2017年2月3日金曜日

日刊動労千葉 第8235号

乗務員分科 17年の課題と闘いの決意
乗務員への締め付けやめろ!
ローカル線切り捨て反対!
組織拡大をかちとろう!

●昨年1年間、運転士に対する背面監視などの締め付けが激しく行われ、運転士にとって耐えられない状況だっと思います。
相馬 何年も前から背面からの撮影があった。今はインターネットなどで出されてしまう。しかも会社はそれを利用してハンドルから手を放したとか居眠りした、あぐらをかいたといって締め付けてきた。乗務員も気を付けなければいけないけど、会社のやってることは許せないね。
山口 運転士からすれば、信号機の喚呼を全部声出してやってたらそれこそまいっちゃう。
相馬 そういうことも含めて運転士は一人で運転して責任を負っている立場だからね。
山口 これに対して、「運転士を守れ」と言っているのは動労千葉だけ。他の組合だって抗議をすべきだよ。動労千葉が団交で追及して、「安全上支障がある場合は、指令に連絡した上で、運転士の判断でカーテンを閉めても構わない」と千葉支社に回答させたのは大きかったよね。
相馬 あとは、「撮影禁止」の表示や、動画の削除を絶対にやらせなくちゃいけないですね。
●9月にDL業務で行路指定のストライキを闘いぬきました。
山口 「労働環境」を整えなければいけないのに会社が放棄した。行路指定のストライキは非常によかったと思う。だから会社も異様な対応に出て、予備も含めて3人が同じDL行路になった。ストをやめたらどうするのかと聞いたら、「3人で乗務してもらう」と。笑い話だね。
相馬 これだって、また今年の夏には問題になる。徹底的にやったほうがいいね。
●9月に佐倉駅でのトイレ問題が発生しました。
相馬 以前、錦糸町電留線で同じことがあった。内容は全く同じ。乗客から通報されたんだけど、現場長も「気を付けてくれよ」ぐらいで、何の処分もなく笑い話でおわった。条件は全く同じなのに、佐倉の件では減給処分が出され、さらにハンドルを奪われて強制出向。結局、会社の体裁を保つこととマスコミ対策として処分して、それで済まそうとしたということだね。
山口 締め付けもあるけど、組合対策という点も強いと思ったね。確かに背面監視―締め付けという点もあるけど、これは、次元が違う問題ですよ。
相馬 団交で何回も佐倉駅ホームにトイレを作れと言ってきた。
山口 会社だって「各駅に乗務員用トイレがあるのがベスト」だと回答するわけですよ。それだったら、金をかけて付ければいいじゃないですか。
相馬 この間で付けたのは両国だけ。乗務していて、「あそこまで行けばトイレがある」というだけで安心できる。会社は簡単に「指令に言っていただければトイレに行ってかまいません」と言うけど、そんな簡単な問題じゃない。若い運転士や車掌も、この問題では動労千葉の言ってることに全面的に賛成してくれる。「こんな処分出たらたまんないですよ」とみんな思っている。女性乗務員も折り返しで5分しかないからトイレに行けないと言ってた。結局、我慢しちゃうわけ。
山口 「各駅にあるのがベスト」というのも口だけでしょ。佐倉駅も排水が問題だというけど、今の技術でトイレが設置できないわけがない。結局、儲からないことには一切お金を出さないってこと。
相馬 会社が何もやらないから、我慢できずに佐倉駅でトイレをしただけで処分が出されたことは絶対許せない。だから俺もこだわってる。今回のダイ改でも千葉まわり、三鷹まわりの行路があるけど、トイレ問題をからめて会社を徹底的に追及しようと思っているね。
山口 DLに冷房がついていないのと一緒。会社は、「稼げ、稼げ」って言うけど、それなら駅に乗務員用トイレをつけるべきなんだよ。
相馬 トイレ問題は終わった訳じゃなくて、これからが本当の闘いになる。動労千葉としてもこだわってやっていくってことですね。
●3月ダイ改で千葉支社は、内房線について「君津・木更津系統分離」と称して千葉までの直通運転廃止や列車削減等を提案しました。
相馬 「系統分離」は、君津から下りは系統が違うという考え方だよね。儲からないところは切り捨てて、儲かる君津より上りは優遇するということだよね。
山口 今に始まったことじゃない。実際、昼間の成田線は5時間ぐらい1本もない。成田空港行きの快速なら1時間に最低1本、多くて2本ある。これを内房線に導入した。早ければ来年のダイ改では外房線ということになる。
相馬 会社の意図は、将来的にはワンマン運転や第3セクター化、バス代行を考えてるね。「風対策」だと言っているけどそれなら柵をつくればいいわけ。
山口 会社が「系統分離」と初めて言い出した。明確に方向性を出してきた。君津から下りは3編成あれば回っちゃう。その結果、乗務がきつくなるということだね。
相馬 「おいでよ房総」とか言って勝浦~館山間にSLが来たけど、常時人が来れるような環境がないと駄目だね。
山口 これだって、「JRはこれだけ努力しました」と言って、後は切り捨てるための理屈にしようとしてるんじゃないかな。特休廃止の時も同じだったからね。
●2月4日に館山で地域集会が開催されます。地域の人が中心になって結成された「内房線と地域を守る会」が呼びかけです。
相馬 館山運転区廃止問題や特急廃止問題の時以上に地域が相当危機感があるよね。館山運転区廃止だと俺らサイドから反対だけど電車が来なくなったら廃線だってね。
山口 北海道などは輸送密度2000人以下で廃線の報道もあった。会社は東京方面への利便性向上と言うけど、ローカルについては儲からないからという理由で切り捨てしか考えてない。
相馬 内房から通っている人がいるけど、千葉までの直通運転廃止で君津で乗り換えるため、寝られないって言ってた。今まで以上に睡眠不足になるし、深刻だね。
●久留里線も初列車と終列車が切られようとしています。
山口 久留里線の初列車の調査内容が日刊に載ってたけど、廃止予定の初列車と最終列車の両方を使う人もいるなど、深刻だね。
相馬 車のない人は、久留里まで行く手段がないと言ってるけど、JRはこういう人たちがいることについてどう考えてるのかね。
山口 外房線でも昨年、勝浦初電が大原発にされた。勝浦から大原まで6人位乗ってたんだけど、どうしたんだろって考えちゃうね。
相馬 会社側は、そんな何人かは関係ないという考えで、地域と人を切り捨てちゃうんだよね。
山口 そういう意味でも、2月4日の館山での地域集会は大きいね。ここを成功させて、3月4日のダイ改では、地域と一体となって反対の声を上げていきたいですね。
●毎年のダイ改で乗務効率の向上と称して仕事がきつくなっている現実があります。
相馬 津田沼では大型行路が減らない。何年も前から会社には要求してるけど、東京も含めて一回白紙にしてダイヤを組まないといい行路にならないね。若いうちは大丈夫でも、平成採の上の方、とくにライフサイクルから戻ってきた運転士は「きつい」と言ってる。
山口 今回のダイ改では、木更津の行路で一番心配したのが、朝の館山8時2分の木更津折り返しから始まって1往復半位持たされる可能性がある。逆に東京方面は持ち切りにさせることが出来る。千葉から乗り継いで君津~東京、また東京~君津まで、飯の時間だけあればさらにもう一丁つけられる。そういったことが出てくるということなんだよ。結局「系統分離」といのは、上りは上りだけでやりますよということになる。そうなると乗務員区の再編という問題になってくる。そこまでキチンと見ないといけないね。
相馬 大量退職の後のタイミングだと思いますね。そうなると若い人が大変になるね。
山口 積算乗務距離でいうと、今は俺たちがトップになる。でも、5年ぐらい国鉄を経験しているからまだいい。今の人は用意ドンでJRだから、未知の世界に足を踏み入れることになる。
相馬 このままでは退職まで乗務員やれないよ。ボロボロになっちゃう。しかもその後だって駅や構内は外注化されて行く場所がない。
山口 だから動労千葉は反合・運転保安闘争や外注化反対闘争を闘ってきた。この闘いは俺たちだけの問題ではなく、若い人たちのための闘いだからね。
相馬 そういう意味でも、組織を拡大して一緒に闘いたいよね。
●最後に、今年1年間の抱負を聞かせてください。
相馬 当面は、3月のダイ改闘争ですね。行路の緩和や運転士への締め付けに対して反撃しないといけない。ストライキを構えてやらないと駄目だと思いますね。
山口 行路緩和は絶対にやらせなくちゃいけないですね。それから、トイレ問題は全ての乗務員の問題として執念深くJRを追及しなくちゃいけないでしょ。あと、DL業務の関係では、夏に向けて冷房や工臨行路の分割問題が焦点になりますね。いずれにしても、闘いの年になると思いますので宜しくお願いします。
●ありがとうございました。

動労千葉乗務員分科会 鈴木会長
3月ダイ改では、内房線の「君津・木更津系統分離」が出されてきました。これは、首都圏70㎞圏直通構想をさらに深度化した攻撃です。君津までは利便性向上をはかると言いながら、房総南線をはじめとしてローカル地域は露骨に切り捨てるというものです。今後は、外房線や総武本線へも拡大されることも含め、重大な問題として危機感をもっています。また、今後の乗務員基地再編や運転士の再配転にもつながる問題としてキチンと見据えなければなりません。いずれにしてもて今回のダイ改は正念場の闘いになりす。
運転士への背面監視や責任転嫁については、職場から本格的反撃を開始しなければなりません。
また、トイレ問題はまだ何も解決していません。限界を超えた乗務を強制し、トイレにも行けない状況は絶対に認められません。
さらに、DL業務についても今年の夏に向けて冷房の設置や行路緩和も焦点になります。乗務員分科会は、反合・運転保安確立に向けて組合員の先頭で闘います。

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