2017年4月21日金曜日

外注化阻止ニュース 第315号

http://www.doro-chiba.org/ga/gaityuuka315.pdf


不採算路線の切り捨てに走るJR
民営化の破綻と公共鉄道の崩壊

 JR北海道の経営危機について麻生副総理は2月8日の予算委員会で「当時から鉄道関係者は(こうなると)例外なく思っていましたよ。僕は当時力がなかった。今だったら止められたかもしれないとつくづく思う。JR北海道をどうするという話は、根本的なところを触らずしてやるのは無理だろう」と述べました。
 怒りなしには聞くことができませんが、政権中枢の人物が国鉄分割・民営化の失敗を自認せざるを得なくなっている。

国鉄分割・民営化の破産

 JR北海道は、石勝線炎上事故など重大事故の続発、検査データ改ざん、2人の元社長の自殺など異常事態を繰り返し、昨年11月に「路線の半分1237㌔が維持困難」と発表しました。鉄路と駅を失う自治体は44市町村。もはや明治30年代の水準に逆戻りすることになります。
 JR四国も深刻です。「四国はもう鉄道を維持する必要はない」「全面廃線・バス転換」という議論も浮上しています。
 JR貨物は高卒新採給が東京都の最低賃金に抵触するレベルで今年は4次募集でようやく新採を確保。JR九州も「民営化の成功」を演出しているが鉄道部門の黒字化の展望はない。「民営化の破産」「公共鉄道の崩壊」と言わざるを得ない現実です。

北海道をモデルに切り捨て

 しかも、史上空前の利益を出しているJR東日本やJR東海が「戦略的ダウンサイジング」「地方からの撤退」と称して地方ローカル線を切り捨てています。
 JR北海道の廃線計画もJR東日本から送り込まれた経営陣がつくったものです。JRは北海道をモデルに不採算線区の全面的な切り捨てに踏み出したのです。

安全を破壊した分割・民営化

 05年4月25日に起きた福知山線脱線事故(尼崎事故)は、JR西日本が「稼げ」という標語のもとに運転士を駆り立て、1分の遅れも懲罰の対象にして精神的に追い詰めた結果、乗客・乗員107人の生命が奪われたのです。
 ここ2~3年でも電化柱倒壊、篭原駅炎上、川崎駅脱線・転覆事故など事故が後を立ちません。国鉄分割・民営化とその後の外注化の施策は鉄道の安全を破壊しているのです。

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