JR水戸支社「偽装交検」の事実認める
現場労働者への責任転嫁を絶対に許さない!
責任はすべて会社にある
8月26日、JR水戸支社は7月16日の「偽装交検」問題について口頭で回答を行いました。
会社はこれまでK544の交検について「通常の検査を指示し行った」と言い張ってきました。しかし、写真等の動かぬ証拠を突きつけられた結果、「一部4項目の検査を行わなかったのは事実。コンプライアンス問題にあたる」と認めました。つまり、会社の言い分は、今回の件は現場の判断であり、助役も所長も知らなかった、支社も分からなかったということ、検査項目を省略し、帳票類記入もねつ造はあったが、責任は現場労働者にあり、会社の責任は一切ないということなのです。
果たしてこのような言い訳が許されるのでしょうか? K544問題の発端は何だったのでしょうか。原発事故から半年以上広野に放置されていた車両について、放射線量の測定もせず勝田車両センターに回送を強行したのは会社です。そして「政府が安全と言っているから安全」と言い張り、「君たちの不安を取り去る」と言って、放射能について素人の産業医による勉強会をやったのも会社です。動労水戸と現場労働者の突き上げでようやく線量を測った結果、メイン抵抗のストレーナーから毎時0・9マイクロシーベルトの高線量が出て、慌ててフィルターを交換し、取り外したストレーナーを所長室に隠したのも会社です。こうした事実は、会社が労働者や乗客の安全についてまともに考えていないということです。
すべては竜田延伸のため
さらに会社は「高萩から直流電車の209系を無動力回送した際にも機能保全は省略した」と回答していますが、全く言い訳にもなりません。そもそも当初から「通常の交検をやる」と言い張ったのは会社です。「通常の交検」として行わなければ、広野の放射線量の危険性を認めることになり、来年3月に計画されている竜田までの運転再開によって労働者・乗客を被曝の危険にさらすということが明らかになるからです。会社にとっ労働者としての団結を解体され、仲間はおろか自分すら守れないのです。
労災死亡事故につながる逆出向社員の育成プラン
労働者の安全に対する会社の無責任といいかげんさは、検修・構内業務外注化の中でもはっきりしています。
水戸鉄道サービス(MTS)は外注化の拡大でJRからの収入が増大している一方、プロパー社員の大量採用によって「増収・減益」の事態となり、現場では節約が指示されている状態です。こうした中で急きょ行われたMTSからの逆出向は、郡山工場で1か月半、車両センターでの机上訓練1か月半、交検見習い6か月で終了し、その後MTSに戻って「仕業見習い」を経て一本になるという流れです。これが一体どんなに無茶なプランか、検修労働者ならわかるはずです。
高電圧の危険さから、共同作業者相互で守りあう検修作業は、現場での経験を積んでいくことでしか培うことはできません。それは国鉄以来多くの労働者の犠牲の上に築き上げられてきました。会社は外注化によってそれをいとも簡単に投げ捨てようとしています。自分もMTSのプロパーも守るためにも、こんなデタラメを許してはなりません。
要員減で業務は崩壊誘導外注化絶対反対!
10月からの誘導の外注化では、勝田車両センターにおいては一徹一日勤が一徹にされてMTSに委託されるという提案です。外注化の問題は、強制出向による労働条件の悪化や指揮命令系統の混乱だけでなく、合理化による人減らしと安全軽視が進められていくことに他なりません。従来は異常事対応や安全のために昼間二人体制だったのを、「泊まり一人で対応しろ」というのです。日勤がいる場合もありますが、一人対応を基本にして、「入換計画の作成も、入換の誘導作業も対応しろ」ということです。会社の言う「当面は変わらない」などというごまかしにだまされてはなりません。とうてい認められるはずがありません。
外注化阻止の闘いは、「労働者として引くことのできない一線」をめぐる闘いです。出向の事前通知が出てからでは遅い。9月冒頭が勝負だ。動労水戸は外注化絶対反対のストライキ闘争に突入します。外注化を粉砕して全員がJR本体に戻るために、共に闘いに立とう!