2021年7月27日火曜日

日刊動労千葉 第8985号

7/16JR東日本本社
高年齢者求人求職情報提供サービス
団体交渉(総連合申第8号、第13号)


4~7月で登録1社のみ!
これで「雇用確保の努力」といえるか!
JRは希望者全員の雇用継続を行え!


動労総連合は7月16日、高年齢者求人求職情報提供サービスについてJR本社との団交を行った。

組合 高年齢者求人求職情報提供サービスの運用等について具体的に明らかにしてもらいたい。まず今後65歳に達する社員の人数はどうなるのか。

会社 今年度は1200~1300人くらい。今後2千人くらいの年もある。

組合 22~25年度で2千人くらい、5年をすぎると減るということか。

会社 そうだ。

組合 サービスを開始した理由は何か。

会社 4月に改正高年齢者雇用安定法が施行され、70歳までの就労確保措置が必要になる。改正の趣旨を踏まえ、義務化までの当面の対応として始めた。

組合 登録期間はあるのか。

会社 今年度末で65歳の方はエルダー契約が満了するまでだ。来年度以降の方は前年10月からエルダー契約満了の3ヶ月前までとしている。継続して働くことを前提にしているので、エルダー契約満了後は対象にしていない。

組合 来年度の人には説明があるのか。

会社 時期になれば所属している機関の人事課を通じて案内を配布する。

「直接雇用を縛るものではない」

組合 3月の本社交渉では、「働きたい会社と直接交渉してくれ」という話だった。

会社 求人情報の提供は行うが、各人が応募するかどうか、グループ会社が採用するかどうかは、それぞれの判断になる。雇用を保証するものではない。

組合 このサービスを必ず通さなければならないのか。働きたいグループ会社で直接採用ということもあるのか。

会社 それはグループ会社の判断だ。サービスを通して別の会社で働いているエルダーの雇用も期待できる。

組合 3月に雇用延長を申し込んだ組合員に対して、CTSは「サービスができたから直接は雇わない」と言った。本社としては、必ずしもエントリーしなくても雇っていいということか。

会社 縛るようなものではない。直接採用される場合もあるし、エントリーして求人とマッチする場合もある。

組合 CTSは「エルダーはJRの職員だから、継続雇用はJRでやってくれ」という。本社はグループ会社で雇用の場を提供すると言っている。それでは堂々巡りになる。本社としてグループ会社に話してほしい。

会社 引き続き趣旨が伝わるように説明し、求人情報の提供を依頼していく。

4~7月で登録1社のみ?!

組合 現在まで登録した人に送られた採用情報は1社だけだ。登録した会社の情報は全て来るのか。

会社 そうだ。職種やエリアごとに情報を割り振っているわけではない。

組合 4~7月で登録したのは1社ということだ。直接継続して採用しているところが多いのか。

会社 グループ会社の経営状況が厳しいということがある。65歳までの雇用は義務だ。それに加えてグループ会社にどこまでお願いできるかだ。

組合 努力義務とは言え法律で70歳まで雇えと言っている。登録が1社しかないのでは制度にもなっていない。赤字やコロナを口実に、法に逆らっているようにしか見えない。

会社 法改正の当面の対応という趣旨もある。登録してもらっても、求人情報がなければ選択の余地もない。登録した人に情報がいかないといけないと考えている。グループ会社に対して求人情報を寄せてほしいという依頼は繰り返し、継続して行っている。

組合 「経営が厳しい」というが要員に穴が空いている。これまでその職場で働いていた人が継続するのだから要員確保のためにも効率がいいはずだ。

会社 協力の依頼はしていくが、あくまでグループ会社の判断だ。

努力義務も果たしていない!

組合 本社はエルダーを採用しないために、意図的にサービスにも登録しないということを考えているのか。

会社 そうではない。求人があれば是非登録に協力してくれと要請している。

組合 グループ会社が登録しないというのは本社の趣旨と違うはずだ。

会社 あくまでお願いベースだ。法改正の趣旨を踏まえた対応という趣旨が伝わっていないなら、伝えていく。

組合 サービスとして始めた以上、適当でいいわけではない。申し込む先もないのは努力義務としてもひどい。

会社 それは分かる。法令が義務化されれば会社として対応していく。今は努力義務なので、登録会社を増やしていく努力はしていく。

組合 会社は「リーディングカンパニーだ」という。「義務化されればやります」は言いすぎだ。前倒ししていくことに問題はないはずだ。

会社 そこは経営判断だ。タイミングも含めて慎重に対応を検討している。

JRは雇用継続に責任をもて

組合 65歳以降、JR本体で就労させる考えはあるのか。

会社 法改正では就業機会確保の選択肢がいくつかある。その中で何を選択するかは検討している。義務化時には制度として整えるように検討している。

組合 当面はエルダーの本体雇用の人も、65歳を迎えた段階ではこのサービスか、グループ会社での個別の採用で行うということか。

会社 当面の間はそうだ。

組合 サービスの担当部署はどうなっているのか。

会社 JR側の管轄は人材戦略部だ。運営はJEPSに業務委託している。

組合 一人ひとりの生活がかかっている。責任を持ってもらいたい。登録するグループ会社の数を揃えるなどの努力は必要だ。数がなければ努力しているとは言えない。

会社 サービスという以上、有益なものになるように努力していく。法の趣旨をグループ会社に伝えていく。

以上