2022年8月31日水曜日

日刊動労千葉 第9164号

鉄道の軍事利用を許さない!
俺たちの誇りと怒り
2022  定期大会・貨物の課題 


「高まる期待」
深刻な要員不足!

「SDGsやESG、さらにはカーボンニュートラル実現に向けた取り組みが求められる中、環境効率の高い輸送機関である貨物鉄道およびJR貨物への期待はますます高まっている。しかし、JR貨物の経営基盤強化の道はまだまだ途上であり、線路使用料や整備新幹線の建設に伴う並行在来線の問題など多くの構造的課題が残されている」(物流情報の専門紙・カーゴニュースから)。
国交省のローカル線廃線提言に象徴される国鉄分割・民営化の大破綻が明らかになる中、貨物職場では要員問題をはじめ現場に矛盾が集中している。

65歳以降も雇用すること!

「あきらめているから年休の申し込みをしない」、これは深刻な問題だ。保存休暇もいっぱいで年休を流す人もいる。当然の権利である年休が取得できない。
異常時の救援手配で特休の消化ができずに休日が買い上げになる。コロナワクチン接種に関わる要員手配がある。現場はギリギリだ。
千葉機関区は30年以上も新規採用の運転士を配置しなかった為、この3年ほどの間にほとんどの運転士が65歳を迎える深刻な事態に直面している。
いつ思わぬ病気やケガをするかわからない、欠員状況に関わらず余裕をもった予備要員が必要だ。「希望者の雇用延長を行え」が現場の圧倒的な声だ。

シニアで安心して働けること!

千葉における貨物輸送はライフラインを守るという石油輸送の重要な拠点だ。会社はその将来展望を明確にするべきだ。
なにより、定年再雇用となっても降りるところがなく、本線運転士を続けなければならない現実がある。仕業の緩和。年休、特休が消化できる要員の配置。夏の猛暑、全機関車への冷房の完備。重い乗務バックの解消。地域別基本給差別の見直し、等々。
シニア運転士の高齢者対策の抜本的確立、安心して働ける労働条件の確立はまったなしだ。

鉄道の軍事利用を許さない!

7月28日に、「今後の鉄道物流の在り方に関する検討会」の中間とりまとめが発表された(↓参照)。

中間とりまとめ
「鉄道貨物輸送は、我が国の内陸部へのエネルギーの安定供給のために果たすパイプライン的役割のほか、「災害対策基本法」や「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」に基づく「指定公共機関」として、我が国の基幹的な鉄道ネットワークを活かした災害時や有事における物資輸送の役割など、高い公的ミッションを負っていることにも留意しなければならない。」


そこでは、「武力攻撃事態や存立危機事態に対する事態対処法に基づいて、指定公共機関として、災害時や有事における物資輸送の役割など、高い公的ミッションを負っている」と、書かれている。
検討会には防衛省の人間も参加し、「ウクライナ戦争で貨物鉄道の重要性が示された」「日本でも鉄道会社と有事を想定したような連携を」と強調した。
太平洋戦争当時、「鉄道は兵器として重大な使命をもつ」、「戦力増強のための資材輸送に、国民生活の必需品の確保に、輸送力のすべてをあげて戦い続けている」と、運輸通信省鉄道総局が発行した冊子「決戦輸送図絵」に書かれている。
戦争こそが労働者にとって最大の権利破壊だ。職場における権利を守る闘いと、戦争を止める闘いは一つの課題だ。貨物鉄道に働く労働者の職場からの反戦決起をつくりだそう!
定期大会に向かう過程で、安心・安全に働ける労働条件をどうやって確立していくのか、真剣に議論し、闘う方針を確立しよう! 大会の成功をかちとろう!

 

決戦輸送図絵

運輸通信省鉄道総局 1944年     








闘いなくして安全なし No.364


運転士・車掌「相互運用」中止を
動労千葉8/18 JR千葉支社と団体交渉

 8月18日、動労千葉は運転士・車掌の相互運用に関する団交を行いました。会社は今後、予備時だけでなく、交番中も車掌行路を指定するとしています。

交番中にも車掌行路指定


 運転士交番の中に車掌行路を混ぜれば交番順序表は崩されます。交番順序表は、不規則な乗務労働の中でも労働者の労働条件や権利と安全を守るためのものです。「崩れて当たり前」になっていいはずがありません。
 会社は「前月に勤務指定すれば問題ない」と回答しています。なし崩しで乗務員を好き勝手に運用しようなど許せません。

現場ないがしろにするな


 会社は運転士・車掌の仕事をあまりに軽く見ています。鉄道と安全、現場労働者をないがしろにすることは絶対反対です。


8/18千葉支社団体交渉(要旨)

◆相互運用の目的は何か
→運転士が車掌の業務も行うことで柔軟な働き方の実現、幅広い仕事の知識、経験、技量を維持を行う。多様な経験を積むことで安全やサービスが向上できる。

◆要員削減につながる
→要員関係ではなく、多様な経験を積んでもらう目的だ。

◆人数規模はどのくらいか
→必ず何人ということはない。区所の特徴に合わせる。

◆車掌行路の指定の仕方は?
→・今月は勤務発表後だったので勤務変更で行う。
 ・9月以降は勤務指定の段階で車掌行路を指定する。
 ・交番の中でも車掌行路を指定する。
 ・ひと月の中で運転士の日、車掌の日がある。

◆交番順序表の変更もなしに追加するのか。運転士と車掌では業務内容も違う。
→勤務指定で入れることは可能だ。通常の勤務発表でも交番順序が変わることはある。

◆他区への拡大、対象行路の拡大は行うのか
→他区での検討は行う。行路拡大は状況を見て判断する。

◆他支社では実績があるのか
→例えば横浜支社では行っている。

◆「柔軟な運用」により「今日は運転士、明日は車掌」となれば要員削減、行路長大化につながる。安全が脅かされる
→必要な教育と不安解消は継続して行う。

ニュースへのリンク

2022年8月30日火曜日

安倍銃撃事件に際して訴える


 

2022年7月8日、元首相である安倍が銃撃され死亡した。この事件によって、半世紀に渡る自民党政治家と極右カルト団体「統一教会(現・世界平和統一家庭連合)」との醜い癒着と腐敗した姿が改めて白日の下にさらされた。当初はすべてのマスコミが事件の動機を「特定の宗教への恨み」「安倍氏が関係していると思い込んだ」などとごまかしていたが、いまや統一教会と政治家の関係が次々に暴露され、誰もがこの事実から目をそらすことができなくなっている。

安倍は祖父・岸以来、もっとも深く統一教会と一体化してきた人物であり、統一教会によって家族と生活を破壊された怒りが安倍に向かうのは必然であった。自民党とマスコミは「民主主義への挑戦」というが、冗談ではない。誰より「民主主義を破壊した」のは安倍だ。

現首相である岸田は、7月22日に閣議決定でこの安倍の国葬を9月27日に行うことを決定した。だが、安倍政権下で行われたことは、集団的自衛権の行使容認であり、安保法―戦争法制定の強行であり、教育基本法の改悪であり、労働法制の抜本的解体、労働者の権利と労働組合の破壊だった。その中で、どれほどの労働者が非正規職に突き落とされ、生活を破壊され、死に追いやられてきたのか。参院選過程では、国防費2倍化や「核共有」まで声高に主張していたのだ。

首相在任中には、森友学園問題(注1)をめぐる公文書改ざん、加計学園問題(注2)、「桜を見る会」問題(注3)など、腐敗しきった姿を晒してきた。公文書改ざんを強制された財務省近畿財務局職員の赤木氏は自殺に追い込まれた。「桜を見る会」での金銭腐敗に関しては、国会で118回にのぼる虚偽答弁を続けた。誰より民主主義を破壊してきたのが安倍晋三だ。岸田は「民主主義を守り抜くため」と言いながら、何の法的根拠もない国葬を、閣議決定のみで行うという。これこそ「民主主義の否定」でなくて何なのか。

われわれは、安倍政権による戦争・新自由主義政策を断じて認めない。岸田政権が事件に便乗し、国葬をもって安倍の「神格化」と国家による国民動員、改憲・戦争・大軍拡に利用することを断じて許さない。

労働者こそ社会の主人公だ。戦争を止め、労働者の生活と権利を守り、社会を変える本当の力は、労働者の団結した力の中にこそある。われわれは、戦争に向かう岸田政権と対決し、新自由主義攻撃を打ち破り、労働運動の再生に向けて全力で闘いにたちあがる。

2022年8月29日

国鉄千葉動力車労働組合

 

 

注1:右翼翼賛を教育方針とする私立幼稚園「森友学園」の設立に当たり、安倍の妻・昭恵が名誉校長に就き、国有地を8億円余り値引きして売却。公文書の改ざんまで強要。

注2:各地の獣医学部新設計画に介入し、安倍の友人・加計の計画を推進するため、「総理のご意向」を連発して他の候補地を排除。

注3:春の桜が咲く時期、安倍の支援陣形を国費(2019年は5,519万円)で招待、破廉恥極まる大宴会を開催。

 

2022年8月26日金曜日

日刊動労千葉 第9163号

CTS時給は2年半でわずか10円しか
上がっていない
契約社員・パート社員の時給を、
一律1500円に引き上げよ


動労千葉は8月22日、最低賃金の改定(10月1日から千葉県は31円引き上げとなり984円)にあたり、CTSに対して、全事業所一律1500円に時給を引き上げるよう求め申し入れを行った。

 

最低賃金引き上げにともなう事業所賃金引き上げ及び
労働条件改善に関する申し入れ(要旨)

(1)契約社員・パート社員の時給を、一律1500円に引き上げること。事業所間の時給格差を直ちに解消すること。
(2)希望者全員を正社員に登用すること。
(3)契約を月給制に戻し 定期昇給制度を導入。社員と同様の退職金制度を新設。
(4)住宅手当の契約・パート・嘱託を含む全社員に拡大。
(5)60歳以降(社員の嘱託移行時以降)の賃金引き下げ、
65歳以降の再雇用時の賃金引き下げのとりやめ。
(6)希望者全員を70歳まで雇用。JRからのエルダー出向者も同様の扱いに。
(7)深夜早朝手当の事業所間格差を解消し一律1500円支給。
(8)嘔吐物処理手当の支給。消毒作業に危険手当支給。
(9)新型コロナ感染症に対する危険手当として一律10万円の支払い。
(以上)

 

物価の高騰、「もう限界だ!」

原油価格の高騰、円安、ウクライナ戦争の影響もあり、生活必需品をはじめあらゆる物の値上がりが続いている。電気代、ガス代については実に1年で20%もの値上げとなっており、現場からは「もう限界だ」という声が上がっている。

日本の最低賃金は世界で最低レベル

英国では4月から1530円、フランスも5月から1460円に引き上げられた。アメリカでは主要都市で2000円を超えている。いわゆる「先進国」の中で、日本の最低賃金はダントツで低い。
CTSの千葉エリアの自給(現在1040円)でも、1か月(160時間)の賃金は16万6400円にしかならない。手取りにすれば13万円前後だ。これで自立した生活が成り立つわけがない。時給1500円でも月額24万円、手取り19万円程度だ。時給1500円は、まさに最低限度の要求だ。
CTSは物価高騰に見合った大幅賃上げを行え! 生活できる賃金を出せ!

CTSは2年半でわずか10円!

CTSはJR東日本の赤字を口実に、徹底した賃金抑制を続けてきた。社員はずっとベースアップ(ベア)ゼロ。ボーナスも、コロナ禍になってから減額されたままだ。
別表のとおり契約社員・パート社員の時給は、この2年半でわずか10円しか上がっていない。最賃は10月で59円上がることになる。県内最低賃金との差は縮まるばかりだ。
10月1日の引き上げが実施されれば、最低賃金を下回る事業所も出てくる。また、千葉エリアの事業所賃金(1040円)ですら、東京の最低賃金(10月から1071円)を下回る。今は新規採用を止めているが、募集を再開したところで、これではまともに人が集まるわけがない。CTS経営陣は、こんな現状でいいと思っているのか!
黙っていても賃金は上がらない。現場からの怒りの声、会社との力関係で賃金は決まる。現場から声を上げ、団交に結集し、今こそ大幅賃上げをかちとろう。

別表


 

 

2022年8月25日木曜日

外注化阻止ニュース 第595号


「鉄道と地域守れ」の住民の声
~JR四国の廃線化反対の地元の取り組み~

徳島で廃線問題に取り組む方からの投稿を紹介します。

JR四国各線の現地調査を開始

 JR四国各線の現地調査を始めました。JR四国は全線赤字で、営業係数の徳島県内ワースト1が牟岐線(1185円)、ワースト2が鳴門線(483円)です。
 現地を歩いて2つの数字のトリックに気づきました。小さいトリックは支線の営業係数(100円の営業収入を得るのに必要な費用)。そもそも始発駅は乗客が少ないので係数が悪くて当然なのです。鳴門線は鳴門―徳島駅の20㌔で運行しており、まったく実態を反映していない係数です。
 大きい数字のトリックはJRグループ全体の収支です。
 JR四国の赤字は毎年100億円。30年で3千億円の累積赤字。
 しかし、JR東海は1年で3千億円を純利益で上げています。JR四国や北海道の赤字は十分補填できます。儲かるエリアと儲からないエリアを別会社にすれば当然の結果で、作為的赤字なのです。
 牟岐線沿線の現地調査では、2つの高校が同時に統廃合で消滅し、若者の姿がすっかり消えていました。他方で2千億円の純利益を上げる国交省系の独立行政法人・都市再生機構(UR)が、津波対策で40億円の防災公園事業を町に提案し、住民の反対運動が起きています。「ローカル線切り捨てなんて上品なものじゃない。初めからツブしにかかってきている」という意見も聞きました。

「公共交通の駅を中心に街が成立」

 7月に開催された住民の意見交換会では、前半は「どう黒字にするか」という議論になり、「運賃値上げやむなし」「古い木造駅舎を歴史遺産に」「無人駅で産直市を」などの意見が出されました。

 流れを変えたのは1人の住民の発言です。

「田舎の無人駅でも朝晩は通勤通学の自転車ラッシュ。やはり駅は街の中心。公共交通の駅を軸に街は成り立っている」「駅のトイレ閉鎖は高齢者にはつらい。トイレ付列車を導入するというJRの発想ではなくて、まず駅にきれいなトイレを作る。そこに自然と人は集まる」

――など公共交通としての「鉄道と地域を守る」真剣な意見が出されました。

ニュースへのリンク

 

日刊動労千葉 第9162号

8/18JR千葉支社団交
(申25号、申30号)
運転士・車掌「相互運用」ただちにやめろ


8/11習志野運輸区イベント開催についても追及

8月18日、運転士・車掌の相互運用に関する申入れ(申25号)、習志野運輸区イベント中止申入れ(申30号)に関する千葉支社との団交を行った。

相互運用の目的

組合 相互運用の目的はなにか。

会社 運転士が車掌の業務も行うことで柔軟な働き方の実現、幅広い仕事の知識、経験、技量を維持することを考えている。多様な経験を積むことで安全やサービスレベルが向上できる。

組合 車掌が不足しているのか。

会社 不足はしていない。あくまで要員関係ではなく、多様な経験を積んでもらう目的だ。

組合 人数規模はどのくらいか。

会社 必ず何人ということはない。区所の特徴にも合わせて進める。

組合 どう「サービス向上」になるのか。

会社 運転士業務は運転操縦がメイン。車掌業務でどの駅ホームは混雑してドア開閉に時間がかかるとか、乗客の流動もみれる。

組合 運転士は車掌を経験している。

会社 現状を確認できる。

訓練の現状等について

組合 開始された訓練の現状はどうか。

会社 1ヶ月ほど乗務行路に乗ってもらい現場長の見極めも終わった。8月末から行路を割り振り乗務する予定だ。当該が予備勤務のため、勤務が始まる前までは変更可能だ。

組合 見習い期間はどのくらいか。

会社 1ヶ月ほどだ。決まりはないので、不安があれば延びることはある。

組合 乗務する行路はどれになるのか。順序によっては在宅休養時間等の問題が発生しうる。

会社 乗務開始日、行路は確認できていない。確認させてほしい。

組合 現時点の千葉運輸区内での意見はどういうものか。

会社 訓練段階のものだが、長く運転業務しかやっていなかったので新鮮さがある、運転士をした上での車掌業務は違う視線で見れた、と聞いている。

交番中でも車掌行路を指定

組合 今後の指定の仕方はどうか。

会社 今月は勤務発表後だったので勤務変更で行った。来月以降は勤務指定の段階で車掌行路を指定していく。スタートの段階では月の中で運転士をやる日、車掌をやる日がある。実施する中で1ヶ月単位でやる方がいいとなるかもしれない。

組合 予備勤務時だけでなく、交番中も車掌行路を指定するのか。

会社 交番の中でも車掌行路を指定する。期間があくこともいけない。

組合 1ヶ月の変形労働時間制が崩れることになるのではないか。

会社 それは崩れない。

組合 交番順序表がある。休日明示も必要だ。

会社 そこは崩れる。通常の勤務発表で運転士であっても、交番順序が変わっていることもある。

組合 ダイ改もなく、交番順序表も変えずに運転士の交番の中に車掌行路を入れていいのか。運転士と車掌では勤務の内容も違う。

会社 勤務指定で入れることは可能だ。

組合 勤務表としては、「車掌もやる特殊な人」として別枠で出すのか。

会社 出し方は確認する。

組合 対象の行路は広げるのか。

会社 今の段階では示した区間だ。今後は状況を見ながら判断していく。

緊急時の対応

組合 災害時、運転士を担当していた乗務員に車掌業務をやらせるといったことはあるのか。

会社 現時点で考えているわけではないが無いとは言えない。

他区への拡大は?

組合 他区に拡大するのか。

会社 検討することは出てくる。

組合 発案は区長からか、支社からか。

会社 柔軟な働き方の推進については支社から話していく。「何月から運用する」という話は各区からもらう。

組合 他支社では実績があるのか。

会社 例えば横浜支社では行っていると聞いている。

安全が脅かされる

組合 千葉運輸区の重点実施事項では、これが「挑戦」の一つに挙げられている。「挑戦」ならば「目標」があるはずだ。

会社 多様な働き方を含めて、運転士と車掌の相互運用もある。

組合 「柔軟な運用」によっては「今日は運転士、明日は車掌」となれば要員削減、行路の長大化につながる。安全が脅かされる。

会社 必要な教育と、不安解消に向けては継続して行っていく。

習志野運輸区イベント強行は鉄道軽視だ(申30号)

組合 感染拡大で運輸区によっては行路の持ち替えも起こっている。職場の要員体制がギリギリでも競技会を優先させることも起こり、鉄道をないがしろにする姿勢が見えている。そのためイベントの中止を申し入れた。

会社 感染対策は行った。事前の体調確認を行い、密にならずにできると判断した。

組合 現場からイベントで「密になる」と聞いている。すべて屋外か?

会社 車掌体験は乗務員室になる。換気や消毒など対策の上で実施した。

組合 イベントの実施・中止が現場長の判断では基準があいまいだ。

会社 イベントによって異なる。中止は会社として判断する。

組合 何かがあった時の責任は会社にある。イベント時の状況を考えれば、感染拡大になるリスクは避けるべきだ。列車運行に影響があってはならない。

会社 今後もイベントは対策の上で実施する。通常業務に支障が出るイベントは問題という考えは同じだ。

(以上)

 

2022年8月24日水曜日

闘いなくして安全なし No.363

「鉄道と地域守れ」の住民の声
~四国での廃線攻撃との闘い~

徳島で廃線問題に取り組む方からいただいた投稿を
紹介します。


JR四国各線の現地調査を開始


 JR四国各線の現地調査を始めました。JR四国は全線赤字。営業係数の徳島県内ワースト1が牟岐線(1185円)、ワースト2が鳴門線(483円)です。
 現地を歩いて2つの数字のトリックに気づきました。小さいトリックは支線の営業係数。そもそも始発駅は乗客が少ないので係数が悪くて当然。鳴門線は鳴門―徳島駅の20㌔で運行しており、まったく実体を反映していない係数です。だまされてはいけない。
 大きい数字のトリックはJRグループ全体の収支です。
 JR四国の赤字は毎年100億円。30年で3千億円の累積赤字。
 しかしJR東海は1年で3千億円を純利益で上げています。JR四国や北海道の赤字は十分補填できます。作為的赤字で軍事費10兆円をねん出するなど、絶対に許されません。
 牟岐線沿線の現地調査では、2つの高校が同時に統廃合で消滅し、若者が消えていました。他方で2千億円の純利益を上げる国交省系の独立行政法人・都市再生機構(UR)が、津波対策で40億円の防災公園事業を町に提案。住民の反対運動が起きていました。「ローカル線切り捨てなんて上品なものじゃない。初めからツブしにかかってきている」という意見を聞きました。

「公共交通の駅を中心に街が成立」

 7月に開催された住民の意見交換会では、前半は「どう黒字にするか」の意見の方向に。「運賃値上げやむなし」「古い木造駅舎を歴史遺産に」「無人駅で産直市を」。高校生から「関連グッズの作成」「Wi-Fiつけて」「地元企業のラッピング電車」などの意見も。
 流れを変えたのは1人の住民の発言です。「田舎の無人駅でも朝晩は通勤通学の自転車ラッシュ。やはり駅は街の中心。公共交通の駅を軸に街は成り立っている」「駅のトイレ閉鎖は高齢者にはつらい」「トイレ付列車を導入するというJRの発想ではなくて、まず駅にきれいなトイレを作る。そこに自然と人は集まる」など公共交通としての「鉄道と地域を守る」真剣な意見が出ました。

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会報・国鉄闘争全国運動 第147号


 

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2022年8月23日火曜日

日刊動労千葉 第9161号

戦争をとめよう!
私たちは「国益」と「排外」に屈しない
戦後77年 8・14労働者市民のつどい


戦後77年目の8・15を期して「戦争を止めよう!8・14労働者市民のつどい」が世田谷区の烏山区民会館ホールで開催された。酷暑とコロナ禍の中だったが350人を超える仲間が集まった。

国葬などとんでもない

集会の冒頭、集会実行委員会を代表して葉山岳夫弁護士があいさつし、「安倍銃撃に対する『民主主義への挑戦だ』という非難はそのまま安倍元首相に浴びせるべきものだ。国葬などとんでもない。粉砕するしかありません。これは改憲・戦争阻止に直結する。国益と排外に屈しない道は、戦争を進める自国政府を打倒することだ」と提起した。
さらに在日ビルマ市民労働組合のミンスイ会長が連帯のアピールを行った。ミンスイさんは「山上さんは安倍元首相を殺して捕まったが、なぜ日本政府は2千人以上を殺しているミャンマー国軍を支援し続けるのか」と日本政府を弾劾し、「安倍国葬に反対だ。同じ労働者として共に闘っていきたい」と発言した。

「万国の非国民、団結せよ!」

集会の基調を森川文人弁護士が提起した。「世界は戦争か革命かの激動の時代だ。冷戦が終わってから軍事費は40%も増えた。安全保障とか抑止とか、結局は軍拡競争にすぎなかった。つまり、今の枠組みでは戦争は止まらない。戦争を止めるには資本主義を止めるしかない。国家と同じ目線に立つのではなく、今こそラディカル(根源的)な訴えをしていかないといけない。実際に世界を回しているのは国でも、資本でもない、労働者民衆です。力を自覚しましょう! 労働者は本質的に国境がない非国民です。非国民こそ国際的存在です」と訴え、最後に「万国の非国民、団結せよ!」と叫んで大きな拍手を受けた。

職場における闘いと、戦争を止める闘いは一つ

痛快なコントで会場は大爆笑
松元ヒロさん

続いてお待ちかね、この集会で恒例となった松元ヒロさんによるコント。会場全体を大爆笑で包みながら、安倍国葬への怒り、改憲策動への怒りに貫かれた舞台で、大いに盛り上がった。
現場からの闘いの報告では、動労千葉の関委員長、高山俊吉弁護士、東京労組交流センターの医療労働者、全学連が発言した。
関委員長は「戦争こそ最大の権利破壊だ。職場における闘いと、戦争を止める闘いは一つです。改憲・戦争を阻止する力も、新自由主義を終わらせ社会を変える力も、労働者の団結した闘いの中にこそあります。労働運動の刷新、闘う労働運動の再生は、この時代の最先端の課題です」と訴え、11・6全国労働者集会への大結集を呼びかけた。

 

 
安倍国葬阻止!全国集会・デモ
 9月23日(金、休)午後1時
 芝公園23号地集会広場
 主催/改憲・戦争阻止!大行進
 

 

動労千葉を支援する会ニュース 372号

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2022年8月20日土曜日

11/6 全国労働者総決起集会


労働者の団結した力で新自由主義を終わらせよう!
戦争・大軍拡・改憲を止めよう!
闘う労働組合を甦らせよう!
関西生コン労組への大弾圧・労組なき社会許すな!


11/6 全国労働者総決起集会

改憲阻止!1万人大行進


(集会終了後 日比谷野音~銀座~東京駅までデモ行進)

日 時 11月6日(日)正午 (開 場11時)
   どなたでもご参加できます
   15時15分頃にデモ出発
場 所 東京・日比谷野外音楽堂



 世界中で労働者・民衆の大反乱が始まっています。世界各地で労働組合が次々に結成され、ゼネストが宣言され、ウクライナに送られる兵器の前に立ちふさがり、政権の腐敗や独裁への生命がけの闘いが展開されています。

 それは、世界をのみ込んで高鳴る戦争の危機に反対し、新自由主義が生み出した雇用や社会の崩壊に抗し、激しいインフレや食料危機の進行下で生きる権利をかけた闘いです。
 後退を強いられてきた労働運動が力をとり戻し、時代の最前線に登場するときが来ようとしています。私たちもそれに続きたい、そうした決意を込めて、25回目の節目を迎える2022年11月集会を呼びかけます。

 私たちは訴えます。すべての労働者の権利、労働運動の未来をかけて、関生支部への大弾圧、政府・JR資本による労組なき社会化攻撃を粉砕しよう。
 非正規職撤廃、労働運動を刷新し、労働者の団結した力で新自由主義を終わらせよう。労働者の最も重要な任務として戦争を止めるために力を合わせてたちあがろう。
 反動岸田政権打倒、ウクライナ-中国侵略戦争、10兆円の大軍拡、改憲を阻止しよう。国境を越えた労働者の国際連帯闘争を発展させよう。11月6日、日比谷野外音楽堂に集まろう!

【呼びかけ】 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部 / 全国金属機械労働組合港合同 / 国鉄千葉動力車労働組合 / 国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動 / 改憲・戦争阻止!大行進

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2022年8月19日金曜日

日刊動労千葉 第9160号

8・6ヒロシマ―8・9ナガサキ闘争


世界戦争・核戦争ゆるさず闘おう!

8月6日早朝、
平和式典に出席した岸田に対する集会・デモを闘った


8・6ヒロシマ闘争

8月6日、被爆77年を迎えた広島で、反戦・反核を訴える8・6ヒロシマ闘争を全国の仲間とともに闘いぬいた。直前にペロシ米下院議長が台湾訪問を強行し、中国が大規模な軍事演習で応えるという緊迫した情勢の中、労働者の団結した力で核も戦争もなくそうと訴えて闘った。

6日早朝は原爆ドーム前にて、右翼の妨害をはねのけて岸田打倒の集会・デモを行った。改憲・大軍拡や戦争に向けたサミットの広島開催を進めながら、8月6日の広島で平和式典に出席するなど許すことはできない。

8・6ヒロシマ大集会で関副委員長が発言


「被爆77周年8・6ヒロシマ大集会」では、開会挨拶で大行動共同代表の室本さんが「岸田総理は広島を語って広島をつぶす最悪の政治家だ」と訴えた。被爆2世の訴え、3・11実行委の椎名さん、沖縄・コールセンター労組の仲宗根さんらが発言した。また、関生支部の赤川さん、広島教職員100人声明呼びかけ人の平野さん、日教組奈良市の増田書記長、愛媛県職労などが発言された。

動労千葉から発言した関副委員長は、緊迫する戦争情勢、廃線化・国家改造攻撃との闘いに職場・地域からたちあがる決意を語り、11月集会1万結集の実現に向けた闘いを訴えた。

集会後、平和記念公園に向けたデモをやりぬいた。前日は国鉄産別集会、オキナワとヒロシマを結ぶ青年集会などが開催された。

8月5日、国鉄産別集会


8・9ナガサキ闘争

8月9日、長崎は被爆77周年を迎えた。爆心地に向けたデモ中、岸田が式典会場に向かうためにデモが止められたが、「岸田は長崎から出て行け! 改憲と戦争に突き進む岸田政権打倒!」の怒りのシュプレヒコールを叩きつけた。

8・9ナガサキに中村副委員長が参加

 

 「8・9長崎反戦反核集会」は、NAZEN・ナガサキと改憲・戦争阻止!大行進の主催で開催された。長崎被爆者である城臺美彌子さんは、「先の大戦で核爆弾が広島・長崎に落とされた。戦争の放棄、軍隊を持たない平和憲法ができた時、どんなにうれしかったことか。しかし、ウクライナ戦争下で元総理は先制攻撃できる国にしなければならないと言った。本当の平和をつくっていきましょう」と訴えた。
 

8・6ヒロシマ大行動実行委、改憲・戦争阻止大行進、福島からふくしま共同診療所建設委員会の佐藤幸子さんなどが発言にたった。

動労千葉の中村副委員長は、「改憲阻止」「すべての戦争絶対反対」「すべての原発と核兵器の廃絶」を訴えた。そして、「生きるために貧しくても豊かな心が持てる社会を私たちの力で作ろう」と呼びかけ、11・6日比谷への全国からの結集を訴えた。前日の8日には城臺美彌子さんによる平和学習に学生を先頭に参加した。
 

2022年8月17日水曜日

外注化阻止ニュース 第594号


コロナ感染で乗務員の確保が困難に
業務融合・相互運用の中止を

 

 各運輸区でコロナ陽性者が相次ぎ、千葉運輸区が鴨川運輸区の行路の一部を担当することになりました。指令員にも乗務させる話も出ています。
 JR九州では、運転士・車掌の陽性者や濃厚接触者が拡大し、7月27日~8月5日までの間、特急「ソニック」の上下100本、特急「かもめ」の上下線20本、計120本が運休になりました(写真)。

負担増は安全問題に直結

 一方で会社は業務融合や統括センター設置を進めています。職名を廃止し、ジョブローテーションと称して乗務員を次々に配転しています。
 7月からは千葉運輸区で「車掌業務と運転士業務の相互運用」「乗務できる管理者の拡大」が順次進められています。
 直接的な目的は、運転士・車掌の要員数を徹底的に減らすことです。
 しかし、要員を削減すれば、今回のように感染症拡大した時など緊急時・非常時に対応できなくなります。
 さらに要員を削減し、現場の乗務員の労働強化・負担の増加をおしつけることは許されません。それは鉄道の安全破壊に直結する問題なのです。

会社は鉄道業務を軽く見るな

 職名廃止・業務融合・相互運用は、現場労働者を「何でも屋」として働かせるものであり、会社は運転士や車掌の仕事をあまりにも軽く見ています。
 鉄道はさまざまな系統の専門的な知識・技術・経験の上に成り立っています。そういった各系統の専門性を軽んじては、鉄道の安全も破壊されてしまいます。


 会社の攻撃に対する最大の反撃は、職場からの怒りの声と闘いです。職名廃止・ジョブローテーション・業務融合・統括センター設置・「相互運用」・管理者の乗務拡大に、職場から反対の声をあげよう。

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2022年8月16日火曜日

闘いなくして安全なし No.362


コロナ拡大で要員ひっ迫
行路の一部持ち替えが発生
業務融合・相互運用の中止を

 コロナ感染症拡大の中で、千葉運輸区が鴨川運輸区の行路の一部を担当するということが行われました。また、指令員にも乗務させるという話もあがっています。この間、各運輸区で陽性者が相次いだためです。
 JR九州では、運転士・車掌の陽性者や濃厚接触者が拡大し、7月27日~8月5日までの間、特急「ソニック」の上下100本、特急「かもめ」の上下線20本、あわせて120本が運休になりました。

乗務員の負担増は安全問題に直結

 一方で会社は業務融合や統括センター設置を進めています。職名まで廃止し、ジョブローテーションと称して乗務員を次々に配転しています。
 7月からは千葉運輸区で「車掌業務と運転士業務の相互運用」・「乗務できる管理者の拡大」が順次進められています。
 直接的な目的は、「管理者の乗務拡大」を含め、運転士・車掌の要員数を徹底的に減らしていくことです。
 しかし、徹底して要員を削減すれば、今回のような感染症拡大時に対応できなくなります。さらに要員を削減し、現場の乗務員の労働強化・負担の増加をおしつけるなどあってはなりません。それは鉄道の安全破壊に直結する問題です。

鉄道業務を軽く見てはならない

 職名廃止・業務融合・「相互運用」などは現場労働者を「何でも屋」として働かせる攻撃です。会社は運転士の仕事も車掌の仕事もあまりに軽く見ています。現場労働者の誇りを踏みにじり、団結を破壊する攻撃は断じて許せません。
 鉄道はさまざまな系統の専門的な知識・技術・経験の上に成り立っています。そういった各系統の専門性を軽んじては、鉄道の安全も破壊されてしまいます。
 会社の攻撃に対する最大の反撃は、職場からの怒りの声と闘いです。職名廃止・ジョブローテーション・業務融合・統括センター設置・「相互運用」・管理者の乗務拡大に、職場から反対の声をあげよう。

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2022年8月12日金曜日

日刊動労千葉 第9159号

国交省の廃線提言を弾劾する ②

 房総廃線許すな!


●房総廃線許すな!

千葉日報 7・28


JR東日本が公表した線区には、久留里線、内房線(館山―安房鴨川)、外房線(勝浦―安房鴨川)、鹿島線が含まれている。その廃線化に手がつき始めれば、いすみ鉄道にも波及していくことは明らかだ。
マスコミはJRの意図的発表に基づいて、久留里―上総亀山間を「日本一収支率の悪い区間」として宣伝している。また、千葉支社管内で赤字額が最も多かったのは、館山―安房鴨川間(14億600万円)だという。
それは明らかに廃線に追い込むために仕組まれた悪意に満ちた宣伝だ。なぜ、久留里―亀山間だけをとり出して「日本最悪」などと宣伝しなければならないのか。内房線・外房線(とくに勝浦―館山間のいわゆる南線)もそうだが、こんな一部だけを輪切りにして発表すれば、全国全線区でどのような宣伝だってできる。しかも久留里―亀山間は、昼間時間帯に5時間も列車が走らないダイヤが組まれ、JRによって意図的に乗れないように仕組まれてきたのだ。久留里線全体がそうだ。早朝・深夜の列車を廃止し、東京方面に通勤できなくしたのはJRだ。われわれは、通勤するために泣く泣く引っ越さざるを得なくなった乗客の怒りの声を直接聞いている。つまり、何年も前から廃線化に向けて利便性を破壊し、乗れないように仕組んできたのである。
ワンマン化や駅無人化もその一貫で、お年寄りや障害者は列車を使うことがどんどん困難になっている。
久留里―亀山間が廃止されれば、次は木更津―久留里間に波及することは明らかだし、館山―鴨川―勝浦間が廃線化されたら房総の鉄道網は寸断され、生活も観光もすべてが大打撃を受けることになる。結局、木更津・君津以南、上総一宮以南全体の切り捨てに拡大していくことは明らかだ。絶対に許してはならない。

●沸騰する怒りの声、 そして戦争情勢

一方、検討会提言は、二つの理由によって、矛盾に満ちたものにならざるを得なかった。そもそも国交省検討会の狙いは、「JR各社は、現に営業する路線の適切な維持に努めなければならない」とした、1998年運政審答申、01年大臣指針以来の考え方を粉砕することにあった。実際、途中経過は「廃線ありき」の勇ましい議論に満ちていた。しかし、予想を越えた地方からの怒りの声の沸騰を前に、最終提言には「JR各社は大臣指針を遵守し…」と書かざるを得なかったのである。5月には、「地方切り捨ての議論にしないでいただきたい」と、28道府県知事が連名で緊急の申し入れを行っている。
法的には廃線化に許認可も自治体の合意も必要はない。しかしそれではあまりに破壊的な事態になるので「路線の維持に努めろ」という指針を出す。「民営化は成功した」と言うために、すでに30年もこんなことを続けているのだ。
もう一つは、「特急・貨物列車の走行線区等、我が国の基幹的な鉄道ネットワークを形成する線区については、JR各社による維持を強く期待する」と書き込まざるを得なかったことだ。国交省には、ローカル線の存廃に関する検討会とは別に「鉄道物流に関する検討会」が設置されており、防衛省はその場で、危機感を表わにして安全保障に対する鉄道貨物輸送の重要性を「直訴」したのである。防衛省は、ウクライナ戦争で鉄道貨物がどれほど重要な役割を果たしたのか、数多くの画像まで添付して提起している。読売新聞はそれを受け、過去に遡って「鉄道の有用性を鮮明にしたのは戦争だ」という記事を書き連ねている。こうした事態と廃線化攻撃が鋭い対立を胎みながら進行している。

●万策尽き果てて・・・・

結局、すべてが破たんし、戦争に向けた国家改造攻撃が始まろうとしている。
提言は「上下分離」を謳うが、そもそも上限分離とは、鉄道事業に競争原理を導入するための手法だ。鉄道の運行と施設の保有を分け、どの鉄道会社が列車を運行するのかは競争入札によって決まる。ヨーロッパでは上下分離が“EU標準”で、タテマエ上は自由に参入できることになっているが、それはどの国でも様々な問題を惹起した。例えば、イギリスではレール破断によるハットフィールドの大事故を引き起こし、施設保有会社はその賠償金支払いによって経営破たん、「再国有化」せざるを得なくなったのである。
しかし、国交省が主張する上下分離は、それと比べてもさらに世にも異様な上下分離だ。競争原理など働きようがない地方ローカル線を上下分離しようというのだ。要するにただひたすら矛盾と負担を地方におしつけるだけ。もっと言えば「廃線化止むなし」に追い込むための口実としてのみ主張しているのだ。
その本質は何なのか? 日本の場合、上下分離とか、第3セクター化と言っても、地方自治体や国による公費援助、経営補助の仕組みでしかなかった。例えば鳥取県の若桜鉄道。19年度決算はわずかながら黒字だった。だが実態は沿線の二つの町が5億円近くを負担し、それは交付税措置によって国から補填されている。こうした形をとって、分割・民営化が成功だったかのように装い続けてきたのが実態であった。
国交省提言が示したのは、国にはもはやそんなごまかしを続ける余裕はないんだぞ、というこれまでの国の在り方の転換をかけた踏み出しだ。地方が焼け野原になろうが、医療や社会保障制度、教育が崩壊しようが、10兆円の防衛費を確保する、「国力」を安全保障に集中しなければならないという国家のスクラップ&ビルドだ。それは鉄道だけに限られた問題ではない。国鉄分割・民営化以来の重大な攻撃が始まろうとしている。しかしそれは万策尽きた資本主義の破滅的攻撃だ。労働運動が力を取り戻すチャンスが到来しようとしているのだ。

 

外注化阻止ニュース 第593号


 

 労働組合に結集し賃上げ要求を
千葉最低賃金審議会が時給984円を答申

生活できる賃金を

 千葉地方最低賃金審議会は8月5日、千葉県の最低賃金を時給で現行の953円から31円引き上げ984円にするよう答申しました。10月1日から適用されます。
 マスコミでは過去最高と報じられ、労働組合の全国組織である連合は「評価する」としていますが、とんでもない話です。この間の急激な物価上昇を考えれば、この額で生活することは困難です。「焼け石に水」「30円で過去最高?」「何が変わるのか」との声が噴出しています。
 日本では、最低賃金に近い水準で働く労働者がこの10年ほどで倍増しています。その多くは自立した生活を営んでいます。非正規労働者が全体の4割近くになり、正社員でも低賃金の労働者が増えています。最低賃金が生活に直結する世帯が増えているのです。
 今年に入ってウクライナ戦争などの影響もあり、激しい物価高が続き、食料・光熱費・ガソリンなど生活を直撃する必需品が次々と値上げされています。この物価高騰にこんな水準ではとうてい追いつきません。

異常に低い日本の賃金

 最低賃金は近年引き上げが続いており、2年後には政府目標の1000円に達すると言いますが、それ自身が海外と比べても異様に低い常態です。英国では4月から1530円、フランスも5月から1460円に引き上げています。
 米国では2015年に始まった「最低賃金15㌦運動」などの労働運動の高揚のなかで、この7月からワシントンDCやロサンゼルスで16㌦(2110円)、サンフランシスコでは17㌦(2240円)など、引き上げが続いています。
 最低賃金をめぐる状況を変えるためにも労働組合の存在感が必要です。

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2022年8月11日木曜日

日刊動労千葉 第9158号

国交省の廃線提言を弾劾する ①


7/22国交省正門前


●ローカル線〝大虐殺〟

国交省検討会は、7月25日、地方ローカル線の存廃について提言をとりまとめ公表した。その内容は、鉄道事業者または地方自治体から要請があった場合、国が「特定線区再構築協議会」(仮称)を設置し、合理的な期限(最長3年)を設けて存廃を決定するというものだ。その対象となる「目安」は「輸送密度1千人未満、かつピーク時の1時間当たりの輸送人員500人未満」とされた。それはJRの営業キロ全体の22%に当たる。膨大な線区が廃線化の対象にされたのである。
当初検討されていた廃線化の基準=4千人未満(全体の57%)、2千人未満(全体の39%)は、各地の自治体から噴きあがった激しい怒りの声の前に、引き下げざるを得なかったが、攻撃の本質は何ひとつ変わっていない。この間の経緯を見れば明らかなように、このような形で国が廃線化を容認すれば、「1千人未満」を越えて廃線化攻撃がエスカレートしていくことは明らかだ。ローカル線〝大虐殺〟が始まろうとしている。

●国交省すら無視して突進

その3日後、JR東日本は、国交省の「目安」を無視する形で、「輸送密度2千人未満」の線区について収支を初公表した。それは、35路線66線区・全営業キロの35%に及ぶ線区だ。「JR西日本を参考にして2千人にした」「JR東西2社はローカル線見直しを今年の最重点課題とし、首脳同士が水面下で会談するなど足並みをそろえて動いた」(読売)というのである。JRは国交省基準すら無視して前のめりで廃線化に突き進もうとしている。
廃線化はすでに既成事実としてどんどん進められている。JR北海道で言えば、深名線、江差線、留萌線、石勝線、札沼線、日高線等が廃線化されているし、西日本では、可部線、三江線等。東日本でも、山田線、大船渡線、気仙沼線、只見線等が廃線に追い込まれている(経営移管を含む)。今回の国交省提言は、そうした既成事実を、国家政策としてより大々的に推し進めるために追認し、制度化しようとするものだ。

●JR・国交省による強制廃線化攻撃

提言は「鉄道事業者または地方自治体の要請を受けて国が協議会を設置し、3年以内に結論を出す」としているが、JR(鉄道事業者)側から矢継ぎ早に「要請」が出されることは明らかだ。逆に沿線自治体から出されるケースは通常考えられない。そもそも今回の国交省提言は、「これまで廃線を警戒する沿線自治体がJRとの協議に積極的に応じないケースが多かった」ことから、新たな制度をつくる必要性が生じて検討が始まったものだというのである。つまり提言は沿線自治体を強制的に協議に引きずり込むために作られた〝強制廃線化攻撃〟に他ならない。JRと国がグルになって廃線化・バス転換が地方に強制されようとしている。
しかも事態は加速度をつけて進む可能性がある。この間も新潟県などを襲った集中豪雨災害で線路が流される等の被害が相次いでいるが、この間JRがとってきた政策は、それをもっけの幸いとして、何年にもわたって復旧の手をつけようとせず、沿線自治体がしびれをきらして、「バスでもいいから走らせてくれ」「鉄道設備は自治体が持つから列車を走らせ区くれ」と言うまで待つという卑劣なやり方であった。只見線の「上下分離」などがその典型である。今回の攻撃によってこうしたやり方が、いわば国のお墨付きの下に極めて迅速に進むことになるのだ。

●「エリア一括」廃線化!

「ピーク時の1時間当たりの輸送人員500人未満」という、提言に盛り込まれた「基準」も歯止めになることはない。それは、通勤・通学輸送を担っている線区、とくに沿線に学校がある場合を想定したものだが、この間地方で進行した現実を見れば、むしろ「廃校」と「廃線」がセットで進められる可能性の方が大きいと考えられる。この20年、毎年540校もの小中高校が廃校化されその流れは今も止まっていないのだ。
しかもそれは単なる懸念ではない。国交省はその冒頭から「(この提言は)岸田政権が進める『デジタル田園都市国家構想』の実現に不可欠」のものだとうたっている。その「国家構想」では公共交通については、「エリア一括して運行委託する場合」に、国は地方自治体に「長期安定的な支援」を行うとしているのだ。一定のエリア丸ごと(一括して)バス転換しなければ「安定的な支援」はしないというのである。それを「遠隔教育」「遠隔医療」と一体で進めるというのがこの「国家構想」だ。


 

 千葉で廃線化の対象とされた久留里線沿線では、4校の小学校が1校に集約されたり、3校の中学校が1校に集約されたりして、現状ですら子供たちが学校に通うことが困難になっている。地方自治体がスクールバスを出して長時間かけて子供たちを拾って学校に降ろしていくことでかろうじてなりたっているのだ。このギリギリの限界状況をさらに壊そうというのが国交省検討会路線であり、新国家構想なのである。(続く)

 

2022年8月9日火曜日

日刊動労千葉 第9157号

31円!? 超低額の最低賃金弾劾!
生活できる賃金をよこせ!

11・6労働者集会 第2回賛同人・団体会議


31円!? 超低額の最低賃金弾劾!
生活できる賃金をよこせ!

 

 8月2日、今年の最低賃金(最賃)の引き上げ額の目安を31円とし、961円(全国加重平均)とすることが決まった。これを受けて各都道府県が引き上げ額を決め、10月から運用される仕組みだ。
わずか31円の引き上げが過去最大の上げ幅と騒がれ、連合は「評価する」としている。とんでもない! こんな額で生活ができるのか!
最賃に近い水準で働く労働者がこの10年ほどで倍増している。それもアルバイトなどの補助的な働き方ではなく自立した生活を営んでいる労働者たちだ。非正規職労働者が全体の4割近くになり、正社員でも低賃金の労働者が増えている。最賃額が生活に直結する世帯が増えているのだ。
今年に入ってウクライナ戦争などの影響もあり、激しい物価高が続いている。食糧品、光熱費、ガソリンなど、生活を直撃するものが次々と値上がっている。この物価高騰にこんな水準では、とうてい追いつかない。

異常に低い日本の賃金

最賃は近年引き上げが続いており、2年後には政府目標の1000円に達するというが、それ自身が海外と比べても異様に低い。英国では4月から1530円、フランスも5月から1460円に引き上げている。アメリカでは2015年に始まった「最賃15㌦運動」などをはじめ労働運動の高揚のなかで、この7月からワシントンD.C.やロサンゼルスで16㌦(2110円)越え、サンフランシスコでは17㌦(2240円 8/1のレート)など、引き上げが続いている。
先進国中最低となった日本の賃金水準を生み出した〝戦犯〟は連合だ。今こそ闘う労働運動をつくりだそう!

戦争・改憲を止める労働運動を!
―11・6労働者集会 第2回賛同人・団体会議―

 

 7月30日、11月労働者集会第2回賛同人・団体会議(第3回実行委員会)が東京都内において開催された。
動労千葉中村副委員長の司会で最初に動労千葉関委員長があいさつ。「7・16―17国鉄集会は、廃線化攻撃と立ち向かい大成功をかちとることができた。25日にローカル線をめぐる国交省検討会のとりまとめが出され、JR東も28日に収支を公表するなか、国交省への14日申入れ抗議行動、22日の抗議デモと合わせ、この国鉄集会で迎え撃つ形となった。検討会の『提言』が、輸送密度を千人未満対象にすると後退する一方、JR東は、あえて2千人未満の線区を打ち出すなど強行だ。そもそも特急を切り、運行本数を減らし、乗り換えなしではいけないよう不便にして、乗客を減らしてきたのはJR自身だ。地域の怒りと一体となって闘おう」と訴えた。

狙われる戦争―「国家改造」計画

11月集会に向けた全体の取り組みについて動労千葉田中顧問は、「安倍銃撃事件、ウクライナ、台湾海峡・中国をめぐる事態、大軍拡と改憲、激しい物価高騰、骨太方針など労働運動をとりまく情勢のすべてが激変している。
JR廃線化問題は、分割・民営化の失敗、新自由主義の崩壊の象徴だ。第2臨調になぞらえた「国家改造」計画として、さらに貨物輸送を軍事体制に組み込む攻撃が行われようとしている。同様の検討が社会生活の全分野で狙われている。労働運動が問われている。11月労働者集会を新たな一歩にしよう」と訴えた。

安倍国葬に怒り 

討論では、安倍の国葬をめぐって街頭や職場で怒りの声が渦巻いている報告がいくつも上がった。自民党政権と統一協会との根深い関係が次々と明らかになり、署名やデモなど反対を表明する場を求めている。こうした怒りと合う宣伝戦を。
また、地域で廃線化反対運動がとりくまれているところでは、反戦行動や学校の統廃合問題、産廃問題等が重層的に闘われており、これらのネットワーク化の模索、大会で「戦争反対決議」を上げた労組、労組活動家の交流会や産別集会の企画案など、さまざまな取り組みが報告された。
各地、各職場、各運動体で具体的な運動をつくりだし、発展させよう。そうした集約の場として11月集会をかちとろう。

 

2022年8月6日土曜日

日刊動労千葉 第9156号

7/14「イノベーティブスタッフ新設」
「サービスマネージャー廃止」提案


さらなる業務融合攻撃ゆるすな

7月14日、JRは「現業機関における新たな役割について」「サービスマネージャーの見直しについて」の提案を行ってきた。

提案ではイノベーティブスタッフを新設し、現業機関と企画部門の融合を進める中で、「新たな価値創造・課題解決等を主体的に担っていける社員」を指定するとしている。

また、サービスマネージャーについて「柔軟な働き方」―業務融合によって「すべての社員が担うことになる」ので廃止するとしている。

どちらの提案もこの間の業務融合・職名廃止・組織再編攻撃をさらに進めるために、現場から「主体的」に協力させようというものだ。

だが、これは現場労働者を「なんでも屋」として働かせる攻撃だ。鉄道の安全を守ってきた各系統の専門性を解体し、安全を破壊するものだ。

「企画部門で新たな価値創造を」と現場を競争させ、「できる」「できない」でふるいにかける。それを通して現場労働者全体の労働条件や権利を根本から破壊しようという攻撃だ。

「価値創造」が何より優先され、鉄道の安全や公共交通機関としての役割をないがしろにするものだ。

「地方路線の収支公表」で全面的な廃線化を進める攻撃と、現場労働者の権利を破壊する攻撃は一つのものだ。

会社の攻撃を打ち破る力は、職場の団結であり闘う労働組合の力だ。

すべての仲間は動労千葉に結集し、職場からともに反対の声をあげよう。

 

【イノベーティブスタッフ新設】

  • 「イノベーティブスタッフ」を新設する。
  • 現業機関における一般社員の中心として管理者を補佐し、箇所における様々な担務を取りまとめ、価値創造・課題解決に向けた業務を推進するとともに、業務遂行の中心的な役割を担う者を指定する。
  • 業務主務はイノベーティブスタッフに統合する。
  • 賃金規程「一般社員の職務手当の支給基準及び支給額表」の番号6、7を次のとおりとする。
番号支給対象及び基準支給額
駅等に勤務する者のうち、

(1)特に指定された者8,000円

(2)前号以外の者で、特に指定された者6,000円
現業機関に勤務する者のうち、特に指定された者11,500円
  • 新設の理由:
    • 変革2027の実現に向けた「新しい仕事と組織」で現業機関と企画部門の融合を進める。
    • 今後、組織再編でさらに融合を進める。
    • 現業機関での担務の取りまとめや企画業務等の価値創造
    • 課題解決を中心的に担う社員の重要性が増す。
  • 指定する人数:各箇所で数名程度の指定を想定している。
  • 実施期日:2022年10月1日

【サービスマネージャーの見直し】

  • サービスマネージャーを解消する
  • 実施期日:2023年6月30日

※変革2027の実現に向け、「現業機関における柔軟な働き方」や「新しい仕事と組織」等を推進していく中で、今後サービスマネージャーの業務はすべての社員が柔軟に担っていく

 

2022年8月5日金曜日

日刊動労千葉 第9155号

65歳以降雇用延長・外注化粉砕
千葉地裁 8・1 第2回裁判
公開イベント中止求める緊急申入れ


組合排除のための雇用拒否やめろ!

8月1日、65歳以降雇用延長・外注化粉砕の第2回裁判が千葉地裁において行われた。

責任のなすりつけ合い

裁判でJR・CTSは互いに責任をなすりつけあっている。

70歳までの雇用確保の義務があるJRは「65歳以降の雇用はグループ会社で」といいながら、「採用はCTSが決めること」と責任逃れをしている。

CTSも、これまでJRからの出向者で業務が成り立ってきながら、「CTSに努力義務はない」「ただの新規採用」と逃げている。

CTSは団交で何度も、「エルダーはJR社員だから、65歳以降の雇用はJRが考えるべきだ」と回答してきた。「JR社員を横取りできない」とまで言ったのだ。

では、なぜ管理者だけは雇用延長したのか? 団交の回答とまったく違うことをやっている。それならば、現場労働者の雇用延長も行うのが当然だ。

管理者の雇用延長のための内規は「昨年10月に作った」とCTSは回答した。だが、就業規則等の担当の総務部次長ですらその存在を知らなかった。完全に後付でつじつまを合わせるために、でっち上げたとしか考えられない。

「管理者だけは特別」!?

そもそも、CTSでは65歳以降の雇用を希望すれば当然に雇用延長されてきたのだ。しかし、70歳以降の雇用確保が努力義務となったことと全く反対に、現場労働者はすべて雇用延長を拒否する対応に変えてきた。だが、管理者だけは隠れて雇用延長を行っていた。

CTSが「管理者も含めて情報サービスに登録せずに雇用できない」「65歳以降のエルダーを雇える経営状況じゃない」と回答してきたことすべてが嘘だったのだ。

現場で日々鉄道の運行を支えている労働者がクビで、管理者だけは「特別」?! ふざけるな!

これは労働者の生活がかかった重大な問題だ。JR・CTSは希望者全員の雇用延長を行え! 裁判・労働委員会闘争を職場闘争と一体で、闘争勝利まで闘いぬこう。

 
○次回裁判
10月17日(月)11時~
千葉地裁601号法廷

○次回労働委員会

8月25日(木)11時~
千葉県労働委員会

 

8/3コロナ感染急拡大の中での公開イベント
中止求める緊急申入れ

習志野運輸区においてのイベント開催の中止を求める緊急申し入れ(8/3)

習志野運輸区内において8月11日に開催予定の「習志野運輸区公開イベント2022」をコロナ感染症急増事態をうけ、直ちに中止すること。

8月3日、「習志野運輸区公開イベント2022」の中止を求める緊急申し入れを千葉支社に対して行った。また、イベントへの参加中止を求める申し入れをCTSに対して行った。

感染急拡大の中でイベント開催強行するな

コロナ感染症の拡大は過去最高を更新し続け、医療体制のひっ迫―「医療崩壊」が現実のものになっている。

JR千葉支社内においても、各職場で感染が拡大している。習志野運輸区ではこの過程で10人を超える感染者が確認されている。これ以上感染が拡大していけば列車の運休も発生しかねない状況だ。

現場にとってもイベント開催・参加を強制されることは、業務量の増加と同時に感染のリスクと隣合わせだ。イベント中止は労働者の安全を守るためでもある。

JR千葉支社・CTSはただちにイベント開催・参加を中止せよ!

 

2022年8月4日木曜日

外注化阻止ニュース 第592号


 

 JR東 35路線66区間の収支を発表
民営化の矛盾を地域・現場におしつけるな

 JR東日本は7月28日、1日1㌔あたりの平均利用者数(輸送密度)が2000人未満の35路線・66区間の区間別収支を初めて明らかにしました。

沿線地域から激しい怒りの声


 JR東の発表に先立ち、7月25日には国土交通省の検討会(2月に開始)が提言を発表し、輸送密度1000人未満の路線について国と自治体、鉄道事業者が協議する仕組みを設け、3年以内に方針を決めるべきだと発表しました。
 当初、検討会では「2000人未満」を基準に検討が行われていました。
 しかし、沿線地域を中心に激しい怒りと抗議の声が上がったことで「1000人」に後退させざるをえなくなったのです。
 また、「現に営業する路線の適切な維持に努めることが前提」と改めて確認することにもなりました。
 ところが、JR東日本はあえて「2000人未満」を基準に路線の収支を公表しました。「これだけ赤字だ」ということを掲げ、沿線地域の住民に「廃線か、自己負担か」と突きつけようというのです。

〝道路より先に電車が止まる〟

 そもそも「利用状況に合わせる」といって列車本数を減らせば、当然乗客も減ります。
 ある地域の住民は、「かつては雪で道路が止まるから電車に乗っていた。最近は先に電車が止まるので車に乗っている」と話しています。〝赤字だから減便したほうが儲かる〟〝除雪して走らせても赤字だから止めてしまおう〟――乗客の減少も自然に起こったわけではありません。
 公共交通機関である鉄道を民営化して「利益」を基準にしたことの失敗が明らかになっています。その矛盾を「廃線」「ワンマン化」「無人駅化」などで、地域住民や現場労働者に押しつけるなど許されません。

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2022年8月3日水曜日

闘いなくして安全なし No.361


 JR東 35路線66区間の収支を発表
民営化の矛盾を地域・現場におしつけるな

 JR東日本は7月28日、1日1キロあたりの平均利用者数(輸送密度)が2千人未満の35路線・66区間の区間別収支をはじめて明らかにしました。

沿線地域から激しい怒りの声

 それに先立ち、7月25日には国交省の検討会(2月開始)が提言を発表し、輸送密度1千人未満の路線について国と自治体、鉄道事業者が協議する仕組みを設け、3年以内に方針を決めるべきだと発表しました。
 当初、検討会では「2千人未満」を基準に検討が行われていました。
 しかし、沿線地域を中心に激しい怒りの声があがったことで「1千人」まで後退することになりました。また、「現に営業する路線の適切な維持に努めることが前提」と改めて確認することにもなりました。
 ところが、JR東日本はあえて「2千人未満」を基準に路線の収支を公表しました。「これだけ赤字だ」ということを掲げ、沿線地域の住民に「廃線か、自己負担か」と突きつけようというのです。

〝道路より先に電車が止まる〟

 そもそも「利用状況に合わせる」などといって列車本数を減らせば、当然乗客も減ります。
 ある地域の住民は、「かつては雪で道路が止まるから、みんな電車に乗っていた。最近は先に電車が止まるので、みんな車に乗っている」と話しています。〝赤字だから減便したほうが儲かる〟〝除雪して走らせても赤字だから止めてしまおう〟――乗客の減少も自然に起こったわけではありません。
 公共交通機関である鉄道を民営化して「利益」を基準にしたことの失敗が明らかになっています。その矛盾を「廃線」「ワンマン化」「無人駅化」などで、地域住民や現場労働者に押しつけるなど許されません。

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2022年8月2日火曜日

日刊動労千葉 第9154号

国鉄闘争全国運動7・17全国集会
海外からの連帯メッセージ 【要旨】


韓国鉄道労組ソウル地本 チェミョンホ本部長

6月28日、雨が降る中、全国の鉄道労働者5千余名で集会を行い、大統領執務室までデモ行進を行いました。
私たちの核心的スローガンのうちの一つが、この20年間叫んできた民営化阻止です。このスローガンは、日本の同志たちが叫ぶ「新自由主義の撤廃」「解雇撤回」「労働弾圧粉砕」などと変わりないと考えます。
韓国では、今年5月ユンソンヨル政権がスタートしました。この政権は任期を新たにした新しい政権でもありますが、大統領だけ変わっただけで、以前の守旧保守勢力が再び執権したに過ぎません。この政権は、スタートするや「公企業民営化、労働時間延長および柔軟化、労働法改悪」などを推進しています。日本と同様に労働者民衆を弾圧し、搾取し、資本家の腹を肥やすためです。
私たちは7月2日、民主労総決意大会を組織しました。6月28日の鉄道労働者の集会と合わせて、この闘争を通してユンソンヨル政権と資本家たちに闘争を宣言する集会でした。
戦争をすれば、死に、破壊されるのは労働者民衆であり、労働者民衆の生存権です。構造調整し、富を蓄積するのは為政者たちと資本家だけであることを私たちは知っています。日本の同志たちと同様に私たちもすべての戦争に反対します。ウクライナ侵略戦争だけでなく、自衛隊の軍隊化も反対します。
最後に、同志たちの健康と闘争勝利を祈ります。トゥジェン!

6月28日、雨が降る中、全国の鉄道労働者5千余名で集会を行い、
大統領執務室までデモ行進


民主労総
ソウル地方本部 キムジノク本部長

新冷戦が本格化しています。米ー中、米ーロ強大国間の軍事的対決を含んだ覇権競争が本格化しています。東アジアでは、韓米日軍事同盟と日本の平和憲法改悪の企みとして表れています。韓国と日本の労働者民衆は戦争の危機を高める新冷戦に反対し、戦争反対、平和体制構築のために共に連帯しなければなりません。
全世界的に物価の高騰など、経済危機に直面しています。韓国の左派運動陣営では、経済危機に乗じた政権と資本の攻勢に守勢的阻止闘争にだけ止まるのではなく、社会大転換、体制転換運動を攻勢的に展開しようという声が上がっています。資本の危機を労働者民衆に転嫁するのを防ぐために闘いましょう。
労組弾圧粉砕、非正規職撤廃、ウクライナ侵略戦争阻止と反戦平和、平和憲法改悪反対、新自由主義を克服する代案社会をつくるその道に向かって、共に連帯し闘いましょう。トゥジェン!

 

台湾鉄道産業労働組合

 

 台湾政府は今年3月に鉄道会社化法案を強引に成立させ、私たちは営利追及の鉄道化に直面しています。 今年の初め、私たち産業労組は台湾鉄道労働者と一緒に、メーデーの日に全日をかけて、総統官邸に陳情に行きました。列車を止めて、各地より集まり、総統府前でデモをして、私たちの会社化反対の訴えを表明しました。
海外からの声援は、台湾鉄道労働者に国際連帯の力を与えました。闘争を継続させ、鉄道の安全と労働環境を守る力を与えました。私たちは台日の労働者の団結が、最終的には社会を変えることを信じます。ともに労働者のよりよい明日のために奮闘しましょう!

 

中国鉄道労働者連合会


 現在、中国鉄道も外注制と非正規職制を進めています。中国鉄道は国有企業で、再編して会社化され多くの鉄道労働者を失業させました。中国鉄道労働者の受けている不平等な待遇がありますが、いわゆる「法を以て国を治める」(という中国現政権の掲げるスローガン)によって、訴訟で解決しようとしても、その結果はさらに悲惨です。これが中国の国情です。

労働者の集会さえも禁止され、先進的な労働者による一切の活動は監視・監督に遭い、「616世界鉄道労働者デー」の活動に至ってはネット上のあらゆる宣伝もみんな遮断・削除・封鎖されました。「憲法」が規定する言論の自由はまったく実現されず、ますますひどくなっていっています。
私たちは国際団結が求められており、労働者の解雇、リストラ、労働強化、外注制と非正規職化攻撃に断固対決していかなければなりません。山河は異なった異国でも、同じ太陽と月が輝いています。全世界の労働者は団結しよう!
搾取もなく戦争もない社会環境を作り出すために奮闘しよう!

(「6・16世界鉄道労働者デー」に動労千葉に送る団結メッセージ)

 

2022年8月1日月曜日

日刊動労千葉 第9153号

検討会「提言」弾劾!
7/22国交省デモに起つ!

外房線と地域を守る会 第3回総会を開催


ローカル線を殺すな!廃線化・地域切り捨て反対!

国交省は7月25日、「鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会」における提言案を公表した。これに対して動労総連合は、14日の国交省申し入れ行動に続いて、22日正午から国交省に向けた霞が関デモを貫徹した。デモ参加者は、国交省正門前に移動し怒りの抗議行動を行った。抗議行動には支援する会、東京労組交流センター、さらに栃木や木更津の仲間もかけつけ、ワンマン化や地域切り捨てに対する怒りの声を国土交通省に叩き付けた。

国交省へ 霞が関デモ貫徹


国交省正門前

 

外房線と地域を守る会 第3回総会を開催

ワンマン運転拡大反対!検討会によるローカル線廃止絶対反対!

7月24日、勝浦市・キュステにおいて、外房線と地域を守る会の第3回総会が開催された。
総会は、コロナの影響で2年ぶりの開催となった。最初に藤平会長から、「昨年3月にワンマンが導入され、直後に乗客が骨折する事態が発生し、この原因究明に向けJRを追及してきた。そして今、国交省でローカル線見直し、廃止に向けた検討が行われている。ローカル線が廃止されたら地方の消滅になる。これを止めるためにも外房線と地域を守る会の存在と活動が重要だ」と力強く訴えが行われた。
その後、経過及び会計報告が行われ、続いて22年度活動方針案として、①ワンマン運転拡大に反対すること、②国交省検討会によるローカル線の廃線や公有民営化(上下分離)に反対すること、③JR駅の窓口廃止や無人化等の中止を求めること、④学生通学時の混み合うワンマン列車の両数増の実施等を求めていくことなどが提案された。

質疑応答での主な意見

・無人駅に列車の運行が分かるディスプレイの設置を要求してもらいたい。
・外房線の会の運動は、JRからすれば一市民団体としか見ていない。会の運動をもっと地域でアピールしてもらいたい。
・国交省検討会の内容を見た人はほとんどいないと思う。大変なことが起きようとしている。
・ローカル線の現状は、全て政府やJRの責任だ。検討会による廃線等の見直しも地元の了解なしには実施できない。自治体に嫌なことは嫌と言わせるための働きかけをする必要がある。

質疑への回答後、経過及び22年度方針案、予算案が一括で採択された。次に22年度役員として藤平会長をはじめ新規役員を含めて満場一致で確認され、外房線と地域を守る会総会は成功裡に終了した。

国交省・検討会の内容について学習会

総会に引き続き、「JRローカル線をめぐる現状と外房線」と題して、国交省検討会について学習会が行われ、検討会が最初から「出口論」として公有民営化等の結論があること、全ての責任を地方自治体に押しつける方向で検討されてることが報告され、今後、地方自治体に対する活動を強化することなどが議論された。

 

外注化阻止ニュース 第591号


地方鉄道の廃線化に向け提言
国交省検討会
輸送密度1日あたり千人未満の路線
「協議から3年で決着を」と主張

 国土交通省は2月、地方鉄道の廃線化に向けた検討会(鉄道事業者と地域の協働による地域モビリティの刷新に関する検討会)を発足させました。
 その検討会が7月25日、1㌔あたり1日の平均利用者が千人を下回る路線について、国と自治体、鉄道事業者が協議する仕組みを設け、3年以内に方針を決めるべきとの提言を公表しました(写真)。

西日本は4分の1が廃線の対象に

 この動きにあわせてJR西日本は今春、輸送密度2千人未満の路線の収支を公表しました。すべて廃止となれば西日本の4分の1の線路がなくなります。JR東日本も7月末に公表予定です。JR東日本では、29路線と50区間が輸送密度1000人未満とされます。
 1987年の国鉄分割・民営化の時以上の廃線化の動きが始まっています。地方鉄道の廃線が進めば、学校や病院に通うことも困難となります。

 千葉市民会館で7月17日、廃線問題などをテーマに集会が開催されました。内房線・外房線の問題に取り組む地元の議員の発言を紹介します。

◉館山市議・石井敏宏さん
 自分が現場で実感するのは鉄道は間違いなく必要だ。地方自治体にやれと言っても無理、そう言った瞬間に、もう廃止されバスだけになり、街づくりの核がなくなる。もしJRでは鉄道を維持できないなら国有でやるべきだ。

◉いすみ市議・元吉栄一さん
 JRは株主に配当を出す余裕があるのに、国交省と一緒になって赤字路線対策を地方自治体に押し付け、儲かるところだけで商売しようとしている。これと対抗するために、沿線の市・町、利用者、動労千葉や国労と共に活動を行っている。
 JR東日本の幹部の不祥事が報じられたが副社長の処分は月額1割を1カ月返上だけ。第一線で働く社員には厳しく幹部には大甘だ。地方自治体や弱者には向かず株主ばかり向いていて、それに国交省が手を貸すように見える。これでよいのか。外房線と地域を守るために皆さんと共に闘う。

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