2020年9月24日木曜日

外注化阻止ニュース 第497号

『選択』9月号
「社友会を擬似労組」は限界
職場に合理化攻撃と闘う労働組合を


 JR東日本は9月16日、21年3月期「純損失4180億円」の業績予想を発表し、1987年の民営化以降で初の赤字となる見通しを公表しました。
 これに対し深澤社長は、今年度1500億円のコスト削減に加え、「(来年度以降)もう一段の固定費削減、維持更新投資の見直し」と打ち出しています。国鉄分割・民営化以降のJRのあり方を根本から覆す大合理化の攻撃を始めようとしています。

社友会ではなく闘う労働組合を

 しかし、会社側の思い通りに進んでいるわけではありません。政財界で読まれている情報誌『選択』では、JRにおける労組解体攻撃の現状について次のように書かれています。

会社側は当初、最大勢力である社友会を擬似労組として扱い、労使関係を正常化しようと目論んでいた。しかし実際には権限が明確でない任意団体の社友会相手では限界があることが露呈している。

 会社の狙いは、労働組合を職場から一掃して社友会による職場支配を確立することでした。労働組合の存在と現場労働者の団結が、攻撃の核心である労働者の雇用・権利破壊を止める最大の力だからです。
 職場に闘う労働組合を取り戻し、団結して反撃することが、何よりも会社の合理化を止め鉄道の安全を守り、雇用と権利も守る道です。

「医療は社会保障」のストライキ

 コロナ禍で「医療崩壊」が叫ばれる中、「医療を社会保障として取り戻そう」と訴え船橋市の病院で7月にストライキが決行されました(写真)。そこで次のようなストライキ文書が大きな共感を集めました。

「病院がつぶれたら地域への責任が果たせない」「労働者が働く場所がなくなり路頭に迷う」と脅され、「がまんは仕方がない」とおさえつけられてきた。…… 医療労働者は文字通り命がけで、治療や感染予防に努めた。なぜ「コロナ減収」の補填に労働者の賃金が注ぎ込まれなければならないのか……奪われまいと声を上げて立ち上がる。それがこのストライキだ。

 公共交通機関である鉄道においても、労働組合の存在と闘いこそ事態を転換する力です。

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