最高裁の上告棄却決定を徹底弾劾し、勝利するまで闘い抜く
2011年6月9日
鉄建公団訴訟原告団
国労旭川闘争団 成田昭雄
国労鳥栖闘争団 石﨑義德
国労小倉闘争団 羽廣 憲
鉄建公団訴訟弁護団
(一)
昨2010年4月9日の「政治和解」を拒否して鉄建公団訴訟を継続して闘いぬいてきた成田・石﨑・羽廣の3原告に対して、最高裁判所は6月7日、上告棄却の決定を下した。
鉄建公団訴訟原告団と同弁護団は、この最高裁の上告棄却決定を徹底的に弾劾する。
(二)
4.9「政治和解」と6.28「裁判上の和解」をのりこえて鉄建公団訴訟を継続した3原告と新・弁護団は、昨年9、10、12月の3回にわたり、3原告の陳述書、上告理由補充書(2通)そして一審被告である鉄道運輸機構側の上告理由書等への反論の計数百ページにのぼる書面を提出した。
弁護団が新たな観点から展開した、国鉄改革法(とりわけ23条)は違憲であるという主張に対して、最高裁はこれを正面からとりあげることから逃げ、「上告審として受理しない」との門前払いの決定を下したのである。
(三)
最高裁が、この6月7日に上告棄却決定を下してきた理由は明らかである。
この2日前の6月5日、国鉄闘争全国運動の全国集会が1780人の大結集でかちとられた。最高裁はこの集会の前に決定を下すことができなかった。闘いの火に油を注ぐことになるのを恐れたからだ。
現在、3.11東日本大震災と福島第一原発事故に対する労働者人民の怒りが激しく噴出し、反失業と反原発の闘いが一体となって日ごとに盛り上がってきている。ここで、権力は、解雇撤回、国鉄分割・民営化絶対反対の闘いを24年間、不屈に闘いぬいてきた鉄建公団訴訟原告団がその闘いの牽引車となることを心底から恐怖し、鉄建公団訴訟そのものをなきものにしようとしたのである。
そして、7月末には国労の定期全国大会が予定されている。そこにおいて、国労闘争団員から組合員資格を剥奪し、彼らを国労から排除する規約改定が強行されようとしている。この策動と軌を一にするものとして最高裁の上告棄却決定がある。
(四)
最高裁はかつて1986年の国鉄改革法の制定にあたって、江見弘武・最高裁調査官を国鉄総裁室法務課調査役に出向させた。江見は葛西敬之(現・JR東海会長)と一体となって同法の核心条項である23条をつくりだした。その功により、江見は高松高裁長官退官後、JR東海監査役に就任している。
また最高裁は2003年12月22日、各地の労働委員会が出した国労闘争団員らの救済命令を取り消す判決を下し、1047名解雇の責任はJRにないことを法的に確定させた。
福島原発事故をとおして、全国各地の原発に対する住民訴訟を、2件を除いてことごとく退けてきた裁判所が「政府と東電ら資本家の番犬」であることが明らかになっている。
今回の上告棄却決定も、国鉄分割・民営化反対、1047名解雇撤回の闘いに敵対し、圧殺するために一貫して立ち回ってきた最高裁の反労働者性・反動性を浮き彫りにするものである。
鉄建公団訴訟原告団と同弁護団は最高裁の上告棄却決定をはね返し、階級的労働運動の力と団結を軸にして、今後も1047名解雇撤回闘争を貫きとおし、勝利するまで闘うことを断固として宣言する。