JR北海道 レール異常放置97カ所
分割・民営化と外注化の結果だ
9月19日のJR函館線で発生した脱線事故の後、レール幅が基準を超えるなどの異常が270カ所で放置されていたことが明らかになり、新聞トップで報道されています。
「またか」では絶対に済ましてはならない問題です。もはや鉄道事業者として成り立たないところまで来ています「会社が悪い。外注化が問題」と批判していれば済む問題でもありません。これは国鉄分割・民営化で闘う組合が解体され、御用組合化した結果でもあるのです。
レール幅の異常は昨年10月には分かっていました。「検査情報の整理と修繕計画の連携ができておらず、補修を先延ばしして失念してしまった」と社長は言っていますが、実際なぜ放置されたのかさえ把握できないのです。
報道では、ベテラン労働者は「人員の削減が進み、必要な保線作業が行き届いていない。寝ている乗客が起きるほど揺れる箇所もある」と指摘しています。
外注化が安全を破壊!
外注化や子会社化による技術継承の断絶や指揮命令系統の寸断は深刻です。車両検査でも昨年、約3割が検査の省略や整備記録の不備があり検査結果を把握できない状態だったことが明らかになったばかりです。
JR北海道は民営後、1万4000人の社員数を7100人まで削減しました。特急列車の運転本数は2倍になり、尋常ならざるスピードアップ(札幌~釧路間で45分短縮)を行っています。国鉄分割・民営化前後の採用抑制と首切りの結果、業務の中軸となる40代の労働者がほとんどいません。
JR東日本に技術指導を仰ぐよう提言する人もいますが、東日本でもレール破断や送電線火災、車両故障などが多発しています。JR東日本にそんな資格はありません。 安全経費と要員の削減で莫大な利益をあげているのは当のJR東日本です。保線や電力、検修職場の外注化を強行して、故障や事故・事象を多発させているのはJR東日本なのです。
尼崎事故がおきた05年、千葉支社管内でもレール破断が頻発しました。会社は「まだ基準値内」と損傷したレールを放置しました。
組合の闘いでしか安全は守れぬ
動労千葉は、レール損傷箇所でスピードダウン闘争を行い、レール交換を要求してストライキなどの実力闘争で闘いました。ついにJRはレール交換を開始したのです。安全は労働者の闘いで確保されるのです。
利潤第一のJRは、たとえレールが磨耗し、ひび割れしても交換しないのです。安全投資しても株価は上がらないからです。民営化と規制緩和、外注化と労働者非正規職化がJRの安全崩壊の事態を生み出したのです。
鉄道労働者の誇りをかけてJRの安全無視や外注化と闘おう。動労千葉は10月1日の計画業務の外注化阻止をストライキで闘います。