2017年5月12日金曜日

闘いなくして安全なし No.119

https://drive.google.com/file/d/0B6_MNKzi3eCFRTdCdkVyc0lmcHM/view?usp=sharing


レール幅超過で54本運行
JR函館線
レール交換後の報告遅れ1日半列車を運行

 4月20日深夜から21日夕方までの約1日半にわたり、JR函館線のレールのずれが安全基準値を超えた状態で列車が運行されていました。その間に、旅客、貨物列車計54本がその箇所を通過してしまいました。
 当該箇所では20日にJR北海道グループ会社(札建工業)がレール交換を行い、レール幅や左右の高低差などを測定していました。
 本来は、測定した数値をJRにすぐに伝え、JR側で基準値を確認するはずでした。
 そして、基準値を超えていた場合は、列車の運転を中止し、レールを整備し直すことになっています。
 しかし、JRに報告されたのは検査終了から36時間以上後でした。
 レールのずれは1㍉でした。JR北海道は、「すぐに安全上の問題が生じるものではない」と説明しています。

外注化による深刻な安全崩壊

 何より深刻なのは、外注化によって職場に無責任体制が蔓延していることです。
 グループ会社側からすれば、レールの交換と数値測定までが自分の仕事で、基準値の確認はJRのものという意識が作られます。一方、JR側ではレール交換や保線業務は外注先の問題だという意識になってしまいます。
 その結果、グループ会社からの数値測定結果の報告が遅れ、JR側も数値の報告を受けていないのに列車の運行を続けてしまうという事態が引き起こされたのです。
 JR北海道は13年にレールの検査データ改ざんなどが相次いで発覚し、国交省から事業改善命令を受けました。しかし16年6月、石北線でレール幅の異常をグループ会社の責任者が報告し忘れ、6日間も放置されました。
 外注化による安全崩壊が一度進行すれば、回復するのがいかに困難かを示しています。
 乗務員にとっても、検修業務や保線業務が万全に行われてこそ、安全に列車を運行させることが出来ます。そこでの外注化・安全破壊は、事故に直結する問題です。外注化は絶対に認めてはならないのです。