2013年 新年にあらためて訴えます
雇用と安全を破壊する
外注化反対で闘おう
安全よりコスト削減の外注化は許せない 出向無効訴訟
今年もよろしくお願いします。
「外注化阻止ニュース」は昨年6月に発行を開始しました。昨年末12月26日、外注化に伴う強制出向の無効を確認する集団訴訟が東京地裁で始まりました。今年も、労働者の雇用と鉄道の安全を破壊するJRの業務外注化への反対を訴えていきます。
安全よりもコスト削減
JR東日本は2001年以来、保線や電力、信号通信、建築土木などの設備関係のアウトソーシングを強行し、さらに検修・構内業務や駅業務の丸ごと外注化を推進しています。
昨年10月にから始まった検修職場の全面外注化は、技術も経験もゼロの清掃会社への業務委託でした。業務を労働者ごと丸ごと委託する手口は、職業安定法や厚生労働省の通達に違反する明白な偽装請負です。
これをひたすら安全コスト・人件費の削減のために押し通しているのです。会社は「出向」と言いますが、業務がすべて委託されれば戻る職場はなくなります。否応なしに転籍、いずれは非正規雇用に突き落とすつもりなのです。労働者をこのように扱うことは許せません。
相次ぐ運輸関係の大事故
2012年は、関越道ツアーバス事故や笹子トンネル崩落事故など衝撃的な事故が相次ぎました。公共交通機関を市場原理・競争原理にまかせ、規制緩和で安全基準を企業の勝手にさせてはならないのです。利益を直接に生まない安全部門が本当に軽視されています。
鉄道の安全は、検修や保線ぬきに成り立ちません。安全部門で働く労働者を、出向や転籍、非正規雇用に追いやれば何が起きるのは明らかです。
作業は寸断、復唱も省略
外注化によって現場は大変な状況になっています。入換業務の「通告」はもっとも大切な指示行為です。1作業1通告、復唱が必要でした。しかし外注化後は、単なる「情報提供」とされて、復唱も省略されています。
委託会社は経験もノウハウもなく、作業は寸断され、「偽装請負の指摘」を避けるために指示が伝言ゲームのようになっています。
動労千葉の「原点」
動労千葉の「原点」は、1972年に起きた船橋事故です。
この年、総武線の東京?錦糸町間の地下新線が開通し、錦糸町?津田沼間が複々線化され、津田沼駅までの快速電車の運転が開始しました。
その直後に船橋駅で数百人のけが人が出る大事故が発生したのです。ATSの警報ブザーを切って徐行運転をさせたことが原因です。運転士はその場で逮捕され、起訴されました。
「事故問題は労働組合の課題にならない」――これが当時の労働組合の常識でした。
しかし、動労千葉は「事故責任を運転士に転嫁するな」と断言して、労働組合の総力をあげて闘い抜き(写真)、仲間の運転士を守りぬきました。この闘いによって「こういう闘いをするのが本当の労働組合だ」と現場から絶大な信頼を集めたのです。
アウトソーシングと非正規雇用の流れは強まっています。20代前半の非正規雇用比率は20年で約4倍です。いまや3人に1人が非正規雇用です。隣の韓国は約55%が非正規です。
労働組合は、外注化や非正規雇用を止めることができないのでしょうか。そんなことはないはずです。現に、千葉支社では約12年間、検修職場の外注化をストップさせてきたのです。止める力は現場の労働者にあります。
出向無効確認の訴訟
昨年12月26日、検修・構内業務の外注化に伴う強制出向の無効を求める裁判が東京地裁で始まりました。外注化に反対する集団訴訟は初めてのことです。
動労千葉―動労総連合は、今後もあらゆる問題を現場からあぶり出し、申し入れや裁判、労働局にぶつけます。偽装請負による強制出向に対しては徹底した抵抗闘争を行います。ともに闘おう。