2013年6月25日火曜日

動労水戸 JR水戸支社、再びK544運用を計画

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原発再稼働と帰還強制にJRは加担するのか

 みなさん!動労水戸のストライキと職場の仲間の怒りで使用停止になり、一昨年から勝田車両センターに留置されているK544編成が再運用されようとしています。会社は内部被曝の危険についてなんら回答もせず、放射能対策もないままで7月16日に交検を行い、17日入場整備、18日に郡山工場への移送を強行しようとしています。この暴挙が発覚することを恐れた会社は、わが組合に計画を通知しませんでした。委託業務に携わるMTS労働者にも一切知らされていません。労働者の命と安全を何だと思っているのか!会社による被曝労働の強制を私たちは絶対に許しません。こうした暴挙を黙認する他労組幹部も同罪です。K544の交検・移送を阻止し、内部被曝から労働者・住民を守りましょう。常磐線竜田延伸で、高線量地帯への帰還と補償と命の切り捨てを進める国とJRに対し、組合を越え鉄道労働者の誇りと使命にかけて団結し対決しよう!

団交でも説明できない会社の「安全の根拠」

 6月12日、私たちはは職場における放射能問題をめぐり水戸支社と団交を行いました。
 この場で会社が「安全の根拠」として用いたのは、経産省の「年間20ミリシーベルトの基準について」という資料です。この資料では「広島・長崎の原爆被爆者の疫学調査の結果からは、100mSv以下の被ばくによる発がんリスクは他の要因による影響によって隠れてしまうほど小さいとされています」と放射能の害を過小評価し「チェルノブイリ事故における避難措置等は過度に厳しいものだった」「強制的な移住により、移住先での住環境や人間関係等に適応できず、精神的なストレスを引き起こすケースが多かった」などと主張しています。原発事故に際して、自らの責任で避難や放射能対策の強化を通して労働者や住民を守るという考え方は皆無です。そもそも原発政策を進めてきた経産省の言うことが信用できるでしょうか? 会社は都合のいい「基準」を謳う資料を持ち出しつつ、答えに詰まれば「国(経産省)が安全と言っている」「わが社に専門知識を持つ人間はいないので」と逃げることに終始しました。自らの責任で社員や旅客を守るという気概すらありません。

放射性物質の管理も労働者の安全も投げ捨てる

 今回の団交では、昨年夏の大子でのラジエータ清掃後の「溜めマスの汚泥」の行方についても会社を追及しました。会社は「汚泥そのものの線量は測らず、空間線量だけを測った。産廃業者に引き取らせるには乾燥させる必要があるので内原に運んだ」と回答。とんでもない話です。そもそも1㌔当たり8000ベクレルを超える物質は「放射性廃棄物」として厳重に管理・処理しなければなりません。汚泥の線量を測らなかったのは、仮に8000ベクレルを超える汚泥という事実が発覚すれば大変な問題になることを恐れたからに他なりません。「隠ぺい」以外の何物でもありません。
 同様に、組合が要求している「水郡線沿線の線量測定」「車両・構内の線量測定」も「避難区域になっていないから測定はしない」と逃げの回答に終始。車両のホコリを浴びた組合員が体調を崩した事実についても、「病院に行ってもらったのでそれ以上のことはしない。原因の究明も必要ない」との回答。被曝労働で何が起ころうとも、会社は一切責任を取らないということです。こんなことを許せるはずはありません。

被曝強制し強行突破図るJRとの全面対決を

 放射能問題に対して労働者と旅客の命を守るという公共交通機関としての責任をJRは投げ捨てています。K544の運用強行は、「新安全基準」の下で原発の再稼働を狙う動き、常磐線竜田延伸で避難区域再編と補償切り捨て、避難者へ帰還を強制することと一体で進められています。国や電力会社の「放射能は問題ない」「避難者は故郷に帰れ」という施策を、JRは労働者に被曝を強制するという形で協力しようとしています。事故から2年、福島では甲状腺ガンが増加し、生物の異常も報告されています。「住民の帰還を進めるため」として行われている除染作業も、効果が上がらない中で無防備な被曝労働が行われている一方、下請け業務による労働者のピンハネが横行し、ゼネコンだけが儲かるという構造になっています。このような現実から目をそらせ、原発事故を居直り、被曝の影響を無視し続ける国と電力会社。そして、そのお先棒を担ぐJR。経済産業委員会所属の自民党・高市早苗が「原発事故で死んだ人はいない」と発言したように、政府にも企業にも責任感のかけらもありません。政府と同じく職場の声と放射能汚染の現実を無視して「強行突破」を図るJRを私たちは絶対に許しません。
 3・11原発事故以降、私たちは放射能の脅威と故郷を奪われた人々の悲しみと怒りに向き合ってきました。鉄道労働者と労働組合としての責任において、被曝労働阻止の闘いをとことん貫こう!命と安全を守るために共にストライキに立ち上がろう!

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