JR水戸支社は子どもたちを被ばくさせるな!
ポケモントレインいわき~広野運行を中止せよ!
ポケモントレインいわき~広野運行を中止せよ!
真の目的は復興ではなく竜田延伸と帰還強制
JR水戸支社は、昨年12月「POKEMON with YOU トレイン」を臨時運行することを発表した。この企画は「復興支援」と水郡線活性化を目的に、ポケモントレインを水戸~大子間といわき~広野間を走らせるという。2月1~2日には、いわき~広野間を運転させ、福島県と茨城県在住者を対象に、抽選で無料招待しようとしている。動労水戸は、いわき~広野間のポケモントレイン走行について断固反対する。
第一に、復興支援ではなく、常磐線広野~竜田間の運転再開こそが会社の真の狙いだからである。会社はすでに昨年8月末から、竜田延伸に向かって線路や道床などの工事に着手している。今春3月、広野から竜田に向かって延伸しようとしているのだ。
そのために「ポケモントレイン」という子どもに人気のある列車を利用し、誰も反対出来ない「復興」という言葉で、福島第一原発事故が収束していない、被曝が避けられない地域へ住民を戻すために企画されたのだ。
筋肉や骨、内臓の成長が大人よりも盛んな子どもは、放射能の影響をより強く受ける。年間被ばく線量が1ミリシーベルトを越える場所では未成年を働かせてはいけないと、法律にも定められているのだ。放射能を体内に取り込む内部被ばくによって、細胞や遺伝子が傷つけられれば、一生にわたってがんや白血病など様々な病気のリスクを抱え込むことになる。
子どもたちを喜ばせ元気にするためのイベントならば、できるだけ放射能の影響の少ない地域を選ぶべきなのだ。あえて現在も除染作業が行われているような地域に子どもを連れて行くことなど言語道断だ。
緊急時の連絡体制もなし 危険と隣り合わせの運行
第二に、福島第一原発事故は全く収束していない。原発から25㌔圏内の広野駅や15㌔圏に位置する竜田駅に列車を走らせ、住民が生活を再開するにはまだまだ危険なのだ。
福島第一原発では、今も汚染水問題は解決していない。3・11の余震と思われる地震も続いている。そして昨年11月から、4号機の1533本の燃料棒の取り出しが開始されている。燃料棒は常に水などで冷却していなければ数時間で再臨界を起こし、大量の放射性物質を放出する恐れがある。取り出し作業中に大きな地震や不測の事故が発生すれば、大惨事に発展しかねない危険な作業が行われている最中なのだ。
今回の件で言えば、子どもや親子連れの利用者の避難は特別の配慮が必要になる。何が起こるかわからない状況の中、会社が子どもたちを乗せたポケモントレインを走らせることについて、労働組合として断固反対する。
第三に、会社は東京電力と全く連絡体制がなく、福島第一原発で何が起きても乗客や労働者を守ることができない。さらに、不測の事態に対しての避難マニュアルも何も作成されていない。そのことは動労総連合とJR東日本本社の団交で明らかになっている。暴挙としか言えない事態である。
この状態で、今もいわき~広野間の運転が行われ続けているのである。いわき運輸区では、乗務員の持つ積算線量計の値が上昇した時も、会社は全く対応せず、「機械がおかしい」などとしてきたのである。
福島切り捨てに加担するJRを許さない!
今回の企画では、2日間のいわき~広野間3往復のためだけに、わざわざ牽引のための機関車を持ってきて回送するという。原ノ町~相馬間の運転再開と同じく、機関車の回送や分割併合などには多くの費用と労力がかかる。イベント自体の採算は度外視してでも、政府と一体で住民の帰還強制を進める意図がはっきりしている。
JR東日本は安倍政権や東電と一体となり、「原発事故はもう終わった」「放射能は問題ない」として、高線量地域に列車を走らせて住民を帰還させ、補償を打ち切り、原発再稼働と原発輸出・鉄道パッケージ輸出をしようとしているのだ。
JR東日本の原発事故に対する態度は、K544をめぐる攻防ではっきりしている。原発事故を正面から見すえず、労働者の被曝を無視し、新自由主義の金儲け優先を貫こうとしている。それは労働者や住民の命と健康に対立するものだ。
動労水戸は、JR東日本・水戸支社に、いわき~広野間のポケモントレインの運行の中止を強く求める。
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