9月22日(木)午後、ヒロシマ、フクシマ発「すべての原発の即時停止・廃止を求める署名」の第3回目の署名提出を行いました。8・6ヒロシマ大行動事務局長の谷口恭子さんら7名で内閣府に行き、内閣府の大臣官房総務課調査役・佐野美博さんらに手渡しました。【続く…】
●ヒロシマからの申し入れ書
抗 議 申 入
内閣総理大臣 野田佳彦 様
「すべての原発の即時停止・廃止を求める署名」を 26,709筆提出します。
私たちの要求項目は以下です。
一、すべての原発を即時停止し、廃止せよ
一、国と東京電力は、福島第一原発事故の一切の被害を補償せよ
一、情報操作をやめ、労働者と住民の安全を最優先せよ
一、すべての核兵器と核関連施設を廃絶せよ
私たちは、新しく就任した野田首相に対して本当に怒りを禁じえません。
原発を再稼働させるとはどういうことですか! しかも電力について「今年の夏は乗り越え、今年の冬も大丈夫」と自認しながら、再稼働ありきの方針など、一体全体どういうことですか! 何よりも再稼働・原発の維持存続、原発推進が前提にあって、ストレステストだの保安院の特別チームだの第三者委員会など茶番もいいところです。冗談じゃありません。
「原発はいらない!」この声が聞こえないとでもいうのですか。福島の怒り、叫び、涙、苦悩、絶望が見えないとでもいうのですか。9月19日、6万人もの人が全国から、何よりも福島現地から1000人もの人が集まった、あの集会とデモが見えなかったとでもいうのですか! 野田首相の所信表明を引き合いに出すならば、高校生たちの「福島に生まれ育ち、福島で働く。福島で結婚し子どもを産み育て、孫、ひ孫を見て、福島で最後を過ごす。それが私の夢なのです。」この言葉を聞いて、どうして原発をあえて再稼働するなどということが言えるのですか。彼らの夢は原発をなくすということ、そのものではないですか!野田首相、あなたは「あきらめはやがて、失望に、そして怒りへと変わり、日本社会の安定が根底から崩れかねません」とも言っています。そう、まったくその通りです。私たちはこんな、資本や国家のための安定、原発なくしては安定しないような社会なんかもういりません。
9月19日、福島の方が訴えられました。「真実は隠される、国は国民を守らない、事故はいまだに終わらない、福島県民は核の実験材料にされる、ばくだいな放射性のゴミは残る、大きな犠牲の上になお、原発を推進しようとする勢力がある、私たちは棄てられたのだ!」この叫びを踏みにじる野田首相がいう国家や社会の安定など、私たちには必要ありません。
それだけではありません。野田首相は本日国連で「原子力エネルギーの確保は引き続き重要だ」とのうのうと述べるというではありませんか。それどころか「核物質や原子力施設の防衛・保全を図る核セキュリティーに取組む決意」などというではありませんか! 本末転倒とはまさにこのことです。核・原発が危険であることは、これ以上ないほどに明らかになっています。テロ攻撃?セキュリティー?ふざけるのもいい加減にしろ! 3月11日以降、原発によってどれだけの人が亡くなったと思っているんですか!被曝労働によってどれだけの人が命を落とし、放射性障害によって苦しんでいると思っているんですか! 野田首相はさらに言います。「原子力エネルギーの安全強化が最優先課題」、こんなこと、一体全体誰が思っているんですか! 核・原発によって世界を、労働者民衆を支配し、労働者や住民の生活や命と引き替えに金もうけをしようという輩たち以外に、こんなことは思いつきません!
PKOでスーダンに自衛隊を出す、武器使用を強化する、あるいはここまで阻止され続けている沖縄の辺野古にあくまで米軍基地を建設する、開いた口がふさがりません。さらには、なんと福井県の高速増殖炉もんじゅに予算216億円を計上するというではありませんか!
野田首相がやるべきことは、一刻も早く再稼働策動をやめて、全ての原発をとめることです。それ以外にあなたがなすべきことは何一つありません。ただちに、すべての原発をとめ、原発を廃絶することを強く要求します。
以上、ヒロシマとフクシマの怒り、そして同じ思いを持った皆さんの大切な署名をここに提出します。
2011年9月22日
8・6ヒロシマ大行動実行委員会
〒730-0016 広島市中区幟町14-3-303
●フクシマからの申し入れ書
すべての原発の即時停止と廃炉を求める申し入れ書
このフクシマ・ヒロシマが呼びかけた1千万署名の提出行動にあたり、この署名運動に携わる福島県民の一人として、ひとこと申し上げたいと思います。
このような署名運動を開始しなければならない200万福島県民の憤りと「原発はもういらない」という被曝者となった者たちが発する切なる思いわかりますか? 聞こえますか? 見えますか?
そして、この署名の一筆一筆には、数万年にわたる人間的営みを途絶えさせた瞬間への、その瞬間を生み出してしまったことへの、生み出すことを知っていて阻止し切れなかったことへの、失うことによってかけがえのないものだと気づいた人々のフクシマ・ヒロシマとの人間的連帯の証が刻まれています。
現地・福島と郡山市では空間放射線量がまだ20マイクロシーベルト/Hというさなか、ガソリンと水を求めてみんなが列をなしていた3月20日からこの署名は取り組まれました。大熊町、双葉町、富岡町をはじめ、普段ではめったに街頭署名で目にしない福島県の浜通りの市や町名が登場します。その一人一人の強いられた避難と疎開人生に思いを馳せれば馳せるほど、すべてを失った福島のカタカナのフクシマになったことの深刻さ、残酷さを直視しない、否、それに抗う野田政権の原発推進政策は絶対に認めることはできません。
あらためてすべての原発の即時停止と廃炉を求めます。
2011年9月22日
百万人署名運動・福島県推進委員会事務局 須田 儀一郎