2022年5月19日木曜日

外注化阻止ニュース 第581号


安全軽視と廃線化にノーの声を
国鉄分割・民営化が事故と廃線化の元凶

福知山線脱線事故から17年

 JR福知山線脱線事故(尼崎事故)から今年の4月25日で17年となりました。快速電車が制限時速70㌔のカーブを116㌔で進入・脱線し、マンションに衝突しました。運転士1人と乗客106人が死亡しました。
 JR西日本の歴代社長3人が起訴されるに至りました。JR西日本は「私鉄との競争に勝つため」と称して過密ダイヤを組み、無理なスピードアップを強行しました。日勤教育で労働者をいじめ抜き、安全の責任はすべて労働者に転嫁された結果でした。民営化と規制緩和の行き着く先が尼崎事故だったのです。

信楽鉄道正面衝突事故から31年

 同じくJR西日本では、91年5月14日に滋賀県で信楽高原鉄道列車正面衝突事故が発生し42人が亡くなっています。この事故からは31年が経ちました。
 信楽高速鉄道は、国鉄分割・民営化直後に信楽線が第三セクターに転換され、1本の列車が往復するだけの小さな鉄道でした。
 沿線の信楽町で開催された世界陶芸祭に合わせて、JR西日本は、臨時快速列車の運転を強行するために、すれ違いができる施設(信号場)を途中区間に設けました。
 しかし信号設備の不備や訓練不足などにより上下列車が正面衝突する大惨事を招いたのです。乗客数が定員の2・8倍の超満員だったことから犠牲者が拡大しました。

責任を第3セクターに転嫁

 JR西日本は「赤信号のまま列車を発車した信楽高原鉄道に事故の責任がある」として損害賠償負担を信楽高原鉄道に押し付けようとしました。赤字線として切り捨てた第3セクターで、儲かるイベントの時だけ直通列車を走らせ、事故が起きるとその責任を第3セクターに転嫁したのです。


 JRは、信楽高速鉄道事故から何一つ学ぶことなく、福知山線脱線事故を引き起こしました。国鉄分割・民営化がなければ起きなかった事故と言われることもあります。
 現在、JR各社は「第二の国鉄分割・民営化」とでも言うべき大合理化や廃線化に突き進んでいます。今こそ原則的に闘う労働組合が必要です。

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