籠原駅漏電・炎上 48年前のがいし
メンテナンス合理化で大事故に
メンテナンス合理化で大事故に
明らかに危険な状態だった
JR東日本は3月24日付『安全速報』で、3月15日に発生した籠原駅(埼玉県)の漏電・炎上事故について次のように説明しています。
これまで会社は碍子(絶縁体)について「寿命は20~25年」と説明していました。ところが当該がいしは68年製(48年前)で、実際の設置日については「調査中」だというのです。
台帳上にある「91年設置」としてもすでに25年がたっています。周辺のがいしをすべて交換しなければならなかったことからも、いかに危険な状態だったのかは明白です。
「高抵抗地短絡」で被害拡大
今回の漏電は、電気抵抗の高いコンクリート電柱を伝ったものでした。そのため変電所ではモーターに電気が流れたときと区別がつきません。
「高抵抗地短絡」と呼ばれる現象で、現場では激しいショートが起きているのに、電気を遮断できない状態が続くのです。
これが大事故につながることは知られていました。対策は研究されていましたが、実用化はまだされていません。
ならば、要員を十分に確保して現場での点検に力を入れるべきです。しかし、電力など設備関係の業務は次々に外注化され、要員は徹底的に減らされてきました。
外注化とメンテナンス合理化が、「一歩間違えば大惨事」の大事故を招いたのです。
【原 因】
ニュースへのリンク
JR東日本は3月24日付『安全速報』で、3月15日に発生した籠原駅(埼玉県)の漏電・炎上事故について次のように説明しています。
これまで会社は碍子(絶縁体)について「寿命は20~25年」と説明していました。ところが当該がいしは68年製(48年前)で、実際の設置日については「調査中」だというのです。
台帳上にある「91年設置」としてもすでに25年がたっています。周辺のがいしをすべて交換しなければならなかったことからも、いかに危険な状態だったのかは明白です。
「高抵抗地短絡」で被害拡大
今回の漏電は、電気抵抗の高いコンクリート電柱を伝ったものでした。そのため変電所ではモーターに電気が流れたときと区別がつきません。
「高抵抗地短絡」と呼ばれる現象で、現場では激しいショートが起きているのに、電気を遮断できない状態が続くのです。
これが大事故につながることは知られていました。対策は研究されていましたが、実用化はまだされていません。
ならば、要員を十分に確保して現場での点検に力を入れるべきです。しかし、電力など設備関係の業務は次々に外注化され、要員は徹底的に減らされてきました。
外注化とメンテナンス合理化が、「一歩間違えば大惨事」の大事故を招いたのです。
『安全速報』による説明(動労連帯高崎NEWSより)
【原 因】
・き電線のがいしが何らかの原因で損傷し、き電線を流れる電流が漏電して、各種設備を損傷したと思われる【詳細調査中】。【列車影響】
・運休996本 遅延451本 総遅延時分37141分。【付 記】
1) 直近目視検査は2015年5月19日に実施し異常なし。当該がいしは1968年製。台帳上は1991年設置となっていたが、実際に現場にいつ取り付けられたかは調査中
2) 復旧作業
・至近点検及びがいし20箇所点検(全20箇所取替)、また124箇所点検を行い19箇所取替
・籠原駅電源切替機4台取替
3) 上記以外の損傷個所
・列車の進路を制御する「連動装置」ほか「信号機器」が損傷(3箇所)、「踏切保安装置」損傷(3箇所)、信号機器室・信通機器室・踏切器具箱(3箇所)、その他多数
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