「遅刻未遂」責められ青年が自殺
外注化が労働者の命を奪う
4月5日の東京新聞夕刊に「『出勤遅延未遂』責められた駅員が自殺」という衝撃的な記事が掲載されました。
自殺したのはJR東海に入社2年目の21歳の男性。男性は上司から始業時間の1時間前に出勤せよと言われていたといいます。
ある日、男性は定時の20分前に出勤したにもかかわらず、1時間前に出勤しなかったことを上司から「遅刻未遂」だと責められ、前日のプライベートまで含めて明らかにする「行動記録」の提出を求められたのです。その数日後、男性は山林で自ら命を絶った姿で見つかりました。
男性を追い詰めたのは会社です。この10年あまり、JRでの度重なる業務外注化により、人員削減が横行し、あらゆる職場で「サービス残業」は常態化しています。
しかし会社は、仕事の遅れやミスをすべて個人の責任にし、「処分」をちらつかせて時間外労働を強制してきました。責められるべきは極限的な外注化を進めてきた会社です。
時間外労働の規制撤廃が全社会に広がろうとしています。安倍政権は解雇の自由化とともに「残業代ゼロ法(ホワイトカラーエグゼンプション)」の法制化を狙っています。
何時間働いても残業代はつかない――こんなことが法制化されれば「待っているのは無限サービス残業地獄」だと言われています。
命を絶った男性は「明日の私」かもしれないと思うと胸が締め付けられます。「仕事に遅れを出したくない」「仲間に迷惑をかけたくない」という労働者の気持ちを利用し、さらなる労働強化を強いる会社は絶対に許せません。