2011年3月31日木曜日

動労千葉国際連帯委員会声明

津波・原発は「人災」ではない!
国家と資本そして体制内労組指導部による犯罪だ!

 死者・行方不明者は3万人に足しようとしている。添付の仙台市役所の自治体労働者からの報告をを参照してほしい。被災者への水、食料さえ欠乏し医療の崩壊の中で、高齢者を中心に次々と命を落としている。ここに追い打ちをかけるように福島第1原発が炉心溶融か否かの綱渡りを行いながら、莫大な放射能をまきちらしている。
 そして外部被曝、内部被曝の「許容値」が次々と引き上げられた。土中からプルトニウムが「微量」に検出されたという現実の直面しても、国営放送に登場する原発推進学者たちは、「今すぐ人体に影響はない」と繰り返している。

 原発から200Km近くは離れる関東地方でも、スーパーから水のペットボトルは消えた。そしてホウレンソウ、キャベツなどの葉物野菜に、「出荷停止」という強権が振るわれた。福島県の64歳の野菜農家の男性が、3月29日、自ら命を絶った。この方は、地域の小学校の給食に使うキャベツをより安全な有機農法でつくることに、30年以上の命をささげてきた。死の直前、男性はむせかえるようなしぐさを繰り返し、「福島の野菜はもう駄目だ」とつぶやいたという。

 国家と資本は、地方のコミュニティーをとことんまで疲弊させ、津波の研究はしても防波堤はつくらず、利潤の追求と核の保有のみを目的とした原発を地震列島の上につくり続けてきた。津波で破壊された職場、放射能によって放棄された工場から、膨大な労働者が休業手当も剥奪された上で、街頭に放り出されている。国家と資本による犯罪と言わずして何と表現できようか。

 そして同時に、体制内労組指導部の責任も万死に値する。昨年「原発推進」を決定した連合は、この未曾有の事態に対して、「政府の迅速・的確な対応に敬意を表し」、「国難とも言える事態に今こそ、一致結束して救援・復旧活動に取り組む」とした。電力総連は「この難局を乗り切る」ため、東電と口調を合わせて「計画的な停電をお願いせざるを得ない」と放言している。国鉄1047名闘争を投げ出した国労本部とその共闘団体は、「雇用問題の政治への運動を当面中断する」として政治休戦を宣言した。
 何ということか!数万の労働者・民衆が命を落とし、数十万の人々が明日もわからない生を生き抜いているときに、これを引き起こした根本的原因と真正面から対峙せず、破綻の極みをさらけ出す新自由主義とその施策に竿を指す体制内労働運動指導部を、湧き立つ怒りの坩堝の中で打倒せねばならない。

 私たちは、東日本震災救援対策本部を立ち上げた。眼前の情勢に屈せず、そこから絶対に逃げないこと、被災現地の怒りと結び付き、「生きるための組織」としての労働組合を今こそ蘇らせること、ここに全てをかけて闘い抜く決意だ。
 全世界の労働者のみなさん、私たちの力はまだ小さいものだけど、日本労働運動の帰趨を決する決意で闘います。全世界の労働者の団結で、破綻の極みの新自由主義に断を下そう!全ての原発を即時に停止させよう!


2011年3月29日
動労千葉国際連帯委員会