2014年2月21日金曜日

国鉄民営化で不当解雇されて27年 2月16日労働者集会

動労千葉 田中委員長提起




 27年目の2月16日を迎えました。今日まで国鉄分割民営化に反対し、解雇撤回を求めて闘い続けることができたのは、多くの仲間が支えてくれたからです。心からお礼を申し上げます。国鉄闘争が今の時代と対決できているのは動労千葉の闘いだけではできなかったことです。全国の仲間の闘いと支援のおかげです。
 去年の9月25日高裁判決があり、現在最高裁で争っていますが、解雇されたものからしたら反動判決ですが、しかし9.25判決は今の時代に、労働運動に一石を投じた、と考えています。
 27年前の2月の冒頭、葛西職員次長によって作られた停職2回以上、または停職6ヶ月以上の処分歴という不採用基準によって2月7日に出された採用名簿から排除され、2月16日不採用になりました。
 1.25東京高裁の判決は、これまでの判決の「停職処分基準は具体的であり合理的である」という判断をひっくり返し、「不当労働行為の意志に基づいた不採用基準である」という判断をしました。これは小さな一歩かもしれない。だけど国鉄分割民営化が、国家的不当労働行為であることを証明する小さな一歩、しかし僕は大きな一歩だと考えています。27年間に国鉄分割民営化で起きたことをひっくり返す大きな手がかりをつかみました。手がかりをつかんだ以上をここで闘いをやめるわけにはいかない。闘い続けたいと思っています。
 1047名闘争が政治解決の道に歩んだときに、この闘いをやめていいのかどうか、悩んで悩んで決断したことがありました。闘いを継続しようと決断した理由が2つありました。一つは、この政治解決という問題は国鉄労働者の権利、雇用、首の問題だけではなく、この問題が結局、今の労働運動と労働者に大変な迷惑をかけたのか、どれだけひどい現実をもたらしたのか、だから闘いを僕らはやめなかった。もう一つは、私たちの職場の問題です。2010年の政治解決のとき職場で起きたことは、鉄道のあらゆる業務をばらばらにして数百の子会社、孫会社に全部外注化していく、そしてそこで働く労働者を下請け会社に突き落としていく攻撃でした。これは、国鉄分割民営化を出発点にした攻撃です。である以上、分割民営化反対をやめるわことはできないと判断しました。そして闘争を続ける以上は、自己満足的運動ではなく全労働者の権利、未来に影響力をもつ運動ではなくては意味がない、そういう運動にしたのが皆さんの支援の闘いだと思います。この力をもっともっと大きくして、惨憺たる今の労働運動の現状を変えたい。今の政治状況からみてそうです。安部政権がやろうとしていることは、戦争と総非正規職化です。憲法改悪、戦争、解雇自由です。そう考えたときに私たちはもう一度、国鉄分割民営化の原点に返ります。つまり国鉄分割民営化の時に、国鉄改革法で「採用の自由」という名の下に労働者の首切り選別が行われてきたこと、いまの状況を考えればすべてハッキリしました。あのときに「採用の自由」という名の下で「解雇自由」とう扉が開いたのです。あのときに国鉄労働者として、すべての労働者にこのことを知らして闘いを組織するべきだったと痛切に思います。
 これが今の状況を生み出しました。当時の中曽根首相は「行革で立派な憲法を安置する」と言いました。これも安倍政権が進めている憲法改悪から、集団的自衛権から、特定秘密保護法から・・戦争に向かって行く、そのためにNHKもマスコミもすべてコントロールする。これも国鉄分割民営化の原点に帰るんだと思っています。
 労働者が存在している以上、労働運動は激しい攻撃で後退に次ぐ後退し続けましたが、労働運動がこの世から消えてなくなると言うことはありません。労働者が歴史を創っている以上、労働運動は普遍的価値をもつ闘いです。私たちが闘いをあきらめなければ、闘いを継続すれば、怒りの声を結集する力を持てば、私たちが職場に労働運動を復権することができれる芽を創り出すことができれば、必ず労働運動が力をとりもどすと、固く信じています。そうすれば必ず歴史が動き出す。
今職場では新しい闘いが始まっています。鉄道の全面的外注化が2000年から始まって、動労千葉はこれと真っ向から対決しようという決断して、なぜか。今労働者の最大の問題は、雇用が破壊され総非正規職化され、労働者に格差・貧困・ワーキングプアをもたらし、雇用が破壊された結果、社会保障や年金、医療やすべてがメチャクチャにされています。この現状のすべてが民営化や外注化で労働者が非正規に突き落とさられたこと、労働組合が有効に対抗できなかったことの責任あり、この非正規職化と立ち向かうこと。動労千葉は、非正規化された結果ではなく、非正規化される過程と闘う、そういう闘いをやってきました。しかし10年間外注化を阻止してきましたが、おととし外注化が強行されました。でも僕らはあきらめていない。外注化は矛盾だらけで、外注化の是非も問う裁判も起こした。JRだけが偽装請負をやっているというだけではなく、すべてが偽装請負でこの世の中が回っている。労働者だけが苦しんでいるではないか。最近の新聞に「全世界の85人の金持ちがね地球の人口の半分みら35億人の資産を独り占めしている」とありましたが、この現実をつくりだしたのです。動労千葉の外注化との闘いは、まだ職場では小さな闘いですが、こういう現実に対する問題提起でもあります。
 外注化が強行され、職場の多くの仲間が下請けに強制出向されましたが、ここから新しい闘いを解雇撤回闘争と結合して始めています。いま述べたような現状の中で労働組合が力を取り戻すためには、JR本体だけで労働者を組織しているだけではダメなんです。下請けの労働者を組織しなければダメなんです。千葉では、仕業・構内業務を下請け会社に外注化しましが、その会社=CTSは、元は車両などの清掃を行う会社です。90%が時給800円や900円の非正規です。動労千葉の10年間にわたる外注化との闘いは、CTSの労働者にも大きな力を与えていましたし、動労千葉の闘いを応援してくれています。だったら下請け会社の中にも動労千葉を組織して、本体の両方に闘いを組織しすれば、外注化・非正規職化攻撃を必ず粉砕できる、そういう新たな挑戦を始めたいと思います。このことは昔から言われていたことですが、それが実現した例はないのです。だから大変な挑戦です。今日の集会を解雇撤回と同時に外注化粉砕にむけた新しい決意をかためる集会として勝ち取りたい。
 分割民営化の矛盾が吹き出しています。JRの安全は崩壊しています。JR北海道がその現実を示しています。政府がJRを刑事告訴するとろまできました。これは支配階級の中の矛盾の噴出です。民営化して、この事態を作り出したのは国土交通省です。この問題は収拾がつかない。レールの検査データの改ざんで刑事告訴したが、だけど新聞報道を見てください。20年前から検査データーの改ざんをやっていたのです。つまりJR北海道の安全の崩壊は民営化して数年後から始まっていた、今更の問題ではないと言うことです。
民営化がもたらしたのは、安全の崩壊、尼崎事故で107名の命を奪った、労働者の雇用を徹底的に破壊した、その結果として人間が人間として生きていく社会の術(すべ)、社会保障、医療、教育もすべて破壊した、ここで労働運動が力を取り戻す時代が僕らの目の前に迫っているし、僕らの手にかかっていると思います。戦争の道を止めるため、労働者のこの現実を変えるため、やはり闘う労働運動が必要です。これからもご支援をお願いして私の提起を終えたいと思います。

房州鉄道研究会サイトから転載