2020年12月31日木曜日

日刊動労千葉 第8885号

 つり革消毒でCTSを徹底的に追及
津田沼ー簡易の消毒、再検討を確認

動労千葉は12月16日、CTSとつり革消毒に関する団体交渉を行い、とくに津田沼事業所で行われている夜間清掃時のつり革消毒、木更津事業所での深夜のつり革消毒について徹底的に追及した。団体交渉の概要は、以下のとおり

津田沼の夜間つり革消毒作業について再検討しろ!

組合 10月1日から日勤帯で、11月9日からは夜勤帯でつり革消毒が大幅に追加された。JR千葉支社との契約の内容は。
会社 JRから「日常清掃につり革の拭き上げを入れてほしい」という話が以前からあった。コロナ禍の中で6月から3事業所(幕張、津田沼、京葉)において、現要員でできる範囲で開始した。各車両センターで各40両程度。10月以降は、新たな契約で23時以前に入区する車両のつり革消毒をやることになった。
組合 なぜ「23時以降はやらない」となったのか。
会社 23時以降はたて続けに入区があるので無理だろうと考えた。
組合 契約では、具体的に年間、何両の消毒をやることにしたのか。
会社 今、数字がないので回答できない。
組合 事前に申し入れしているのに回答できないこと自体、不誠実団交だ。後日、あらためて回答すること。
会社 了解した。
組合 新たに受注した、ということでいいのか。
会社 日常清掃の仕様書に、つり革の拭き上げを追加する形で新たに契約した。
組合 仕様書に追加したということはコロナが終息してもやれということか?
会社 JR本社から、全社的につり革の拭き上げをやってくれと言ってきているのでコロナが終息してもなくなることはないと思う。
組合 簡単に言うが、現場はどれだけ大変かわかっているのか。
会社 ・・・。

簡易は消毒しない、あるいは要員を増やすかのどちらかだ

組合 契約では、日常清掃につり革消毒を追加したとなっている。しかし津田沼では、夜間の日常清掃に加えて簡易清掃もつり革消毒が付いている。契約と違うではないか。
会社 夜間に7本、「日常」と「簡易」の車両でつり革消毒をやってもらっている。
組合 津田沼では数年前、日常清掃を簡易清掃に切り替えて夜勤が6名から4名になり2名減らされた。減らしておいて簡易清掃の車両のつり革消毒をやれというのはあまりにおかしい。
会社 津田沼は、日報の運用上は「日常清掃」になっているが、現場では簡易清掃でよいとなている。それはJR本社も確認している。
組合 簡易清掃になっているのであれば、つり革消毒はやらなくていいということではないか。
会社 運用上は「日常清掃」になっているのでやってもらう必要がある。
組合 そんなふざけた話があるか。日報上は日常清掃、実際は簡易清掃という形で人を減らし、JRをだましているということではないか。
会社 だましているわけではない・・・。
組合 津田沼では、夜勤者の人数が減らされてどれだけ大変な思いで作業やっているかわかっているのか。皆が走り回って窓を閉め、嘔吐物処理もしている。クリーン事業部の責任者として一度でもつり革消毒をやったことがあるのか。
会社 ないです。
組合 作業を増やすのであれば、人を増やすのは当たり前だ。日常清掃をやらせるなら少なくとも4人を6人に戻してくれ。窓閉め要員も含めたら7人にするのが当然。
組合 津田沼の安全衛生委員会でも「つり革消毒で負担が増加している、増員など検討できないか」という意見が出ている。本社に報告が上がっているはずだ。会社 いや来ていない。
組合 なぜ部長のところに来ないのか。
会社 設備等の改善要求はきているが、議事録は私のところには来ていない。
組合 こんな作業が続けば辞める人が出てくる。体を壊す人も出はじめている。実際に、一週間、休んだ人もいる。少なくとも4人を6人に戻すか、簡易清掃の車両はつり革消毒をやらないか、そのどちらかしかない。
会社 ここで即答はできない。検討させてもらいたい。

木更津ー「0時52分入区」車両の消毒を中止しろ!

組合 木更津では0時52分着の京葉線快速10両が日常清掃とつり革消毒の指定になっている。なぜ木更津事業所だけ23時以降もつり革消毒を行うのか。
会社 「23時以前の車両」というのは車両センターの3事業所だけになっている。駅留置の車両については、現場から、現有の社員でできるという報告に基づき行っている。
組合 木更津は、3名が泊まり勤務で朝から仕事をしている。疲れ切った中で午前1時頃か10両の日常清掃とつり革消毒ではあまりに過酷だ。運転当直からも起電停止時間が近づいてくるため「まだ終わらないのか」と催促がきているような状態だ。
会社 そういう声があがっていることは知っている。3月ダイヤ改正の中で再検討する方向で考えている。
組合 3月まで何ヵ月ある思っているのか。早急に検討し、車両センター、駅留置にかかわらず23時以降の車両はつり革消毒をやらないようにすべきだ。
会社 ここでは即答できない。
組合 現場長が「0時52分の車もできる」と回答したから本社でも決定したということでよいのか。
会社 そのとおりだ。

■窓閉め、嘔吐物処理について

組合 津田沼では、午前に入区し、機械洗浄なしで午後に出区する車もある。そういう車両は窓閉めは必要ないのではないか。どうせすぐに運転士が出区点検で開けるわけだから。深夜帯に窓を閉めて数時間後には出区する車も。そういう車両は窓を閉めなくていいと本社から指示を出してもらえないか。
会社 ここで即答はできない。
組合 窓閉めは契約にあるのか。なんで閉めなければいけないのか。
会社 契約にはないと思います。
組合 窓閉めやつり革消毒など、全て現場に丸投げしているが、管理者が先頭に立って窓閉めを行うべきだ。体を壊す人や筋肉痛で休む人が出ている。早急な対応をしてもらいたい。

■エルダーへのコロナ慰労金は?


組合 つり革消毒などの新たな契約金はどのように使われているのか。社員への還元や消毒作業の要員増に使うべきではないのか。年末手当で「コロナ慰労金」が1万円出ているがエルダーには出ていない。なぜエルダーには出ないのか。
会社 トータルで収入、支出を見ているので、つり革消毒のお金をどこに使ったのか、ということではない。エルダーはJRとの契約なのでCTSでは出せない。
組合 嘔吐物処理についてもJRから金銭が出ているのか。
会社 過去、3~4年の平均処理数の実績に基づき総価契約に反映されている。また、10月からは日々の報告書への記入はやらなくてよいとしている。
組合 その契約金はどこに行ったのか。
会社 さっきと同じでトータルで収入支出をみているので、その金を何につかったということではない
組合 実際に処理し、しかもJRから契約金が出ているなら現場に還元すべきだ。津田沼は1日に10件以上の嘔吐物を処理している日もあり非常に多い。ホロに満杯になった嘔吐物を手袋つけて手で取ることもある。コロナ禍でみんな疲弊している。嘔吐物処理も危険がともなう作業だ。個人個人に配るのが難しくても、処理数に応じて各事業所に期末毎に分配するなどやり方はいろいろあるはずだ。
会社 期末時点での対応も含めて検討する。

以上

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