2022年8月1日月曜日

外注化阻止ニュース 第591号


地方鉄道の廃線化に向け提言
国交省検討会
輸送密度1日あたり千人未満の路線
「協議から3年で決着を」と主張

 国土交通省は2月、地方鉄道の廃線化に向けた検討会(鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会)を発足させました。
 その検討会が7月25日、1㌔あたり1日の平均利用者が千人を下回る路線について、国と自治体、鉄道事業者が協議する仕組みを設け、3年以内に方針を決めるべきとの提言を公表しました(写真)。

西日本は4分の1が廃線の対象に

 この動きにあわせてJR西日本は今春、輸送密度2千人未満の路線の収支を公表しました。すべて廃止となれば西日本の4分の1の線路がなくなります。JR東日本も7月末に公表予定です。JR東日本では、29路線と50区間が輸送密度1000人未満とされます。
 1987年の国鉄分割・民営化の時以上の廃線化の動きが始まっています。地方鉄道の廃線が進めば、学校や病院に通うことも困難となります。

 千葉市民会館で7月17日、廃線問題などをテーマに集会が開催されました。内房線・外房線の問題に取り組む地元の議員の発言を紹介します。

◉館山市議・石井敏宏さん
 自分が現場で実感するのは鉄道は間違いなく必要だ。地方自治体にやれと言っても無理、そう言った瞬間に、もう廃止されバスだけになり、街づくりの核がなくなる。もしJRでは鉄道を維持できないなら国有でやるべきだ。

◉いすみ市議・元吉栄一さん
 JRは株主に配当を出す余裕があるのに、国交省と一緒になって赤字路線対策を地方自治体に押し付け、儲かるところだけで商売しようとしている。これと対抗するために、沿線の市・町、利用者、動労千葉や国労と共に活動を行っている。
 JR東日本の幹部の不祥事が報じられたが副社長の処分は月額1割を1カ月返上だけ。第一線で働く社員には厳しく幹部には大甘だ。地方自治体や弱者には向かず株主ばかり向いていて、それに国交省が手を貸すように見える。これでよいのか。外房線と地域を守るために皆さんと共に闘う。

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