2020年9月23日水曜日

闘いなくして安全なし No.277


『選択』9月号
「社友会を擬似労組」は限界
職場に合理化攻撃と闘う労働組合を


 JR東日本は9月16日、21年3月期「純損失4180億円」の業績予想を発表し、民営化以降初の赤字となる見通しを公表しました。
 今年度1500億円のコスト削減に加え、来年度以降、「もう一段の固定費削減、維持更新投資の見直し」と打ち出しています。ワンマン運転の拡大、自動運転、スマートメンテナンスなどの推進を掲げ、これまでの乗務員のあり方を根本から覆す攻撃を始めようとしています。

社友会ではなく闘う労働組合を

 しかし、会社側も決して思い通りに進んでいるわけではありません。雑誌『選択』では、JRにおける労組解体攻撃の現状について次のように書かれています。

会社側は当初、最大勢力である社友会を擬似労組として扱い、労使関係を正常化しようと目論んでいた。しかし実際には権限が明確でない任意団体の社友会相手では限界があることが露呈している。

 会社の狙いは、労働組合を一掃して社友会による職場支配を確立することでした。労働組合の存在と現場労働者の団結が、攻撃の核心である労働者の雇用・権利破壊を止める最大の力だからです。
 職場に闘う労働組合を取り戻し、団結して反撃にたつことこそ、会社の合理化攻撃と対決して鉄道の安全を守り、雇用と権利も守る道です。

「医療は社会保障」のストライキ

 コロナ禍で「医療崩壊」が叫ばれる中、「医療を社会保障として取り戻そう」と訴え船橋市の病院で7月にストライキが決行されました。
 〝「病院が潰れたら地域への責任が果たせない」「労働者が働く場所がなくなり路頭に迷うだろう」と脅され、「我慢は仕方がない」とおさえつけられてきた〟
 〝ムチに応える程、ますます我慢を強いられ、ボーナスは転がり落ちる勢いで激減し、病棟閉鎖、医療崩壊を招くほどの大量離職が起きた〟
 〝医療労働者は文字通り命がけで、治療や感染予防に努めた。なぜ、「コロナ減収」の補填に労働者の賃金が注ぎ込まれなければならないのか〟
 〝奪われまいと声を上げて立ち上がる。それがこのストライキだ〟(ストラ イキ指示書より)
 公共交通機関である鉄道においても、労働組合の存在と闘いこそ事態を転換する力です。

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