格差是正裁判で最高裁が最低の差別判決
10・13
「非正規職には退職金もボーナスもいらない」
●「同一労働同一賃金」を最高裁が否定
ニュースでも大きく報道されましたが、最高裁判所は10月13日、格差是正を求めた二つの裁判で許しがたい判決を出しました。
大阪医科大学で秘書のアルバイトとして働いていた女性が「正社員と同じ仕事をしているのにボーナスゼロは違法だ」と訴えた裁判、さらに東京メトロの売店で働く女性たちが「正社員と同じ仕事をしているのに退職金ゼロはおかしい」と訴えた裁判です。大阪高裁と東京高裁は2審段階で、不十分ながら一部の支給を命じる判決を出していました。
最高裁はこれを全否定し「非正規職には退職金もボーナスもいらない」という判決を出したのです。最高裁が事実上、同一 労働同一賃金を否定する最悪の判決です。
●ボーナス、退職金は賃金 の一部だ
賞与や退職金は賃金の一部であり労働の対価です。同じ仕事 をしているなら、同じように賞与や退職金を出すのは当然です。労働法の専門家も「人材確保や定着を図るためという会社の主観的な(賞与、退職金の)支給の意図を認めてしまえば脱法行為が許されることになりかねない」とし、相当問題のある判決だとしています。
CTSでも最大の賃金格差は賞与、退職金にあります。こんな判決を許さず、現場から「正社員と同じ基準でボーナスを支払え」「契約・パートにも退職金制度をつくれ」の声を会社にたいして突きつけていかなければなりません。
●コロナ下の企業救済、労働 者見殺しに道を開く
コロナで真っ先に大量に首を切られているのはパート、アルバイト、派遣などの非正規雇用労働者です。正社員のボーナスカットなども始まっています。
こうした情勢の中、長年にわたる格差是正の闘いを否定し、流れ を逆転し、あからさまな企業救済に最高裁が道を開いたことは大変な意味を持ちます。
企業存続のためには労働者が犠牲になるのはしょうがないという、コロナ下での労働者全体への攻撃でもあります。
現場からの闘いでかちとろう!
労働者の、権利は裁判所に認めてもらうものではありません。現場からの闘いで、一つひとつ勝ち取ってきたものです。
原告の女性たちは判決の後、次のように声を上げています。
▽「非正規2千万人の期待を裏切 るもの」
▽「ありえない不当判決」「最高 裁はサイテーだ」「最高裁は恥を しれ!」
▽「今日が終わりではない。私も(退職後に)コロナで就職苦・生活苦で、退職金がないと非正規は定年後が大変だと実感している。だからますます非正規差別をなくす運動が重要だと思っている。これから新たな闘いをつくっていきたい」
全国で闘う仲間とともに、職場から非正規職撤廃の闘いを強めよう。11月1日、全国労働者集会(日比谷野外音楽堂)に集まろう!
〔最高裁判決のポイント〕
●もっとも格差が際だっている賞与、退職金について格差を認める。
高裁(二審)が認めた一部支給すら逆転して否定
●社会的影響力の大きさを恐れ、非正規職の待遇改善ではなく「会社側の自由裁量」(出しても出さなくても会社の勝手)に重点をおく
●「将来の役割期待など主観的・抽象的な説明で格差をつけてはならない」という厚労省の同一労働同一賃金ガイドラインにすら反する
「要員増やせ! 危険手当を出せ!」
つり手消毒について緊急申し入れ
10月1日からのつり手消毒の急増、現場の負担増に関してCTSに申し入れ書を提出しました!
「つり革消毒作業の追加」に関する緊急申し入れ
2020年10月7日
1.10月1日以降、各事業所においてつり革の消毒作業が大幅に追加されていることについて、理由およびJRとの契約内容を具体的に明らかにすること。
2.つり革消毒の作業量増加に対しては、要員を増配置して対応すること。
3.清掃業務等感染リスクが高い業務に従事する者に対しては「危険手当」を支給すること。
4.清掃業務におけるこの間の採用実績および今後の採用計画等について具体的に明らかにすること。
(以上)