「鉄道と地域守れ」の住民の声
~JR四国の廃線化反対の地元の取り組み~
徳島で廃線問題に取り組む方からの投稿を紹介します。
JR四国各線の現地調査を開始
JR四国各線の現地調査を始めました。JR四国は全線赤字で、営業係数の徳島県内ワースト1が牟岐線(1185円)、ワースト2が鳴門線(483円)です。
現地を歩いて2つの数字のトリックに気づきました。小さいトリックは支線の営業係数(100円の営業収入を得るのに必要な費用)。そもそも始発駅は乗客が少ないので係数が悪くて当然なのです。鳴門線は鳴門―徳島駅の20㌔で運行しており、まったく実態を反映していない係数です。
大きい数字のトリックはJRグループ全体の収支です。
JR四国の赤字は毎年100億円。30年で3千億円の累積赤字。
しかし、JR東海は1年で3千億円を純利益で上げています。JR四国や北海道の赤字は十分補填できます。儲かるエリアと儲からないエリアを別会社にすれば当然の結果で、作為的赤字なのです。
牟岐線沿線の現地調査では、2つの高校が同時に統廃合で消滅し、若者の姿がすっかり消えていました。他方で2千億円の純利益を上げる国交省系の独立行政法人・都市再生機構(UR)が、津波対策で40億円の防災公園事業を町に提案し、住民の反対運動が起きています。「ローカル線切り捨てなんて上品なものじゃない。初めからツブしにかかってきている」という意見も聞きました。
「公共交通の駅を中心に街が成立」
7月に開催された住民の意見交換会では、前半は「どう黒字にするか」という議論になり、「運賃値上げやむなし」「古い木造駅舎を歴史遺産に」「無人駅で産直市を」などの意見が出されました。
流れを変えたのは1人の住民の発言です。
「田舎の無人駅でも朝晩は通勤通学の自転車ラッシュ。やはり駅は街の中心。公共交通の駅を軸に街は成り立っている」「駅のトイレ閉鎖は高齢者にはつらい。トイレ付列車を導入するというJRの発想ではなくて、まず駅にきれいなトイレを作る。そこに自然と人は集まる」
――など公共交通としての「鉄道と地域を守る」真剣な意見が出されました。
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