2014年4月25日金曜日

セウォル号惨事に関する民主労総の声明

【論評】
責任を知らない人たちに根本的診断をまかせることができるか


生還に対する切なる願いのために言葉さえ慎重になる。しかし政府の無能で無責任な対処と不道徳な船会社の行動、さらに惨憺さを共感することを知らない警察、行政高位官たちと与党議員たちの物差し、責任者厳罰を指示しながらもいざ本人は道義的責任に伴う一言の謝罪さえも無い大統領。彼らの無責任な姿を見ていると惨憺たる感じと怒りを抑えることができない。

それでも我々は怒りに先立ち、なによりも失踪者救助と被害当事者たちの傷を治癒する社会的力量が集中することを望む。また、同時に惨事の背景には構造的な原因があるという点を必ずや見抜かなければならない。これを強調して正さなかったらまた再び悲劇は繰り返すからだ。この点で民主労総は社会的役割を考え抜かざると得ない。しかし実際最も大きな責任を担当しなければならない政府与党は自分たちに対する非難世論を一層大きく心配する姿を見せている。そうであるから不純勢力の扇動だという唐突な話も出て、流言飛語を口実にした情報統制指示も出ている。このような政府与党が果たしてまともな安全対策を整えることができるか心配が先に立つ。

人間や生命に対する責任より利潤を先に掲げる企業たちは貪欲を効率性で包装してより大きな貪欲の自由を要求してきた。そのような企業活動にもたれかかった政府与党は各種特恵と規制緩和政策で気脈を通じることを躊躇しなかった。であるから先進国では廃船直前の船舶を持ってきて商売をしたのであり、より多くの客室を確保するために無理な船舶改造をして、特段の規制も無く積みすぎを事として惨事を自ら招いたのである。また、高い職員倫理で乗客の安全に責任を持たなければならない乗務員はもちろん、船長まで臨時職(非正規職)として採用したというのであるから費用さえ減らせばいいという雇用システムがこの程度だったのかと言いたいほどだ。しかし我々の社会はいつも大型惨事の原因を「安全不感症」と診断する。現員が模糊とした社会風潮のせいだとして実際、問題の本質、構造的原因は曖昧に過ぎて行く。

多数のマスコミでは船会社らが零細で安全管理に粗忽だったという分析も出している。そのような船会社が接待費と広告費にどれほど使ったか。零細である以前に安全は営業に助けにならないという企業認識が問題だ。その結果、韓国はOECD国家中産業災害死亡1位国家になった。なによりも大型惨事があってはならないが、3時間毎に1名が死に、毎年2千4百余名の労働者が死亡する残酷な産業災害の現実もこれ以上続いてはならない。政府と企業、マスコミなど社会運営を手に掴んでいる人たちは反省的省察をとおして根本的な安全対策を求めなければならない。一旦責任だけを逃れようとするような政治的対応は国民の不信と怒りをより大きくするだけだということを大統領から銘記することを望む。

2014.4.23
全国民主労働組合総連盟

動労千葉を支援する会 房州鉄道研究会サイトから転載