法務大臣 山下貴司 殿
東日本成人矯正医療センター長 奥村雄介 殿
関東地方更生保護委員会 御中
要 望 書
星野文昭さんは1971年沖縄闘争を闘い、44年の長きにわたって投獄されています。73歳です。本年3月25日に四国地方更生保護委員会(井坂巧委員長・当時)は仮釈放を不許可としました。その直後の4月18日に徳島刑務所から東日本成人矯正医療センターに移監されました。ステージⅡ~Ⅲの重い「肝細胞がん」でした。
星野さんは、米軍基地の固定化・強化を狙った沖縄返還協定に反対し、沖縄の民衆と連帯した東京・渋谷のデモに、多くの青年労働者・学生と共に立ち上がりました。デモで機動隊員1人が死亡したことで、リーダーだった星野さんは「実行犯」にでっち上げられ、無期懲役の判決を受け、今もなお投獄されています。一貫して無実を訴え、再審を求めて闘い続けています。
昨年8月の猛暑の中、星野さんは経験したことのない腹部の激痛と、血流が逆流するような感覚に襲われ倒れました。徳島刑務所の医師は胃ケイレンと診断しただけで、家族・弁護団が医療検査を強く求めても実施しませんでした。それ以降、体重が減少し、疲れやすくなり体調を崩していきました。本年3月4日にやっと腹部エコー検査が行われました。ところが徳島刑務所はその結果を告げずに隠し放置したのです。
東日本成人矯正医療センターの検査で、「肝細胞がん」を患っていたことがわかりました。法務省・徳島刑務所・四国地方更生保護委員会の命を軽んじる非人間的な対応に強い怒りを禁じえません。
憲法第13条(幸福追求権)、第25条(生存権)は医療を受ける権利を規定しています。刑事被収容者処遇法第56条は、刑務所医療も社会一般の医療水準が保障されることを明記しています。
東日本成人矯正医療センターは星野さんの命を絶対に守るため、十分な医療を実施されるように要望します。さらに、家族と共に生き、獄外の医療が受けられるように1日も早く星野さんが解放されることを要望します。
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