3月18日、東京・中野勤労福祉会館で、「新しい捜査手法」の問題と共謀罪に反対して「戦争と治安管理に反対するシンポジウムⅥ」が行われた。共謀罪反対国際共同署名運動が呼びかけたもので75人が参加した。
メイン講演は、神戸学院大学准教授・春日勉さん。「新たな捜査手法が刑事手続きに与える影響について」というテーマで約1時間講演し、今年の3月にでた「国家公安委員会・研究会最終報告」を真っ向から批判した。
「新たな捜査手法」は「取り調べの可視化」と引き替えの導入と言っているが、可視化すら後景化させて「通信傍受の拡大」「会話傍受」「仮装身分捜査」「DNAデータベース化の拡充」「証人保護」「刑事免責」を計ろうとしていること。憲法との整合性がとれない御用学者は、「必要性」とこじつけで補強していること。そして最後に、この新しい捜査手法導入が、人権侵害だけでなく、警察の強化を大きくもたらすことに注意を促し、あらためて憲法的視野から、黙秘権や弁護権、「疑わしきは被告人の利益に」、「無罪の推定」といった刑事司法の大原則を再評価、再確認しなければならない、と重要な指摘で結んだ。
これからの1~2年は治安法ラッシュだ。まず、85年に廃案になった国家機密法を拡大重罰化した秘密保全法がある。これはあまりのひどさ故にすでに多くの反対の声が上がって民主党政権はグラグラとなっているが国会提出をあきらめていない。同時に、共謀罪もいつ出てくるか。法務省官僚は、平岡秀夫―小川敏夫と共謀罪反対の法相が2人続いたことでひるんでいるが、昨年末に画策されたようにいつ提出してもおかしくない状態だ。そして、この「新たな捜査手法導入」だ。実に大変な攻撃の渦中にある。
集会は、逮捕重罪弾圧・労働組合への間接強制と闘っているところなどからのアピールを受けたあと、最後に「新自由主義と司法福祉」というテーマで、池原毅和弁護士から、科学技術主義と福祉治安という観点からの批判をうけて終了。大変充実した内容だったという声が多かった集会でした。(賛同人 TK)
●共謀罪反対の4月国会行動
とき◆4月25日(水)午前8時30分~午後1時
ところ◆衆議院第2議員会館前
主催◆破防法・組対法に反対する共同行動(tel.03-3591-1301)