分割・民営化と外注化の結果
JR北海道で事故が激発
今年だけで7件の重大事故
JR北海道の特急列車から出火したり、発煙したりする重大事故が激発しています。同型エンジンの車両は夏の観光シーズンである8月末まで運休となっています。7月15日の千歳線での事故は、走行中のスーパーおおぞら3号から出火しました。焼け焦げた臭いに車掌が気づき、緊急停止させ、乗客135人は避難してけが人はいませんでしたが大惨事寸前でした。
限界超えたスピードアップ
事故の背後には、本質的な問題、安全の崩壊の構造的問題があります。
JR北海道は、都市間を結ぶ航空網との競争でJR各社の中でもきわだってスピードアップを追い求めてきた企業です。北海道はJR各社の中で最も経営基盤が厳しく、当初から黒字経営など無理を承知で民営化されたのです。現在、特急列車は一日148本、うち最高速度130㌔以上の列車が134本。気動車で130㌔超の日常的な高速運転は、福知山線脱線事故での急カーブ高速走行を思いだします。
寒冷地であり北海道は車両や線路の保守点検の面では、他のJR5社よりも条件は厳しいことは明白です。走行距離も長く、ディーゼル車が3百㌔以上を通しで走行することはエンジンに負担をかけています。
最大の問題は、鉄道の保守部門を全面的に外注化したことです。JR北海道の発足時の社員数は1万2955人、現在は7267人です。保守部門が外注化されて社員数は半減されたのです。経費削減のために車掌を廃止し、非常時対応もできないのです。
すべては分割・民営化の結果
事故の根本原因は国鉄分割・民営化にあります。民営化で経営が成り立ちようのない会社を無理やりつくり、ただひたすら競争原理に突っ走らせたのです。すさまじいスピードアップと労働強化、外注化や非正規雇用化の中で、安全は無視されたのです。