動労総連合申第12号 「ミライ構創」JR本社団交
検修職場の将来像、水平分業―出向の構想について追及
検修職場の将来像、水平分業―出向の構想について追及
動労総連合は昨年12月16日、「ミライの車両サービス&エンジニアリング構創」に関して申第12号に基づくJR本社団体交渉を行った。
「ミライ構創」の時間軸
組合 「ミライ構創」では水平分業が打ち出されている。
会社 変革2027は施策を予め社員に出し、様々な意見を取り入れて進めるスタンス。その一環だ。
組合 どういう時間軸なのか?
会社 基本的にまだ構想段階。新たな技術を入れるなら車両投入も必要だが5年~10年の話になる。委託についても、できるとなったら各地方で示していく。
組合 「今後10年で基盤づくり」とあるが、基盤とは何か?
会社 技術進展で機械に置き換えられる業務は置き換えていく。お金や技術進展、安全確保など様々な壁がある。その土台作りだ。
組合 「AI導入」のスパンは?
会社 この10年間の中で技術的な検証も含めて基盤作りだ。
「鉄道事業者としての業務」
組合 水平分業で「鉄道事業者としての業務」はJR、「現場に直結する業務」はグループ会社とある。
会社 グループ会社の業務も今後、機械化等を進める。どの業務がグループ会社かは明確でない。現在グループ会社に委託している業務は引き続きグループ会社で行う。
組合 「鉄道事業者として維持すべき業務」にかかれている「将来計画策定」は本社・支社部門か?
会社 本社・支社部門もあるが、現場の企画部門、総合車両センターの計画担当、現場も含めた部分もある。主には支社・本社だ。
組合 品質保証、故障防止もそうか。
会社 現場の技官でも行っている。必ずしも支社・本社ではない。
組合 検査計画、規定の見直しは?
会社 検査計画は現場で考えている部分がある。総セであれば入出場などだ。規定の見直し等は全社的なもので国との関係性があり、本社・支社が大きい。
組合 検査業務(出場検査)は何を指すのか? 工場から出るときの最終判断の部分か?
会社 そうだ。最終的に車両が使えるかどうかの判断はJRで見るべきという考えだ。
組合 現行のJRの業務として「新機軸」「一重系、重要機器」とある。新機軸は一部JR、一部グループ会社のような図だ。
会社 新造車両等のJR側の技術習得は必要だ。すぐグループ会社でとはならない場合もある。従前と同様ならグループ会社で行う。
組合 JR側の技術習得後には委託を進めるということか。
会社 そうだ。
組合 一重系は委託する図だが、グループ会社でできないとなったらJRに戻す考えはあるのか?
会社 機械化の中でグループ会社で行っていたものをJR本体で行う場合も出てくると思う。
「人手をかけないメンテナンス」
組合 コンセプトとして人手をかけないメンテナンスとある。
会社 機械に任せられるものは機械に任せていく。例えば、自動清掃やCBMなど。「人ならではの業務」もある。基本的に新たな技術は取り入れる。できなければ人の力でメンテナンスをしていく。
組合 次世代システムとは何か?
会社 例えば235系等のモニタリング装置を搭載した車両がそうだ。蓄積したデータをどう使うかなど、まだ開発段階ではある。
組合 経験も重要だ。現場で何年もやって技術は習得できる。会社の技術継承とはどういう考えか。
会社 長年の経験を否定するつもりはない。そういう技術継承は引き続き行っていく。システムに任せられるものは任せていく。
「技術、知見は外部」
組合 「社員の成長マップ」では、「技術力」「思考力」「創造力」がグループ会社側にだけ書かれている。
会社 3つの力の必要性はJRもグループ会社も同じだ。表記した場所だけで特段の意図はない。
組合 変革2027では鉄道の技術、知見は外部にあるという書き方だった。一定はJRに持つとしても、ほとんどはグループ会社、外部に置くという意味に取れる。
会社 外部の労力・技術をいかに当社に取り入れてシステム化・機械化を進めるかという考えはある。
組合 水平分業、業務委託は労働者の処遇にも関わる。
会社 当社社員は制度的に施策で大きく変わらないと考えている。現行のままだ。
組合 ならば台車関係は現行でJR側だ。それも変わらないのか?
会社 将来的に台車業務も委託という判断になれば、各地方でそう示していく。
組合 「変革2027」で将来像として、「本社、支社、各技術系の職場」からエリアごとに分割される図があった。そこに新幹線、工事区、車両センターの3つが書かれていた。新幹線は統括本部ができて全社的にやるとなった。車両センターはなぜエリアごとにならずに書かれているのか。
会社 システム化、機械化を進め、JR本体の業務が少なくなっていく。それに伴い組織も見直す。具体的にはこれからだ。
今後も「外注化・出向」なのか?
組合 「変わらない」といったが、今後も業務委託に伴ってJR本体から出向させるということか?
会社 現行の出向と「ミライ構創」は別の考えだ。本構想は様々な機械化、グループ会社と本体との水平分業を進めるということだ。
組合 それを現場で支えるのは労働者だ。その扱いがどうなるのか。将来の出向等がどうなるのか。
会社 具体的に決まっていない。現在の出向者についても検討する。
組合 「人手をかけない」と言っても労働者が必要なことは現実だ。将来設計はどうなるのか。10年出向になると考えている人もいる。
会社 グループ会社で技術継承する人もいるし、グループ会社からJR本体に来てグループ会社のことを伝えることもある。どういう業務が何年出向するのかなど具体的考えは、今のところない。
組合 12年10月、検修業務の外注化・委託を行った。10年で出向解除と会社は主張した。8年目だが今のグループ会社の技術の習得具合などの認識はどうか。
会社 委託当初は様々な問題があったが、ある程度のレベルが定着している。
組合 グループ会社で独自に業務の処理ができるという考えか?
会社 そうだ。
「これからの社員像」
組合 基礎技術教育から直接検査業務に配属される場合がある。現場が外注化され経験できる範囲が非常に狭まっている。
会社 人材育成は各総セの中で行われている。いろいろな経験をしてもらい様々な業務についてもらうのが基本スタンスだ。業務委託しているが、JR本体として様々な経験ができる。
組合 現場と遮断されれば検査業務の技術力が低下する。
会社 新入社員を育成する上で様々な経験をしてもらいたい。基本的に各総セの中で育成をしていくものだ。
組合 これからの社員像で、特に「今後強化すべき力」としてデータサイエンス力、データエンジニアリング力、システム系メーカーとの技術習得、ロボットエンジニアリング力、ラインエンジニアリング力、車両・製造系メーカーとの技術習得とある。
会社 新たなメンテナンスをしていく上で必要な技術はシステム系メーカーや車両・製造系メーカーに出向して習得する場合もある。データを分析する力、分析方法を変えていく力、機械化やロボット化したときに取り扱う力、それを変化させていく力といった意味だ。今後こういう社員になってもらいたいという思いを示した。
今後の採用について
組合 採用についてはどうか。
会社 採用環境は厳しいが業務に必要な数は採用していく。
組合 千葉への配置は前年度、今年度と社会人を含めても2~3人だ。本当に技術継承を維持できるのか。現場では会社はやる気がないと言われる状況だ。
会社 少人数でも技術力を低下させてはならないと考えている。
組合 本社として車両研修に関わる新規採用、社会人採用は年間どのくらいなのか。
会社 年間100人前後だ。現行の採用数を維持する考えだ。
組合 グループ会社の採用が厳しいことは承知しているか。
会社 一定は採用できている。厳しいという現状も聞いている。
組合 将来的には水平分業を進め、基本的にグループ会社に業務を回す構想が出されている。そうするとJR本体からの出向が続くのではないか。
会社 JR本体も採用は厳しい状況だ。機械化等で少人数でできる体制を作りたい。
「モニタリング装置」
組合 現場感覚でいうと、ATSは車上子から電波を拾ってやり取りするが、故障が多い。スマートメンテナンスでは電波等でのやり取りがメインになる。大丈夫かというイメージだ。
会社 技術開発が必要な部分もある。検証した上で使用していく。
組合 山手線で実際にデータ取りをやっている。それを活用して出動した実績はあるのか。
会社 この場で具体的な数字は回答できない。ある程度データで現車を見る機会はあると思う。
「どこでも機能保全」
組合 「どこでも機能保全」とはどういうものか。
会社 2つ以上の車両センターで運用している場合など、よりタイムリーに検査ができるようにしたい。CBMはあくまで一つの手段だ。それを含めてタイムリーな検査をする。検査の規定は国にも届け出ており守る。
組合 人や場所の確保が必要だ。
会社 運用について具体化するのはこれからだ。あくまで概念的なところを示した。
組合 構内の入換業務は、一本検修線に入れるにしても、入れる順番が決まっていて全体との調整が必要だ。事故の大半が構内で起こる。直近でここに行けとなると無理がかかる。事故の要素が大きくなる。
会社 今後検証し施策を進める。
「マルチ検修ライン」
組合 「マルチ検修ライン」とはどういうものか?
会社 車両を編成状態のまま一括で上げて検査できる設備だ。
組合 他企業でやっているか?
会社 西日本や北海道の函館総合車両センターなどだ。
組合 何両程度で行っているか?
会社 西日本は長いところで8両、函館は10両を短く切って2、3両単位だと聞いている。
組合 今の車両セ等に作るのか。別の場所に作るのか。
会社 現状は新たに設備を整える場所は難しい状況だ。輸送体系が変わるなどすれば、考え方が変わることもありうる。
組合 現状の設備の通路は基本的に狭いが、改良工事をやりながら検査を進めるのか。
会社 まだ決まっていない。
組合 旧津田沼電車区の検修庫や東所沢に車両の留置スペースにモデルを作るという話がある。
会社 それも一つの考えだ。メンテナンス近代化、車両セ統合等、全体を見て検証している。基地再編についても示せる段階になれば各地方で示していく。
組合 基地再編と「ミライ構創」は並行する関係か?
会社 「ミライ構創」もだが、今後の車両投入計画やホームドア、ワンマンなどすべての施策に全てが絡んでくる。
「車両基地再編」について
組合 秋田総セは秋田車両セと統合となっている。理由は何か?
会社 車両数も減り、新型車両で手がかからなくなってきている。2つより統合したほうが良いとなればそうする。それが車両セか総セかは検証していく。
組合 郡山総セは「短編成ステンレス車両」「入場レス」とある。短編成ステンレス車両の部品をやるという意味か?
会社 そう。基本的な役割になる。
組合 郡山総セの担当の東北は、ほぼ短編成ステンレス車両しかなくなるだろうということか?
会社 そうだ。
組合 今やっている勝田の特急は入らないということか?
会社 役割分担として最終的にこうだろうということで示した。
新型車両投入―ワンマン化
組合 車両関係ではワンマンとも関係する。131系を千葉に入れる計画があるのか?
会社 様々な車両投入計画の一環として、どの線区に入れる等は検証中だ。房総地区に入れることも、検証の中であり得る話だ。
組合 ワンマンの検証とはどういうものか?
会社 利用状況などを踏まえ、適切な両数か、ワンマンで対応できるかなどだ。
組合 将来的には東日本全体という考えか?
会社 出来るかどうかは別だが、どういう問題があるか、どういう機器を設置すべきか等の検証はすべての線区で行っている。
組合 郡山総セの将来に気動車が入っていない。車両製造、エンジン製造等を維持する考えか?
会社 今後変わっていく。
組合 業務外注化とそれに伴う出向については反対だ。技術はJR本体で持って、そこで働く労働者の環境も整えるべきだ。
(以上)
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「ミライ構創」の時間軸
組合 「ミライ構創」では水平分業が打ち出されている。
会社 変革2027は施策を予め社員に出し、様々な意見を取り入れて進めるスタンス。その一環だ。
組合 どういう時間軸なのか?
会社 基本的にまだ構想段階。新たな技術を入れるなら車両投入も必要だが5年~10年の話になる。委託についても、できるとなったら各地方で示していく。
組合 「今後10年で基盤づくり」とあるが、基盤とは何か?
会社 技術進展で機械に置き換えられる業務は置き換えていく。お金や技術進展、安全確保など様々な壁がある。その土台作りだ。
組合 「AI導入」のスパンは?
会社 この10年間の中で技術的な検証も含めて基盤作りだ。
「鉄道事業者としての業務」
組合 水平分業で「鉄道事業者としての業務」はJR、「現場に直結する業務」はグループ会社とある。
会社 グループ会社の業務も今後、機械化等を進める。どの業務がグループ会社かは明確でない。現在グループ会社に委託している業務は引き続きグループ会社で行う。
組合 「鉄道事業者として維持すべき業務」にかかれている「将来計画策定」は本社・支社部門か?
会社 本社・支社部門もあるが、現場の企画部門、総合車両センターの計画担当、現場も含めた部分もある。主には支社・本社だ。
組合 品質保証、故障防止もそうか。
会社 現場の技官でも行っている。必ずしも支社・本社ではない。
組合 検査計画、規定の見直しは?
会社 検査計画は現場で考えている部分がある。総セであれば入出場などだ。規定の見直し等は全社的なもので国との関係性があり、本社・支社が大きい。
組合 検査業務(出場検査)は何を指すのか? 工場から出るときの最終判断の部分か?
会社 そうだ。最終的に車両が使えるかどうかの判断はJRで見るべきという考えだ。
組合 現行のJRの業務として「新機軸」「一重系、重要機器」とある。新機軸は一部JR、一部グループ会社のような図だ。
会社 新造車両等のJR側の技術習得は必要だ。すぐグループ会社でとはならない場合もある。従前と同様ならグループ会社で行う。
組合 JR側の技術習得後には委託を進めるということか。
会社 そうだ。
組合 一重系は委託する図だが、グループ会社でできないとなったらJRに戻す考えはあるのか?
会社 機械化の中でグループ会社で行っていたものをJR本体で行う場合も出てくると思う。
「人手をかけないメンテナンス」
組合 コンセプトとして人手をかけないメンテナンスとある。
会社 機械に任せられるものは機械に任せていく。例えば、自動清掃やCBMなど。「人ならではの業務」もある。基本的に新たな技術は取り入れる。できなければ人の力でメンテナンスをしていく。
組合 次世代システムとは何か?
会社 例えば235系等のモニタリング装置を搭載した車両がそうだ。蓄積したデータをどう使うかなど、まだ開発段階ではある。
組合 経験も重要だ。現場で何年もやって技術は習得できる。会社の技術継承とはどういう考えか。
会社 長年の経験を否定するつもりはない。そういう技術継承は引き続き行っていく。システムに任せられるものは任せていく。
「技術、知見は外部」
組合 「社員の成長マップ」では、「技術力」「思考力」「創造力」がグループ会社側にだけ書かれている。
会社 3つの力の必要性はJRもグループ会社も同じだ。表記した場所だけで特段の意図はない。
組合 変革2027では鉄道の技術、知見は外部にあるという書き方だった。一定はJRに持つとしても、ほとんどはグループ会社、外部に置くという意味に取れる。
会社 外部の労力・技術をいかに当社に取り入れてシステム化・機械化を進めるかという考えはある。
組合 水平分業、業務委託は労働者の処遇にも関わる。
会社 当社社員は制度的に施策で大きく変わらないと考えている。現行のままだ。
組合 ならば台車関係は現行でJR側だ。それも変わらないのか?
会社 将来的に台車業務も委託という判断になれば、各地方でそう示していく。
組合 「変革2027」で将来像として、「本社、支社、各技術系の職場」からエリアごとに分割される図があった。そこに新幹線、工事区、車両センターの3つが書かれていた。新幹線は統括本部ができて全社的にやるとなった。車両センターはなぜエリアごとにならずに書かれているのか。
会社 システム化、機械化を進め、JR本体の業務が少なくなっていく。それに伴い組織も見直す。具体的にはこれからだ。
今後も「外注化・出向」なのか?
組合 「変わらない」といったが、今後も業務委託に伴ってJR本体から出向させるということか?
会社 現行の出向と「ミライ構創」は別の考えだ。本構想は様々な機械化、グループ会社と本体との水平分業を進めるということだ。
組合 それを現場で支えるのは労働者だ。その扱いがどうなるのか。将来の出向等がどうなるのか。
会社 具体的に決まっていない。現在の出向者についても検討する。
組合 「人手をかけない」と言っても労働者が必要なことは現実だ。将来設計はどうなるのか。10年出向になると考えている人もいる。
会社 グループ会社で技術継承する人もいるし、グループ会社からJR本体に来てグループ会社のことを伝えることもある。どういう業務が何年出向するのかなど具体的考えは、今のところない。
組合 12年10月、検修業務の外注化・委託を行った。10年で出向解除と会社は主張した。8年目だが今のグループ会社の技術の習得具合などの認識はどうか。
会社 委託当初は様々な問題があったが、ある程度のレベルが定着している。
組合 グループ会社で独自に業務の処理ができるという考えか?
会社 そうだ。
「これからの社員像」
組合 基礎技術教育から直接検査業務に配属される場合がある。現場が外注化され経験できる範囲が非常に狭まっている。
会社 人材育成は各総セの中で行われている。いろいろな経験をしてもらい様々な業務についてもらうのが基本スタンスだ。業務委託しているが、JR本体として様々な経験ができる。
組合 現場と遮断されれば検査業務の技術力が低下する。
会社 新入社員を育成する上で様々な経験をしてもらいたい。基本的に各総セの中で育成をしていくものだ。
組合 これからの社員像で、特に「今後強化すべき力」としてデータサイエンス力、データエンジニアリング力、システム系メーカーとの技術習得、ロボットエンジニアリング力、ラインエンジニアリング力、車両・製造系メーカーとの技術習得とある。
会社 新たなメンテナンスをしていく上で必要な技術はシステム系メーカーや車両・製造系メーカーに出向して習得する場合もある。データを分析する力、分析方法を変えていく力、機械化やロボット化したときに取り扱う力、それを変化させていく力といった意味だ。今後こういう社員になってもらいたいという思いを示した。
今後の採用について
組合 採用についてはどうか。
会社 採用環境は厳しいが業務に必要な数は採用していく。
組合 千葉への配置は前年度、今年度と社会人を含めても2~3人だ。本当に技術継承を維持できるのか。現場では会社はやる気がないと言われる状況だ。
会社 少人数でも技術力を低下させてはならないと考えている。
組合 本社として車両研修に関わる新規採用、社会人採用は年間どのくらいなのか。
会社 年間100人前後だ。現行の採用数を維持する考えだ。
組合 グループ会社の採用が厳しいことは承知しているか。
会社 一定は採用できている。厳しいという現状も聞いている。
組合 将来的には水平分業を進め、基本的にグループ会社に業務を回す構想が出されている。そうするとJR本体からの出向が続くのではないか。
会社 JR本体も採用は厳しい状況だ。機械化等で少人数でできる体制を作りたい。
「モニタリング装置」
組合 現場感覚でいうと、ATSは車上子から電波を拾ってやり取りするが、故障が多い。スマートメンテナンスでは電波等でのやり取りがメインになる。大丈夫かというイメージだ。
会社 技術開発が必要な部分もある。検証した上で使用していく。
組合 山手線で実際にデータ取りをやっている。それを活用して出動した実績はあるのか。
会社 この場で具体的な数字は回答できない。ある程度データで現車を見る機会はあると思う。
「どこでも機能保全」
組合 「どこでも機能保全」とはどういうものか。
会社 2つ以上の車両センターで運用している場合など、よりタイムリーに検査ができるようにしたい。CBMはあくまで一つの手段だ。それを含めてタイムリーな検査をする。検査の規定は国にも届け出ており守る。
組合 人や場所の確保が必要だ。
会社 運用について具体化するのはこれからだ。あくまで概念的なところを示した。
組合 構内の入換業務は、一本検修線に入れるにしても、入れる順番が決まっていて全体との調整が必要だ。事故の大半が構内で起こる。直近でここに行けとなると無理がかかる。事故の要素が大きくなる。
会社 今後検証し施策を進める。
「マルチ検修ライン」
組合 「マルチ検修ライン」とはどういうものか?
会社 車両を編成状態のまま一括で上げて検査できる設備だ。
組合 他企業でやっているか?
会社 西日本や北海道の函館総合車両センターなどだ。
組合 何両程度で行っているか?
会社 西日本は長いところで8両、函館は10両を短く切って2、3両単位だと聞いている。
組合 今の車両セ等に作るのか。別の場所に作るのか。
会社 現状は新たに設備を整える場所は難しい状況だ。輸送体系が変わるなどすれば、考え方が変わることもありうる。
組合 現状の設備の通路は基本的に狭いが、改良工事をやりながら検査を進めるのか。
会社 まだ決まっていない。
組合 旧津田沼電車区の検修庫や東所沢に車両の留置スペースにモデルを作るという話がある。
会社 それも一つの考えだ。メンテナンス近代化、車両セ統合等、全体を見て検証している。基地再編についても示せる段階になれば各地方で示していく。
組合 基地再編と「ミライ構創」は並行する関係か?
会社 「ミライ構創」もだが、今後の車両投入計画やホームドア、ワンマンなどすべての施策に全てが絡んでくる。
「車両基地再編」について
組合 秋田総セは秋田車両セと統合となっている。理由は何か?
会社 車両数も減り、新型車両で手がかからなくなってきている。2つより統合したほうが良いとなればそうする。それが車両セか総セかは検証していく。
組合 郡山総セは「短編成ステンレス車両」「入場レス」とある。短編成ステンレス車両の部品をやるという意味か?
会社 そう。基本的な役割になる。
組合 郡山総セの担当の東北は、ほぼ短編成ステンレス車両しかなくなるだろうということか?
会社 そうだ。
組合 今やっている勝田の特急は入らないということか?
会社 役割分担として最終的にこうだろうということで示した。
新型車両投入―ワンマン化
組合 車両関係ではワンマンとも関係する。131系を千葉に入れる計画があるのか?
会社 様々な車両投入計画の一環として、どの線区に入れる等は検証中だ。房総地区に入れることも、検証の中であり得る話だ。
組合 ワンマンの検証とはどういうものか?
会社 利用状況などを踏まえ、適切な両数か、ワンマンで対応できるかなどだ。
組合 将来的には東日本全体という考えか?
会社 出来るかどうかは別だが、どういう問題があるか、どういう機器を設置すべきか等の検証はすべての線区で行っている。
組合 郡山総セの将来に気動車が入っていない。車両製造、エンジン製造等を維持する考えか?
会社 今後変わっていく。
組合 業務外注化とそれに伴う出向については反対だ。技術はJR本体で持って、そこで働く労働者の環境も整えるべきだ。
(以上)
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