2020年7月29日水曜日

闘いなくして安全なし No.270




“人口減少”“乗客減少”を
ワンマン化の口実にするな!


 JR東は「変革2027」で、人口減少で乗客が減り、鉄道業務は「急速に利益が圧迫されるリスクが高い」としています。7月のJR東グループ社長会でも「鉄道事業のコスト構造にメスを」「働き方の柔軟化を進める」と語っています。狙いは明らかに人員削減や雇用・労働条件解体、ローカル線切り捨てです。ワンマン運転推進もその一つに位置づけられています。
 〝人口減少〟は「採用が難しくなるから要員削減は仕方ない」というウソにも使われています。しかし、「乗客が減るからコスト削減」というのはまったく別問題です。利益を優先して必要な要員を削減するというだけだからです。
 
安全・労働条件を犠牲に利益優先するな


 「利益」がすべての基準にされる社会のあり方は根本的に間違っています。象徴的なのは医療・介護の現場です。政府は「医療費削減」を掲げ、「一般病床が多すぎる」と病床削減を病院に迫ってきました。しかし、コロナ感染症の患者の多くは一般病床に入院して治療を受けました。政府の意向通りに病床削減が進んでいれば、事態がさらに深刻だったことは明らかです。
 東京女子医大はコロナ感染症による経営悪化を理由に「夏季手当ゼロ」と回答しました。現場労働者は感染の不安や誹謗中傷の中で、「命を守るために」と激務に耐えてきたにも関わらずです。これをきっかけに「看護師400人が退職希望」と報道されました。これでは医療は成立しません。「医療は社会保障として維持されるべきだ」と声があがっています。
 鉄道は公共交通機関であり、社会的なインフラです。地域生活に必要な列車を守り、安全に列車を運行させることこそ「最大の使命」です。
 「利益」をすべての基準にして、「乗客が減ったから列車も要員も削減していい」「儲からないから切り捨てていい」というあり方は絶対に認められません。「人口減少」をワンマン運転拡大の口実にするなど言語道断です。

ニュースへのリンク