2017年9月14日木曜日

外注化阻止ニュース 第337号

http://www.doro-chiba.org/ga/gaityuuka337.pdf


フランスの労働法改悪
40万人が抗議行動

残業代ゼロと残業100時間合法化の「働き方改革法案」

 フランス各地で9月12日、マクロン政権による労働法改悪に反対する大規模な抗議行動が闘われました。フランス労働総同盟(CGT)が 4000のストライキと180箇所の抗議行動を呼びかけ、約40万人が参加しました。
 昨年11月に就任したマクロン大統領は、〝労働市場改革〟を最大の課題とし、労働組合の各団体を個別にエリゼ宮(大統領官邸)に呼びつけ、労働法改悪への協力を要求しました。

 マクロン政権の労働法改悪は、
1 企業が職場で労働問題に関する社員投票を実施することを可能にし、労使で個別に決めた、労働法を下回る労働条件についても効力を与える
2 現在は、フランスでは解雇について裁判所による証明が必要だが、この手続きを簡素化し、さらには不当解雇と判断された場合に支払う賠償額にも上限を設ける
――などが柱となっています。 

 8月31日に改悪案の詳細が公表され、CGTは「これは政府からの宣戦布告だ」と表現し、ゼネストを宣言していました。
 この問題をめぐりマクロンの支持率は急落していますが、フランス議会はマクロン与党(共和国前進)が過半数を占める状況で、議会の採決を通さずに法令が発布できる仕組みによって9月下旬にも労働法改悪を強行しようとしているのです。これに対して再度の大規模行動が呼びかけられています。

安倍政権「働き方改革一括法案」

 安倍政権が9月末の臨時国会に提出を狙う「働き方改革一括8法案」は、「生産性向上」の柱を立て雇用政策の全面転換を狙うものです。
 ①残業代ゼロ制度の新設と裁量労働制の拡大+過労死ライン(80時間)を超える残業100時間の合法化
 ②雇用対策法の目的に「労働生産性の向上」と「多様な就業形態の普及」を加えて非雇用型の働き方やダブルジョブなどを拡大する
 ―など、雇用と労働条件を破壊しながら生産性向上に労働者を動員していく内容です。労働法をまるで「お国のために死ぬまで働け」というものに転換するものなのです。

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