2018年1月25日木曜日

外注化阻止ニュース 第355号

http://www.doro-chiba.org/ga/gaityuuka355.pdf


運行優先・人員削減が原因
信越線が降雪で運行不能に
乗客が16時間半も缶詰

 1月11日夜、新潟県三条市の信越本線で乗客430人の電車がひと晩立ち往生し、16時間半も缶詰めになりました。当日は新潟市内で80㌢以上の積雪を記録しましたが、「国鉄時代はこ んなことはなかった」と、当時を知る労働者は口々に言っています。

除雪体制も「選択と集中」

 JR新潟支社は、新潟30㌔圏を優先的に除雪する「線区別優先順位」をとり、地方へ行くほど後回しにしています。この日、優先線区の新潟300㌔圏の除雪に追われ、それでも多数の運休・遅れが出ていました。
 JRが進める「選択と集中」施策は除雪体制にも深刻な影響を及ぼしていたのです。
 「選択と集中」施策はローカル線の切り捨てだけでなく、安全対策も切り捨てているのです。

運行優先の社風が背景にある

 当該の電車は、雪の重さでパンタグラフが降下して停車したり、雪だまりに突っ込んで停車したりしながら運行していました。除雪した雪を邪魔にならない場所に移す排雪作業の必要性は明らかでした。しかし、新潟支社は運転を強行したのです。周辺の東三条駅から長岡駅までの6駅には列車運行の可否を判断する社員もいませんでした。
 当該電車は、新潟駅から通常の倍以上の時間で現場まで行きました。手前の東三条駅で乗務員が運行不能を決断・報告し、輸送指令が判断するべきだったのです。事故を未然に防げなかったのは、人員削減に加えてJRの運行優先の社風が大きな原因です。

人員削減で復旧もままならず

 信越本線は人員削減が進み、人海戦術の除雪もできない中で、運転士ら数人が孤軍奮闘で3時間近く除雪しました。しかも除雪車がすぐ出動できる状況にはなく、さらには部品交換に手間取り現場到着は9時間後でした。
 そもそもコスト削減のための車両軽量化が雪への弱さも生みました。合理化や人員削減、利益・運行優先で国鉄時代にはない事故が発生したのです。

ニュースへのリンク