2020年6月9日火曜日

闘いなくして安全なし No.263





車内消毒 こんなやり方は絶対反対!
労働者を軽んじるな!


 千葉運輸区で「コロナ感染防止」をうたった区長名の掲示が張り出されました(左記参照)。予備の乗務員から希望者を募って、走行中の列車内で消毒するという内容です。しかし、それで消毒できる車両はごく一部です。世間体を取り繕うためだけに「希望者」を動員しようというものです。

会社の姿勢はあまりに無責任


 JR千葉支社は会社の指示でなく「社員の自発的行為」と言います。あまりに無責任で卑劣です。
 JR東は鉄道連絡会の「ガイドライン」で車両や駅等の消毒が必要だと打ち出しました。それならば会社として要員を確保し、作業体制を整えるべきです。「希望者」「自発的行為」で済ませる問題ではありません。会社としての責任を一切放棄して、すべて現場労働者に転嫁しています。
 これは乗務員を「もう特別な技 術・経 験、職種は必要ない」と徹底的に軽んじるジョブ ローテーションの〝必然的〟な結果でもあります。「最大10年」を背景に「本人の希望」という形で競争を煽るものです。

現場労働者を軽んじるな!


 感染症対策をここまで軽々しく乗務員に行わせるあり方は、JRが現場労働者を徹底的に軽んじていることと一体です。
 コロナ感染症拡大で医療・介護、鉄道・運輸、清掃などで働く現場労働者が、社会にとってどれほど必要不可欠かが浮き彫りになりました。
 しかし、その必要不可欠な現場労働者をJRはどれほど軽んじてきたのか。CTS清掃労働者のほとんどは非正規職で、正社員も非正規並の低賃金です。車両検修、保線、電力、信号通信、駅業務なども全面的な外注化が進められてきました。
 他方で、JRから子会社に天下った高給取りの幹部や、JR本体でも管理部門は「通勤にリスク が有る」と半分ほどが出勤自粛を行い、現場の感染対策は後回しにしてきました。現場労働者に対するこの軽々しい扱い! 絶対に許せません!

真剣な感染症対策こそ必要


 ネット上では運行中の車内消毒が話題になり、「美談」のようにも語られています。他の職場・職種にも拡大されていくことが考えられます。
 しかし、必要なのは見せかけの美談ではありません。公共交通機関として真剣に感染症対策に取り組むことです。こんなやり方には絶対反対です。


<乗務員希望者による消毒作業>概要

○車内に乗車または、千葉駅折返し列車で消毒作業を実施。
(臨時行路を2つ作成。希望者多数の場合は千葉駅折返し列車を担当)
○予備改札、予備者の希望者で実施。4人(以上)1組で1列車を担当。
○手袋、マスクを着用。アルコール消毒液と布巾で消毒作業を行う。
○期間は、6月10日から当分の間。

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