2015年2月22日日曜日

JR3・14ダイ改―特急列車廃止・削減 絶対反対!

地域の怒りを組織し、
動労千葉3・14スト

消える房総特急

 12月19日、JR千葉支社は3月ダイヤ改正計画を発表しました。今回のダイ改で、内房線に関しては、特急「さざなみ」は君津~館山間が全面廃止、休日に至っては東京~君津間も全面廃止。外房線の「わかしお」は東京~鴨川間1往復廃止と勝浦~鴨川間で2往復廃止。成田線では「あやめ」2往復の全廃。総武本線は「しおさい」が東京~銚子間1往復、新宿~佐倉間が上り1本削減という、今までかつてないローカル線切り捨てです。
 動労千葉は、この特急列車の廃止・削減に絶対反対する地域集会を2月26日銚子で、3月7日館山で開催します。そして3・14ダイ改に向けたストライキを含む闘争体制を構えています。

生活と命がかかった問題

 3月ダイ改の特急列車の廃止・削減は、単に列車だけの問題ではありません。地方での生活を破壊する、「最後の一撃」のような意味があります。
 鉄道は、通勤・通学をはじめ人びとの生活を支える重要な社会的インフラの一つです。それを 「利用状況に合わせる」と削減すれば、通勤・通学など地方での生活はますます不便になり、その結果地域の人口はさらに減少し、ローカル線の完全廃止にまで行き着いてしまうのです。
 地域の人口が減れば、学校や病院の統廃合がさらに進み、地域で運営している水道料金は、到底払えないほど高額になります。すでに学校・病院・保健所・水道などの社会的インフラはすでに限界ギリギリなのです。住民の生活と命がかかった問題なのです。

観光業にもろに直撃

 さらに館山や南房総、そして銚子も観光地です。ある観光業者は「観光バスは1台で40人~50人で来るけど、15人や20人のグループはバスではなく電車で来ることが多い。そうなると、特急列車が走らない駅や地域には旅行に来ない」といっています。まさに「特急の来ない館山は、館山じゃない!」のです。観光業にもろに直撃する事態なのです。

全面的な切り捨てに走るJR

現在、全国の地方自治体の半分、896都市が消滅するといわれています。千葉では銚子市が17年、富津市が18年度までに破綻することは確実といわれています。今「地方創生」が大きく叫ばれています。しかしJR東日本の清野会長は「昨年は、都市消滅や人口減少問題で国民的議論ができるようになった画期的な年だった」と言って、「国鉄改革のときのようなイノベーションを実行する」と宣言しています。〝画期的〟という意味は、地方中核都市以遠のローカル線はすべて切り捨ててもいいと政府がお墨付きを与えたととらえているのです。実際、房総特急の全面的な廃止・削減だけではなく、3月のダイヤ改正を契機に全国で地方ローカル線の切り捨てが全面的に始まっているのです。

地方の総反乱が始まった


 ダイ改計画発表の後、瞬く間に沿線自治体から次々と反対の声や決議があがっています。
 12月24日、館山市、同商工会議所、同観光協会の3者が、特急列車の復活を求める要望書をJR千葉支社に提出しました。翌日には館山市議会で「廃止の見直しを求める意見書」が全会一致で決議されています。銚子市、香取市、成田市、神崎町、東庄町、旭市、
匝瑳市、鹿嶋市、潮来市、など北総の沿線自治体からも反対の声や決議があがっています。さらに外房線沿線自治体もJR千葉支社へ抗議の申し入れを行うと言っています。まさにJRに対する地域の総反乱と呼ぶべき事態です。
 鉄道は、単にJR東日本という一民間企業の所有物ではありません。労働者・市民全体の財産であり、公共交通としての使命を果たさなければならないはずです。しかしJRは地域からの要請に対して「乗客を増やせば特急を復活させる」と開き直っています。国鉄民営化以降、館山駅、長浦駅、袖ヶ浦駅などのJRの駅の改修費用のほとんどを地元自治体の税金でおこなっています。その一方でダイヤ改正のたびに、地域の要請を一切無視し列車を減らしてきました。さらに館山、銚子など運転区を廃止し職場も奪っています。
 JR東日本は、「営利優先」「コスト削減」という企業の論理の下で毎年、数千億円の黒字を出し、駅ナカビジネスのために千葉駅などの大改修には莫大な資金を投入する一方で、儲けが出ないローカル線は次々と切り捨ててきたのです。地方のJRに対する怒り、そしてその怒りは「民営化」「規制緩和」、「新自由主義」に対する根底的な怒りとして爆発寸前なのです。

地域集会成功へ全力決起

 動労千葉は、この地方の怒りを見える形にしてJRにぶつけるために2・26銚子地域集会、3・7館山地域集会を行います。銚子支部、佐倉支部、木更津支部を先頭に、組合員は連日、地域の自治体や観光協会や商工会などに対する申し入れや集会の参加を訴えています。
 「支援する会千葉」も、1月27日、銚子支部と共に駅頭ビラまきと共に商店街を一軒づつ回って訴えました。2月5~6日には佐倉支部とともに総武本線沿線(旭市、匝瑳市、横芝光町)、特急あやめが全廃される鹿島線沿線(香取市、鹿島市)の宣伝行動を行い、2月11日には再度銚子行動に起ち、駅や商店街やスーパーでの宣伝行動を行いました。今度22日には館山行動を予定しています。

合理化粉砕3・14ストへ

 今回の3月ダイ改ー特急列車廃止・削減だけでは終わりません。「東京から70~80㎞以遠の運行は切り離す」という構想が本格的に動きだしたのです。秋に千葉運転区の廃止・運輸区化が提案されています。ダイ改から3年程度をかけて大規模な再編攻撃が画策されているのです。
 この過程では国鉄採の大量退職が進み、それに伴って外注化攻撃もこれまでとは全く次元の違う段階に入ることは間違いありません。
 すでにJR東日本本社は「ハンドル率をあげろ」「列車キロに対し行路・要員数が多すぎる」と、各支社に徹底的な労働強化を命じています。そのために「本線運転士が担当する入出区(車両基地~本線の車両の移動)は全部委託する」という話まで出ているというのです。
 大合理化と労働強化を強制する。そして、超低賃金の外注会社に仕事も労働者も突き落とす。こんなことを許したら権利や労働条件、安全は間違いなく地に堕ちてしまいます。まさに、「去るも地獄、残るも地獄」です。
 動労千葉は、地方ローカル線切り捨て攻撃に対しては地域の総反乱をつくりだすとともに、基地統廃合攻撃や全面的な労働強化の強制に対する職場からの闘いの強化と、組織拡大にむけて3月ダイ改合理化粉砕へストライキで起ち上がります。

この間の行動であがった地域の怒りの声を紹介します。

━銚子駅前商店街━
「こんなことになったら店もつぶれる。これからどうやって生きていけばいいの」
「銚子選出の国会議員は何をやっているのだ。本当に心から怒りでいっぱいだ。集会にできるだけ行きたい」
「南房総の方もなくなっていくのか。JRはやりたい放題だね。絶対に許しちゃいけない」
「JRは銚子のこと、どう思ってんのだろうか!ますます寂れてしまう。千葉の病院に行くのにもこまるし・・」
「これ以上特急が削減され、観光客が来ないと俺たち食べていけなくなる」(タクシー乗務員)

━佐原駅前商店街━
     
「たしかに高速バスが多くなって特急の乗客は減っているのは知っている。だからといって特急が一本も走らないというのは許せない。高速バスは時間どうりに走らないで遅れることが多い」、
「この世の中金儲けばかりだがJRも同じ」、
「国鉄からJRになって特急も、列車もドンドン削減され佐原の町はさびれていくばかりだ。がんばって欲しい」




JR3月ダイ改―
特急列車廃止・削減絶対反対 

●銚子地域集会(仮称)
 2月26日(木)15時~
 銚子読売ビル2F
*14時から銚子駅前で街宣行動
●館山地域集会
 3月7日(土)13時~
 館山商工会議所ホール
●動労千葉総決起集会
 3月13日(金)18時~
 千葉商工会議所第1ホール(14階)

動労千葉を支援する会サイトから転載