2019年10月24日木曜日

外注化阻止ニュース 第450号

https://www.doro-chiba.org/ga/gaityuuka450.pdf


治水・地方 切り捨てが被害拡大
台風19号
ダム万能論で元遊水池に新幹線基地

 台風19号は、82人の命を奪い、11人が行方不明となり、被害は拡大しています。川の堤防決壊は71河川135か所、土砂災害は20都県で482件。住宅の浸水被害は6万2000棟に上ります。水道や送電網も寸断され、停電や断水も続いています。
 北陸新幹線は長野車両センターが浸水して120両が水没しました。脱ダム宣言をした田中康夫知事の後に浅川ダム建設が強行され、ダム万能論で元は遊水池であった場所(地名は赤沼。長野市のハザードマップの浸水予想は最大10㍍)に新幹線車両基地をつくったのです。


 電気や上下水道、道路や橋、トンネルや河川など高度経済成長期に整備されたインフラが老朽化しているにも関わらず、保守・管理に予算が回らず、公務員も削減されてきたことが事態を深刻にしました。
 治水予算は十数年前に2兆2千億円以上だったのが現在は約9千億円です。
 河川管理を担う国土交通省の地方整備局職員も十数年で約2割減となり、地方によっては半数が非正規職員に置き換えられています。

再び「大水害頻発時代」に

 1945年の敗戦から59年の伊勢湾台風までの時代は「大水害頻発時代」と呼ばれています。
 戦争によって国土が荒廃し、防災体制が後退し、自然災害の拡大を招きました。軍事材として山林の乱伐を行ったため山野が保水力を失い、治水予算が戦費に回されたところを台風が襲ったのです。
 伊勢湾台風を機に災害対策基本法が制定され、高度経済成長と共に堤防などの国土整備が進み、災害による被害は激減しました。
 しかし近年再び台風などによる被害が甚大になっています。台風の巨大化やゲリラ豪雨の頻発など気候変動はありますが、防災予算や要員が削られ、社会インフラが老朽化し、外注化や非正規化で技術や経験の蓄積・継承も困難になったことが背景にあります。


 JR東日本も同じです。千葉支社内の保線区・管理所が28カ所から6カ所に削減され、地方線区の徒歩巡回も外注化され、線路保守を放棄した状況になっています。
 保守体制の抜本的見直しを要求し、外注化に反対しよう。

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