2022年7月24日日曜日

日刊動労千葉 第9149号

国鉄闘争全国運動7・17集会報告2

JR在来線4割廃止を掲げた
国家改造攻撃との闘い

◇動労千葉から    関 道利 委員長

新自由主義は社会を破壊し崩壊させてきた。その中で、国鉄分割・民営化に匹敵する「国家改造」攻撃が始まっている。
国交省は、2月から地方の鉄道の全面的な廃線化に向けた検討会を開催し、雑誌では「ローカル線の大虐殺」が始まったと書かれている。その本質は、「赤字鉄道」の問題ではない。国家のスクラップ・アンド・ビルド、極端化された「選択と集中」で、労働者の生活や権利を破壊し、すべてを資本の利益と「国防」に集中しようとするものだ。
地方鉄道の廃線が進めば、学校や病院に「通えない」現実がつくられる。それが既成事実になれば、「学校も病院もなくすしかない」という方向が加速する。
今月中にも結論を出すと言われている。国家改造型の大攻撃が影に隠れて進められている――このことへの社会的な反撃が必要だ。
鉄道の歴史始まって以来の大転換攻撃に、職場から全力の反撃に立ち上がる。今こそ分割・民営化35年の闘いに決着をつけるときだ。11月労働者集会に1万人の結集を!

◇動労西日本から 大江照己 委員長

JR西日本は4月11日、不採算の赤字路線の収支を初めて公表し、廃線化・地方切り捨てを宣言した。輸送密度2千人以下の30線区をすべて廃止するならば、西日本の4分の1の路線がなくなってしまう。4月15日の記者会見で、JRの経営形態を上下分離方式にする方向性も出した。列車を動かすのはJR、線路や基地は自治体に。鉄道を維持したいのであれば地元自治体が負担する。それがだめならバス転換か廃線にする。こんな方式では地方自治体の財政は破綻し鉄道はなくなり、バスも採算が取れず撤退する。全廃された三江線の経過からも明らかだ。地方では人が暮らせなくなる。3月ダイ改の前日には、800人削減計画が報道された。無力な御用組合を見限って脱退したり、年間450名を超える労働者が退職している。
動労西日本は、廃線の対象の芸備線の切り捨てに対して、三次現地で10月10日にローカル線切り捨て反対の現地集会とデモを計画している。

▽北海道から

浅川雅己さん (札幌学院大学教授 JR北海道研究会)
 JR北海道研究会は、地域の住民の廃線反対運動と連携し、研究活動にとどまることなく実践的に役割を果たしていこうと発足した。維持困難線区の発表に対して、JRに再考を求める全道署名を組織した。
北海道における分割・民営化の帰結が、単に交通問題にとどまるものではなく、資本の利益のために地域の生活、労働現場を解体して、彼らの都合のいいように再構築していく階級的な攻撃だということ、この点について研究会全メンバーの考えが一致している。
私は、関西生コン労組を支援する北海道の会の副代表をしている。労働戦線の闘いが地域破壊・労働現場破壊との闘いの主軸になることを、今日の集会でもあらためて感じた。

自交総連SKさくら交通労組 河野晃興委員長
資本と非妥協で闘いぬく労働組合を、小なりといえどもタクシー産別でつくっていきたい。11・6集会に執行部総決起で参加したい。

▽内房線・外房線を守る運動から

館山市議・石井敏宏さん
自分が現場で実感するのは鉄道は間違いなく必要だ。地方自治体にやれと言っても無理、そう言った瞬間にもう廃止されバスだけになり、街づくりの核がなくなる。もしJRでは鉄道を維持できないなら、国有でやるべきだ。これからも活動していきたい。

いすみ市議・元吉栄一さん
JRは株主に配当を出す余裕があるのに、国交省と一緒になって赤字路線対策を地方自治体に押し付け、儲かるところだけで商売しようとしている。JR東日本には莫大な内部留保があるのに、弱者切り捨て、地方切り捨てをさらに進めようとしている。これと対抗するために、沿線の市・町、利用者、動労千葉や国労と共に活動を行っている。
JR東日本の幹部の不祥事が新聞等で報じられた。副社長の処分は月額1割を1カ月返上だ。第一線で働く社員には厳しく幹部には大甘だ。地方自治体や弱者の方向には向かず、株主の方ばかり向いていて、それに国交省が手を貸すように見える。これでよいのか。よいわけがない。これからも外房線と地域を守るために、みなさんとともに闘っていきたい。