2020年7月30日木曜日

外注化阻止ニュース 第490号




〝医療を社会保障として取り戻す〟
船橋市の病院労組がストライキ


 コロナの影響で医療機関の倒産も始まりました。感染者を受け入れた病院の8割近くが4月の経営は赤字でした。感染者の受け入れによる費用増と、他方で一般患者の受診抑制などが理由と報じられています。
 東京女子医大病院では4、5月だけで30億円の赤字が出たとして労使交渉で夏季一時金のゼロ回答が示され、400人の看護師から希望退職の声が上がり社会問題になっています。

病院ストライキが大きな反響

 そんな中で船橋市の病院で7月10日、「コロナによる医療機関の大幅減収を労働者のボーナスカットで穴埋めするのは間違っている」としてストライキが決行されました。ストは大きな反響を呼び、連日、TVや新聞などに取り上げられました。
 ストを決行した労組は次の5項目を経営側へ要求しました。

①2020年夏季一時金を、正規雇用労働者も非正規雇用労働者もすべて1・5カ月支給すること。
②退職金規定改定案(減額提案)を白紙撤回すること。
③4週8休提案(労働時間延長提案)を白紙撤回すること。
④医療減免制度撤廃案を白紙撤回すること。
⑤安全と労働基準法を守ることが出来るだけの人員配置(大幅増員)をすること。

 またスト決行にあたって出された「ストライキ指示書」には、上記の5項目の要求の他に「このストライキで医療を社会保障として奪い返す」との主張が示されました。

労働組合が強くなれば大きな影響力

 同労組はスト後の記者会見で「労働組合が力強くなれば、ものすごい影響力を社会に持つ。『おかしい!』という人がいて、そこに声が上がる。それに多くの人が賛同し、大きな力になっていく」と訴えました。
 医療機関だけの問題ではありません。この間、鉄道をはじめあらゆる公共的なものが営利主義で破壊されてきました。こうした状況を変化させるためには労働組合の存在と活動が大きな力になることを今回の病院ストは示したと思います。

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