2022年5月12日木曜日

闘いなくして安全なし No.350


JR西・不採算17路線の収支公表
「廃線化」に地域から怒りの声

 4月11日、JR西は輸送密度2千人未満の17路線30線区の収支を公表しました。JR東も地方路線の収支公表を検討すると発表しました。
 しかし、収支公表に対して、各地域から危機感と怒りに満ちた声が上がっています。

◇「利用者が少ないところだけを取り上げて赤字路線という発表。そういう部分を切り取って廃線にしていく意図が感じられる」(佐用町・庵逧町長)
◇「JRはもともと国鉄という歴史がある。ユニバーサルサービスということで、沿線の一体性を維持していく責務もある」「公共交通インフラの重要性をJR西日本に理解して欲しい」(兵庫県・斎藤知事)
◇「もう命を絶たれるような気持ち」(新宮市観光協会・里中会長)
◇「車を運転出来ない交通弱者にとって、鉄道は最後の足」(鳥取県・平井知事)
◇「株主に対する責任があるというが、それを追求すれば、赤字路線はすべて廃止すべきということになる」(広島県・湯崎知事)
◇「JRは儲かる所と儲からない所をまとめてつじつまを合わせるのが基本の考え方。儲かるところはそのままにして、儲からないところは切り捨てるというのは、おかしいのではないか」(和歌山県・仁坂知事)

利益を優先して鉄道切り捨てるな

 地域にとって鉄道の廃線は深刻な問題です。
 鍛冶屋線(兵庫県)は90年4月に廃線・バス転換されました。しかし、転換直後からバス路線廃止の危機が問題になりました。「利用者が少ないから」と便数を減らすと、不便になるのでさらに利用者が減る悪循環です。
 地元住民は、「鉄道を無くしてしまったらもう終わり。もう一度作りたいと言ってもできません。当時、廃線に無関心でも『やっぱり残さないといけなかった』というのが、町の多くの人の声」と語っています。
 JR東日本は「利用状況に合わせる」といって地方路線を次々に切り捨てています。
 しかし、鉄道は公共交通機関であり、社会的なインフラです。利益優先の矛盾を現場労働者や地域住民に押し付けることは絶対に許されません。

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