外注化が生み出す「名ばかり正社員」
定期昇給は生涯で3回だけ
定期昇給は生涯で3回だけ
発足2年で定昇廃止へ
駅業務を丸ごと外注化するために昨年4月1日に発足した株式会社JR東日本ステーションサービス(JESS)はJR東日本の100%子会社です。
最長5年で終わりとなったグリーンスタッフの多数を中途採用で受け入れて、東京・横浜・八王子・大宮支社管内の駅業務を受託し、東京 駅や新宿駅などの大規模駅の一部業務も受託しています。
JESSは、社員を駅の業務に従事する「エキスパート社員」として採用しており、当初は年度ごとの定期昇給・昇格昇級制度が設けられていました。ところが本年1月に「昇進や給与などのルール見直し」として新人事賃金制度が提案され、定期昇給制度をなくそうとしているのです。
新人事賃金制度では、エキスパート社員から出発して採用から5年の段階で昇進試験による「キャリア社員」に登用されないかぎり、賃金
は5年ごとの昇職のときに5~8000円程度しか上がりません。
しかも在籍15年で「シニア職試験」に合格しなければ、生涯で定期昇給があるのは勤続5年/10年/15年のわずか3回だけ
となります。シニア職は助役以上で本当にごく一部です。
定昇はわずかな幹部のみ
実質的に定期昇給制度が適用されるのは、ごく少数のキャリア社員という幹部と幹部候補だけで、大多数のエキスパート社員は、定期昇給が生涯3回だけという低賃金のままで定年退職まで働けということなのです。
これこそが外注化がもたらす雇用・賃金破壊の典型です。エキスパート社員と称し、社員の権利や待遇を徹底的に破壊し、定期昇給のない
「名ばかり社員」制度の導入なのです。これがJR東日本の外注化の正体なのです。
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