希望と未来をとり戻すために

年頭の決意 動労千葉を支援する会事務局長 山本弘行

生きる希望と未来をとり戻すために

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動労千葉は、基地統廃合のための線見訓練を阻止する指名ストライキの中で年を越した。そして新年早々の1月5日、外注化の「既成事実」をでっち上げるために、「1日勤の外注」というとんでもない提案がなされた。

京葉車両センターの若き労働者の職場からの反乱に恐れ戦きつつ、検修部門の全面的な外注化に突き進むための最大の「障害」となった幕張・京葉の検修職場の闘いと動労千葉の団結を破壊するために、JRは見境のない攻撃を開始したということだ。

20世紀初頭、アメリカの港湾労働者は、事故が常態化するような職場で低賃金労働に苦しんだ。海運資本は帆船の入港待ちをする労働者を海岸に一列に並ばせ、屈強な男から順番に駆り集めた。シェイプ・アップ方式だ。ILWU はこの制度を粉砕して誕生し、労働組合が一切の就労を管理するハイヤリングホール制を確立した。

外注化・非正規職化とは、労働組合の関与・管轄権の一切を排除してその団結を破壊し、資本が労働者を選り抜いて採用するという、まさに現代のシェイプ・アップ方式への転換だ。体制内労組がこれとの闘いから完全に召喚してから30余年が経過し、「国鉄方式」と言われる全員解雇・選別再雇用が「当たり前」のこととなり、40%もの労働者が非正規職労働の中で苦闘している。

この究極の合理化攻撃、分断攻撃に対し、動労千葉は労組の違いを乗り越えて、現場の労働者の怒りを束ねる組織戦に打って出た。青年労働者とシニア労働者が一体となって、一人一人の労働者に固有の誇りに接近し、心の琴線に触れる訴えをもってJRの「思い込み」をそぎ落とし、ついに革マル分子以外は外注化に見向きもしない状態をつくり出した。そして昨年10月の実施をふっ飛ばし2012年に乗り込んだ。

ほぼ時を同じくして、ILWUローカル21はハイヤリングホールを守るため、200人を超す逮捕攻撃を乗り越え闘い、フィリピン航空労組は2600人の全組合員に対するロックアウト・外注化攻撃との総力戦を展開し、韓進重工業では外注化を理由とした整理解雇を粉砕してキムジンスクさんが笑顔でクレーンを降りた。外注化・非正規職化阻止の闘いは今や万国共通のものとなった。

動労千葉が主催した「JR東日本の偽装請負を告発する8・30大集会」では、労働者を極限的に非正規職化する元凶である民営化・外注化攻撃に対し、正規・非正規が一体となって闘い抜くことが宣言された。
そしてついに、非正規職本隊からの決起が始まった。郵政非正規ユニオンと西武ユニオン鈴木コンクリート分会の闘いだ。非正規職化を止める闘いと、非正規職自身の闘いがメダルの表裏の関係で一体化してぶん回りだしたのだ。ここにこそ、国鉄1047名闘争の総括とその継承・発展をかけた闘いの環があるといっても過言でない。

この闘いの真っただ中で、3・11大地震と大津波が押し寄せた。そして「1%」の支配者どもは、完全に国家の統治能力を喪失した。時の首相菅は、「最悪に場合、避難対象は首都圏を含め3000万人。国として機能しなくなるかもしれない」と口走った。

国鉄闘争と震災で引き起こされた全事態との結合が死活的に問われた。私たちは、動労千葉の3・14声明を踏まえて、直ちに震災救対本部を立ち上げ闘いを開始した。国鉄闘争全国運動の呼びかけ人諸氏は、ひっ迫する情勢への対応に関してひざを突き合わせた論議を重ね、"引き起こされた全事態は国家と資本の犯罪だ"と看破する声明を発した。

"目の前の命を守らずにどうしようというのか!”、下手人である東電・電力資本、歴代政権そして御用学者どもに対するフクシマの怒りに震える弾劾の声とどのように結合できるのか・・・福島の仲間たちと共に、同じ問いを反すうする日々が続いた。

そして今、二つの水路を通して闘いを推し進めていくことが共通の方針として論議され、実践に移されている。
一つは、避難の具体化と診療所の建設という火急の課題だ。目に見えた形には至っていないが、必死の努力が続けられている。
二つには、国鉄闘争全国運動として階級的労働運動・労働組合の再建(復権)を勝ち取る闘いだ。"少数でも闘い方によっては社会を変える力を持っている″一昨年の7月~11月まで139日の産業ゼネストを闘い抜き、大手ゼネコンを震え上がらせた関西生コンの高副委員長の11・6での発言だ。その通りだ。動労千葉は、JR東全体の検修外注化攻撃を押し留めている。動労水戸は、今やあらゆる職場の普遍的闘いとなった被曝労働拒否の先陣を切った。
日教組、自治労の職場を階級的労働運動「派」が奪取すれば、一つ目の水路も大きく開かれる。そして、東電、東芝、三菱・・・の労働者と労働組合が、深紅の組合旗の下、制御棒挿入のスイッチに手をかけ、原発の設計、製造、建設を放棄するとき、全てが決まり、生きる希望と未来をとり戻す。

動労千葉を支援する会と国鉄闘争全国運動の2012年頭の決意は鮮明だ。
2010年4・9「政治和解」を2010年6・13集会で敢然と跳ね返したように、そして昨年の6・24「国鉄闘争終結」情勢を、2・16国鉄~6・5全国運動の高揚で打ち破ったように、外注化・非正規職化攻撃と「原発事故終結」の大ペテンに対し、2・15国鉄~3.11反原発~6・10全国運動を対置して闘おう!