2017年12月27日水曜日

闘いなくして安全なし No.147

http://www.doro-chiba.org/ga/tn147.pdf


新幹線台車  あと3㎝で破断
異音・異臭も3時間運行継続

 12月11日、東海道・山陽新幹線の台車に長さ約14㌢の亀裂が見つかりました。あと3㌢で台車が破断する長さです。約1000人の乗客を乗せて高速走行しながら脱線するなどもう一歩で深刻な事故になるところでした。

安全よりも利益と「定時運行」優先

 13時50分、小倉駅を出発した際から「焦げたようなにおい」が報告されています。
 15時15分、車両保守の担当者3人が岡山駅で乗車し、うなるような異音を確認。停車して点検するよう運輸指令に提案しています。
 しかし、指令は運行に支障はないと判断し、運転継続を指示しました。16時頃に新大阪駅でJR西日本の乗務員からJR東海の乗務員に交代。
 京都駅でも異臭が確認され、17時過ぎに名古屋駅に到着してようやく台車の点検が行われました。異常が確認されてから3時間、740㌔もの間、運行し続けてしまったのです。
 安全よりも「ドル箱」である新幹線の定時運行を優先させたと言われています。また、台車破断寸前の事態を引き起こした背景には、JR各社が利益を優先して保守点検部門の合理化を進めてきたことと、国交省が規制緩和でそれを促進してきたことがあります。

規制緩和で新幹線初の検査周期延伸

 この車両の点検を直近で担当したJR東海では昨年春から新幹線車両の交番検査周期が「30日か3万㌔を超えない期間」から「45日か6万㌔を超えない期間」へ延伸されていました。JR東日本でも今年春から、「6万㌔を超えない期間」に延伸されました。国交省の規制緩和で、JR開業後初の新幹線での検査周期延伸が可能になったのです。
 それは、この間JRが進めてきた人員削減に拍車をかけます。過密ダイヤで人も少ない中であれば、検査を簡素化する以外にありません。本来発見できる異常や故障を見落とし、事故を引き起こすことにつながります。
 鉄道を金儲けの道具にして、乗務員や乗客の命を脅かすなど絶対に許されません。合理化・労働強化に反対し鉄道の安全を守ろう。

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