第7回MTS団交
ダイ改提案拒否と職場代表選への管理者介入を追及
「請負業務」にしがみつき労働条件改悪開き直るMTS
「狭い裁量権」を口実に安全破壊開き直るMTS
動労水戸は3月28日、水戸鉄道サービス(MTS)と7回目の団交を行った。
3月ダイ改に伴う労働条件変更の提案を求める組合の要求を、MTSはかたくなに拒否し続けている。団交では、MTSは「当社はJRから仕事をもらって成り立つ会社なので、仕事内容に関しての裁量権は狭い。今回のようなダイ改に伴う業務内容の変更であっても事前に組合との協議は難しい」と発言した。そもそも業務委託とは請負会社が100%自分の責任で請け負った業務を独立して行う義務がある。しかも鉄道業務は仕事の精度が安全に直結する妥協が許されない仕事だ。「裁量権が狭いので組合・現場の要求を汲み上げられない。問題があっても改善できない」という言い逃れは通用しない。
今回の団交で、MTSの「JRから仕事をもらわなければ会社が成り立たない。仕事をもらうためなら労働者の要求も安全も無視する」という本末転倒な経営が明らかとなった。業務受託で生まれる「企業の利益」のために鉄道業務を請け負ったが、いざ仕事が始まれば無準備・無計画で問題が噴出し、労働者の怒りは爆発している。それでも「オイシイ仕事」を手放そうとはしないMTSという会社は、まさに労働者を地獄に引きずり込む「ブラック企業」だ。同時に、このような会社を「グループ企業」として抱き込み、鉄道と労働者の雇用に対する責任を丸投げにしてきたJR本体も同罪だ。会社は口先では「安全は輸送業務の最大の使命」「コンプライアンス」と言うが、労働者の仕事への誇りを奪い、安全破壊を推し進めているのは会社の方なのだ。
36協定軽視し企業犯罪に無自覚なMTS
団交ではさらに、36協定(時間外及び休日の労働に関する協定)の職場代表選の際に管理者が介入した問題を追及した。
36協定の代表選出をめぐっては、勝田では、管理者が「代表選出は会社が関与することではない」と言って告示すら行わずにいたが、いざ動労水戸組合員が代表に立候補し3月21日から職場で立候補ビラを配り始めると、その翌日の22日には選挙活動を行っていたかすら不明の別の代表が選出されていた。水戸では、清掃労働者が「このような代表選は今回が初めてだったが、何のための署名か説明もなかった」と述べている。土浦では、選出方法も何の代表かも書いていない「立候補受付」の掲示がわずか2日間の期限で張り出され、その後動労水戸組合員のところに署名を持って回ってきたのは立候補者本人ではなく所長だった(署名は既に7~8割集められていた)。動労水戸がMTS本社に抗議すると代表選出の話はうやむやとなり、再選挙が行われたか不明のまま、3月21日に「代表決定」の掲示が張り出された。
その後、3月22日には各事業所の「代表」がMTS本社に集められ、会社は36協定と就業規則の改訂案を見せて「明日23日以降に締結して欲しい」と言い渡したという。36協定は「既に労基署に提出した」とMTSは回答した。36協定の中身も就業規則の変更も現場に知らされることなく「密約」とも言える形で結ばれたのだ。
日本をはじめほとんどの国では「8時間労働制」が法律で厳格に決められている。厚労省が「過労死ライン(月80時間=一日あたり4時間)」を定めているように、人間も生物である以上、休息を取らなければ健康を害したり死んでしまうのは当然のことだ。さらに、安全を守るための体力・集中力を維持するために、会社は余裕を持った労働を保障する義務がある。「超勤・休日勤務をさせる場合、会社が一方的に決めるのではなく必ず労働者の許可を得なさい」というのが36協定の趣旨であり、会社から労働者に対して「大変申し訳ないが超勤・休日労働を認めてください」という姿勢で結ばなければならないのだ。この大原則をあいまいにして形式的に協定を結ぶことは断じて認められない。
MTSの場合、職場で過半数を組織する労働組合がないため、協定締結のたびに職場代表を選ぶ必要がある。労働者全体に関わるこれらの問題をしっかりと協議し労働者の同意を得るという過程を、今回の協約締結は完全に無視している。この行為がどれだけ労働者の権利を踏みにじるものであるか、MTSは思い知るべきだ!
強制出向に出された仲間を取り戻すために、団結し徹底的に闘い抜こう!