2018年8月30日木曜日

外注化阻止ニュース 第385号

http://www.doro-chiba.org/ga/gaityuuka385.pdf


支社課員・指導員の乗務は
再びの東中野事故の危険

 乗務員勤務制度の改悪提案は、指導員や支社課員、当務主務(当直)に対して定期列車への乗務を指定するとしています。乗務員の労働条件や権利の解体であると同時に、鉄道の安全を破壊するものです。

過密ダイヤと広域配転・業務移管が原因

 国鉄分割・民営化直後の1988年に起きた東中野事故は運転士を含む2人の死亡、116人の負傷者を出す深刻な事故でした。
 会社は責任逃れで「運転士が停止信号を冒進(安全の確保されていない状態のまま次の区間に進む)したミスが原因」と主張しました。しかし実際には責任は完全に会社にありました。
 過密ダイヤで慢性的に遅れが出る中で、会社は文書まで出して「輸送混乱時には停止信号を超えて進め」と指導していたのです(↙は当時の読売新聞の記事)。
 当時、労働組合つぶしのために広域配転や業務移管がさかんに行われていました。それ以前 までは、津田沼運転区(当時)が千葉~三鷹間を担当し、列車がどう詰まっていくか、運転士同士でどう動くかが共通認識になっている中で運行されていました。
 ところが広域配転や業務移管でそれが解体され、北海道等から来た運転士や他区の運転士が入り混じる中で東中野事故が発生したのです。

「片手間乗務」は安全を破壊する

 支社課員が定期行路に乗務すれば、早朝に片手間で乗務した後に支社での業務に戻ることになります。様々な業務が立て込む状況で、早朝出勤をしたから自分は午後3時に帰ることができるでしょうか? 結局、早朝から夜まで働かざるを得なません。
 指導員もダイ改時などは多忙を極めながら自ら乗務もすることになります。「これまでは乗務の必要はなかったのに、なぜ?」という思いを抱えて乗務することになります。
 ラッシュ時の最も遅れが出やすく混乱する時間帯にそういう乗務員が運転する列車が加わるのです。小さなズレが大事故につながるのが東中野事故の教訓です。二度と東中野事 故を起こすわけにはいきません。

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