2017年5月11日木曜日

外注化阻止ニュース 第318号

http://www.doro-chiba.org/ga/gaityuuka318.pdf


今こそ外注化反対の闘いを
財界雑誌『選択』
事故増加原因は外注化と指摘

 財界向けの雑誌『選択』4月号で「企業研究・JR東日本/赤字路線と事故だらけの老朽鉄道」と題する特集記事が組まれました。
 記事によれば、在来線の老朽化が進行し、東北・上越新幹線も開業から35年が経ち、線路の保守などの維持更新コストが増加。12年度に3162億円だった維持更新投資は16年度には3580億円。増加傾向が続いています。

断トツに事故が多いJR東日本

 ところが、JR東日本の輸送障害事故の発生件数は減るどころか増加しています。国土交通省の「鉄軌道輸送の安全に関わる情報」によると、私鉄全体での輸送障害事故は前年度比10・5%減少しています。
 逆にJR東日本は377件で3・6%増。なかでも増えたのが車両トラブルによる事故。いわゆる人為的ミスによる事故発生件数は減っていますが、車両トラブルに起因する事故は8・5%増えています。
 15年における大手私鉄の事故発生件数は15社で計61件。発生率は0・19%。JR東日本は発生件数で6・2倍、発生率で7・5倍です。大手私鉄16社の総走行距離数はJR東日本の1・2倍です。JR東本の事故発生率は断トツに多いのです。
 国交相がこの統計を取り始めたのはJR西日本の福知山線脱線事故がきっかけです。事故直後は事故数が減りましたが、2010年度から再び増加に転じました。

外注化こそ事故増加の原因だ


 記事は、事故増加の原因は、膨らみ続けるコストを抑えようと本格化して修繕や検査業務などの外注化です。これにより一連の業務に技能やノウハウの伝承が断たれ、質が低下し、事故が減るどころか増加している一因だと指摘しています。
 このように財界向けの雑誌にさえ「保守・管理能力が低下し続け年々事故が増加」と書かれ、JR東日本の事故発生の決定的な原因が外注化であり、コスト削減にも失敗していると指摘される状況なのです。
 鉄道業務の外注化こそ鉄道の安全と労働者の雇用を破壊しているのです。外注化を止める闘いは鉄道にかかわる労働者の責務です。動労千葉と共に外注化を止め、すべての業務と労働者をJRに戻そう。

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