JR全社で事故激発の状態
事故率は私鉄の11倍超!
事故率は私鉄の11倍超!
外注化で安全を破壊したJR
国土交通省が2012年度の鉄道事故の統計を公表しました。グラフは、鉄道会社内部の原因による30分以上の列車遅延事故(運休を含む)の、列車営業運転100万㌔あたりの事故発生率を示しています。
大手私鉄15社は約0・18を維持しているのに対し、JRは09年度の1・40から12年度の1・99に増大。私鉄の実に11倍の事故発生率です。JRの事故発生率は完全に危険水域に入っており、鉄道事業者として営業継続が許されない状態といわざるをえません。
JRの事故発生率は05年の尼崎事故後、09年度までは減少しましたが10年度に再び増加に転じ、増大し続けています。この統計によると、JRでは車両故障、施設故障ともに増えています。要員の削減と外注化が大きな影響を与えていることは明白です。
30分以上の列車遅延を出した事故は12年度は計1220件、1日に3件以上のペースです。脱線事故が09年から増え続け、12年度には7件。同年度の大手私鉄の脱線は1件だけです。脱線はJR東日本で連続しており、大事故の前触れとの指摘が出ています。
北海道のみならずJR全社で事故続発の状況に入っているのです。
下請けに集中する労災事故
6月14日に神田駅付近での電力線ケーブルの新設作業中に21歳の労働者が転落死亡する事故など、この間も中央線、武蔵野線、名古屋工場で死亡・重大事故が立て続けに起きています。
JR発足以来、労災死亡の労働者は総計342人に上ります。JR社員が67人、そして下請け労働者が実に275人です。半分以上がJR東日本での事故です。
下請け・孫請けの労働者が、危険な作業や劣悪な労働条件、経験の寸断や安全教育の不徹底などで殺されているのです。下請けの労働者が命を奪われてもまともな賠償も行われていません。
すべての労働者にとって、文字通り事故は〈明日は我が身〉の切実な問題です。「現場の声をちゃんと会社が聞けば……」と誰しもが思います。労働組合の要求と闘いだけが会社に安全を強制するのです。
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