外注化が大事故を引き起こす
水郡線であわや部品落失の事態
水郡線で去る3月、130系気動車の床下にある排気管を取り付ける金具の破断が見つかりました。直径20センチ以上・長さ数メートルもの排気管が脱落すれば列車脱線は免れません。重大な車両の破損です。
この故障が発見されたのは、水戸鉄道サービス(MTS)に外注化されている仕業検査の担当者からの「排気管の取付ボルトが落失している」という申告がきっかけでした。MTSの仕業検査担当は、JRの機動班に修繕を任せるとしました。本来「取付ボルト落失」は即座に修繕すべき問題であり、できないなら運休すべき事態です。しかし、JRの運用担当は別の案件で気を取られ、その車両はそのまま営業運転に使われました。
人の命を乗せて走る列車が、こんなにも軽視されているのです。新幹線で発生した台車亀裂と何ら変わりはありません。鉄道の安全を破壊する事態が業務外注化によって引き起こされているのです。
受託先であるMTSでは、何があっても申告さえすればいいという状態が蔓延しています。仕業検査は時間の許す限り応急措置を行うのが常識であり、本線運転に支障があるなら運転させない措置をとるべきです。事態の元凶が業務外注化にあることは明らかです。
このような車両故障や検査修繕体制の問題が起きている事態を、JRもMTSも一切問題にしていません。恐るべき無責任体制、これが外注化の末路です。「乗客も乗務員もどうなってもいい」と言わんばかりの態度です。常磐線浪江駅~富岡駅間を走行することで乗客・乗務員に大量被曝を強制することと同じではないでしょうか。人命を軽視する業務外注化を直ちに止めさせなければなりません。
現在JRでは、各部門で「効率化」の名による外注化によって鉄道の安全が破壊され、乗客・乗務員の命が危機にさらされています。外注化は鉄道の安全を確保する責任を放棄し、労働者の誇りと団結を解体することで資本の利益を追求する攻撃です。その行きつく先は、既に本社提案として始まっている乗務員制度改悪と、水郡線を含む東日本23線区廃止です。
仕業検査の受注さえ拒否する外注化とは
水郡線営業所では臨時の仕業検査をMTSが拒否する事態が常態化しています。このような事態すらJR東日本は黙認し、さらなる外注化を進めようとしています。
その結果、JR本体の検修労働者が、MTSに外注化されたはずの仕業検査を行っています。外注化のために、JR本体の労働者は仕業検査には未習熟です。中には気動車の仕業検査は未経験の人までいます。ところがJRの管理者は、臨時に仕業検査が発生してもMTSが「やらない」と言ったら発注さえせず、JR本体の労働者にやらせているのです。
外注化によってJR本体の現場要員はギリギリに減らされています。まして、130系気動車の車両故障も多発している中で、現場労働者には過重な負担がかかっています。その上さらに、MTSがやらないからと言って夜間呼出しまでかけている状態なのです。絶対に許すことはできません。
MTSが業務ができないと言っているということは、業務を請け負えない会社だということです。検修構内外注化の開始にあたって、JR側は「MTSは鉄道業務を問題なく受託できる会社である」と言ってきました。この現実のどこが「受託できる会社」なのでしょうか。即刻、業務委託契約を打ち切らなければなりません。
12年10月の検修・構内外注化は、「エルダー社員の職場を確保」するという建前で実施されました。しかし、本年4月から制度変更でエルダー社員はJR本体でも働けるようになりました。そもそも外注化など必要なかったのです。外注化に賛成し組合員を出向に駆り出したのは、今は崩壊したJR東労組でした。職場にまともな労働組合があれば、外注化で出向に行くことも、ライフサイクルで駅に行くことも、ワンマン運転で苦労することもなかったのです。
労働者は個別バラバラでは会社と対等に施策について話し合うことはできないし、相手にもされません。だから労働組合を結成し、団結して闘うのです。最初から外注化やライフサイクルに賛成している労組では闘えなかったという事実を、もう一度考えるべき時に来ています。
労働者には社会を動かしている力があります。動労水戸に結集し、団結の力で職場を変えていこう。鉄道労働者の誇りを胸に生きていこう!
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水郡線で去る3月、130系気動車の床下にある排気管を取り付ける金具の破断が見つかりました。直径20センチ以上・長さ数メートルもの排気管が脱落すれば列車脱線は免れません。重大な車両の破損です。
この故障が発見されたのは、水戸鉄道サービス(MTS)に外注化されている仕業検査の担当者からの「排気管の取付ボルトが落失している」という申告がきっかけでした。MTSの仕業検査担当は、JRの機動班に修繕を任せるとしました。本来「取付ボルト落失」は即座に修繕すべき問題であり、できないなら運休すべき事態です。しかし、JRの運用担当は別の案件で気を取られ、その車両はそのまま営業運転に使われました。
人の命を乗せて走る列車が、こんなにも軽視されているのです。新幹線で発生した台車亀裂と何ら変わりはありません。鉄道の安全を破壊する事態が業務外注化によって引き起こされているのです。
受託先であるMTSでは、何があっても申告さえすればいいという状態が蔓延しています。仕業検査は時間の許す限り応急措置を行うのが常識であり、本線運転に支障があるなら運転させない措置をとるべきです。事態の元凶が業務外注化にあることは明らかです。
このような車両故障や検査修繕体制の問題が起きている事態を、JRもMTSも一切問題にしていません。恐るべき無責任体制、これが外注化の末路です。「乗客も乗務員もどうなってもいい」と言わんばかりの態度です。常磐線浪江駅~富岡駅間を走行することで乗客・乗務員に大量被曝を強制することと同じではないでしょうか。人命を軽視する業務外注化を直ちに止めさせなければなりません。
現在JRでは、各部門で「効率化」の名による外注化によって鉄道の安全が破壊され、乗客・乗務員の命が危機にさらされています。外注化は鉄道の安全を確保する責任を放棄し、労働者の誇りと団結を解体することで資本の利益を追求する攻撃です。その行きつく先は、既に本社提案として始まっている乗務員制度改悪と、水郡線を含む東日本23線区廃止です。
仕業検査の受注さえ拒否する外注化とは
水郡線営業所では臨時の仕業検査をMTSが拒否する事態が常態化しています。このような事態すらJR東日本は黙認し、さらなる外注化を進めようとしています。
その結果、JR本体の検修労働者が、MTSに外注化されたはずの仕業検査を行っています。外注化のために、JR本体の労働者は仕業検査には未習熟です。中には気動車の仕業検査は未経験の人までいます。ところがJRの管理者は、臨時に仕業検査が発生してもMTSが「やらない」と言ったら発注さえせず、JR本体の労働者にやらせているのです。
外注化によってJR本体の現場要員はギリギリに減らされています。まして、130系気動車の車両故障も多発している中で、現場労働者には過重な負担がかかっています。その上さらに、MTSがやらないからと言って夜間呼出しまでかけている状態なのです。絶対に許すことはできません。
MTSが業務ができないと言っているということは、業務を請け負えない会社だということです。検修構内外注化の開始にあたって、JR側は「MTSは鉄道業務を問題なく受託できる会社である」と言ってきました。この現実のどこが「受託できる会社」なのでしょうか。即刻、業務委託契約を打ち切らなければなりません。
12年10月の検修・構内外注化は、「エルダー社員の職場を確保」するという建前で実施されました。しかし、本年4月から制度変更でエルダー社員はJR本体でも働けるようになりました。そもそも外注化など必要なかったのです。外注化に賛成し組合員を出向に駆り出したのは、今は崩壊したJR東労組でした。職場にまともな労働組合があれば、外注化で出向に行くことも、ライフサイクルで駅に行くことも、ワンマン運転で苦労することもなかったのです。
労働者は個別バラバラでは会社と対等に施策について話し合うことはできないし、相手にもされません。だから労働組合を結成し、団結して闘うのです。最初から外注化やライフサイクルに賛成している労組では闘えなかったという事実を、もう一度考えるべき時に来ています。
労働者には社会を動かしている力があります。動労水戸に結集し、団結の力で職場を変えていこう。鉄道労働者の誇りを胸に生きていこう!
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