2011年7月31日日曜日

「フクシマ―労働運動と原子力の教訓」

サンフランシスコのレーバーフェスタの一環として、7月16日に行われたティーチイン、「フクシマ――労働運動と原子力の教訓」の中でのシンディー・シーハンさんの発言

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 私は来月、日本に行きます。8月6日は広島です。その日アメリカは、言語道断なことをしました。市民に対して原爆を使いました。数日後には長崎にも原爆を落としました。いまだに悔恨の情を示していません。
 それから沖縄に行きます。多数の米軍基地があります。基地がある所では犯罪が多く発生します。
 米軍基地は汚染物質を垂れ流します。「汚染」という言葉では足りません。環境を荒廃させのです。サンフランシスコ湾岸地域でも、オークランド、リッチモンドなどで米軍、軍産複合体による汚染が起こっています。
 企業は、人間より利潤を重視し、恐るべき破滅を引き起こしています。
 メキシコ湾ではBPはメキシコ湾で数百万ガロンを流出させる恐るべき事故を起こして、地域の住民を今も殺し続けていますが、石油流出が始まってから今にいたるも賠償していません。BPはもう汚染除去をやっていません。それが新自由主義、資本主義です。
 同じことが、世界中でおこっています。先週私が行ったイタリアでもそうでした。
 私は、日本で広島、長崎、沖縄、東京を回るのですが、最初の広島の日、8月6日は、私がクロフォードに行った日でもあります。(ブッシュに「私の息子がそのために死んだという『崇高な大義』とは何か」を問うためにシーハンさんが行ってキャンプを張ったクロフォードが当時、反戦運動の全米的な焦点になった)そこに来た広島の被爆者と出会いました。
 これは国際的な新自由主義に対する闘いです。
 新自由主義は、非常に巨大な貧富の格差をもたらしました。「アメリカは世界一だ」「世界一だ」とよくいわれますが、貧富の格差だけは、その通りですね。
 アメリカには、他のどの工業国より大きな貧富の格差があります。
 貧富の格差が拡大している主要な原因は――アメリカだけではなく世界中の現象ですが――労働運動がブルジョア政党と癒着していることです。
 〔共和党知事の労働組合破壊攻撃に対する激しい闘争が行われている〕ウィスコンシン州では、労組指導部は、それを共和党議員に対するリコール運動に集約しようとしています。しかしランク&ファイルの労働者は非常に怒っていて、熱心に闘っています。そういうブルジョア的政治ゲームに参加するよりも、ゼネストを呼びかけるべきであるという声が高まっています。労組幹部こそリコールされるべきです。
 ここカリフォルニアには民主党の知事になって、300億㌦の予算カット、賃下げと社会サービスのカット行われようとしています。
 カリフォルニアの億万長者に税金をかけないのです。
 オバマは、2008年10月に、他の民主党議員たちを引きずりこんで8500億㌦の銀行救済資金投入を支持させました。
 オバマ就任後2年たってますます明らかになったことは、彼が「平和を推進する大統領候補」の顔をして票を集めながら、実際には戦争を拡大したことです。そして失業が増え、住宅差し押さえが激増したことです。オバマは、みなさんから金をむしりとろうとしています。子ども、孫、父母、祖父母からも。
 オバマは、ブッシュさえできなかったこともやろうとしています。ソーシャル・セキュリティー(ニューディール期以来の連邦老齢・遺族・障害者年金制度)の破壊です。
 若者は、オバマの略奪者階級の利潤追求のための戦争の犠牲になり、高齢者の食料、医療、住居、暖房を犠牲にしています。学生は高等教育を奪われています。
 恐るべき社会にしようとしているのです。
 ここには、海外からの参加者に来ていますが、以前から、他の国の人は、アメリカのことを良く知っていました。われわれだけが、アメリカのことを知らなかっただけです。この国では「アメリカは『階級がない社会』で、誰でも富と特権を獲得するための同じ機会が与えられている」と教育され、育てられてきました。福祉に依存するのは怠け者なのだと。しかし、そうなるのは個人の問題ではありません。体制が問題なのです。
 労働者へのこれ以上の攻撃を許容するわけにはいきません。階級戦争には、反撃しなければならなりません。この階級戦争のために、「労働者階級のルネッサンス」が必要です。ブルジョア政党が抑圧しても、労働運動指導部が抑圧しても、労働運動ルネッサンスを実現する力がわれわれにはあります。われわれが闘う戦争は、階級戦争だけです。われわれは反撃します。