除雪が追い付かず JR北海道3500本運休
専門家〝合理化で災害に対する体力が低下〟
JR北海道で、記録的な大雪のため2月6~12日に約3500本の列車が運休する事態が発生しました。全面復旧したのは8日後の14日でした。
暴風雪が原因の運休としては、1996年1月の2日間・計約800本を大きく上回る最悪規模となりました。
〝道路は改善、JRは大きく後退〟
JR北海道の島田社長は「降雪量が想定以上だった」「その後の対応がこれだけ長期化したことは、われわれとしても反省すべきことがあった」と語りました。
一方で、JR北海道の「安全アドバイザー会議」メンバーの北海道大工学研究院の高野伸栄教授(交通計画学)は「合理化で余裕がなくなり、災害に対する体力が落ちている」と指摘しています。
96年の大雪時は札幌―小樽間の高速道路などが通行止めになる一方、鉄道は間引き運転で済んでいました。今回、道路については除雪が進み対応が改善されたのに、鉄道は〝かなり後退してしまった〟と語っています。
踏切や高架、途中で運行不能となった列車付近などの除雪は手作業でやる以外にありません。業務を外注化し、効率化・コスト削減を優先した結果、被害を拡大することになりました。
職名廃止・業務融合に反対の声を
JR東日本は、3月のダイ改で全職名廃止、業務融合を行うとしています。統括センターを設置し、「乗務、駅、企画、草刈り、コンビニ品出し等を通常の勤務指定で行わせる」という提案です。鉄道の安全を守ってきた専門的な技術・経験を「必要ない」かのように語られています。
深澤社長は「仕事、系統の壁だけでなく企業の壁も越えていく」と語っています。鉄道業務の全面的な外注化、分社化・転籍を進めようという狙いです。
しかし、どんな技術を使おうと、日々列車を運行し、安全を守っているのは現場労働者です。その現場労働者をないがしろにして鉄道の安全はありません。それはJR北海道の現実が示しています。
会社の攻撃を止める力は現場からの声と行動です。3月ダイ改に反対の声をあげよう。
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