地域住民、組合員・家族、OBなど150名が結集
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久留里線廃線反対集会に150名が結集。 沿線住民からは地域の足を絶対守りたいとの熱い訴えが行われた。 |
12月4日、久留里駅前の「上総公民館」において、「JR久留里線ー房総廃線を許すな!12・4上総地域集会」が、動労千葉木更津支部の主催、内房線と地域を守る会、外房線と地域を守る会の賛同により開催された。
集会には、国交省有識者検討会の提言とJR東日本の赤字路線収支発表によるローカル線切り捨てを許すなという訴えに応えて沿線の住民や組合員・家族、OB、支援する会の仲間など150名が結集した。とくに久留里線に対して「100円稼ぐのに1万9千円かかる」という悪宣伝が行われる中で「地域の足を守りたい」「廃線にさせてはならない」という沿線住民からの熱い訴えが次々に行われ、最後には「JR久留里線廃線に反対する署名」を行うことが訴えられるなど廃線化阻止に向けた大きな一歩をしるす集会となった。
赤字は列車削減等の結果。廃線は職場を奪う攻撃だー鈴木支部長
集会は、木更津支部・佐野副支部長の司会で進められ、冒頭、「ローカル線大虐殺を許すな」と題してDVDが上映され、廃線された地域住民の「廃線になったら終わり、残さなあかん」との訴えが響いた。
続いて主催者として鈴木支部長から、「久留里線の赤字は、JRが本数を減らし、直通運転をなくし、無人駅化・ワンマン化を行った結果だ。廃線は職場を奪う重大な攻撃であり、地域と一体となって廃線化を止めよう」と訴えられた。
続いて、動労千葉・関委員長から、国交省提言とJRの赤字路線の収支について提起が行われ、提言の狙いは国が関与して自治体を強制的に協議に引き入れ、3年の期限で全面的な廃線を進めようとする攻撃であること、久留里線の収益率最悪と悪宣伝が行われているがローカルの一部だけ輪切りにすれば赤字になるのは当たり前のこと、一方「バス転換」では、この15年でバス路線2万キロが廃止になっておりバス転嫁した途端に廃止が問題になること、公共交通を民営化し金儲けの道具にしたことが間違いであり、国鉄分割・民営化が完全に破綻したことを明らかにし、労働組合と地域が一体となって廃線反対の声を上げることが大きな力になると訴えた。
賛同団体からの発言では、内房線と地域を守る会から幹事の石井敏広氏(館山市議)が「上下分離で下(線路)を自治体が持てというが財政的に厳しい。国策の失敗であり、下は国が持つべきだ」と訴えた。
外房線と地域を守る会からは早川孝雄副会長が発言し「国交省提言による廃線化を地域全体ではね返すために沿線自治体の首長と面談し訴えてきた。国は補助金を出すというがそれではもたない。JRの分断を許さず、久留里線廃線阻止へ取り組む」と報告を行った。
地域住民から久留里線廃線攻撃への怒りの声が相次ぐ
【沿線の住民から】
- ローカル線の問題は経済効率の問題ではない。地域から鉄道がなくなる、学校がなくなるということは大きな問題。今でも亀山では文化祭や運動会が残っている。地元の中学を卒業しそこで生きてきたから文化の共同体となって存続している。経済の問題ではなく生きていくための問題だ。(上総亀山)
- 久留里線は、JRが5時間も列車を走らせないため利用したくともできず、赤字になるようにしているとしか思えない。鉄道は公共交通であり誰でも自由に利用できなければならない。とくに久留里~亀山の人は特段に制限されてしまう。昔は亀山から座れないくらい人が乗っていたり、一時は千葉までの直通もあった。戦争の末期、武器を作るために鉄道の一部が廃止になり、その区間を歩いた記憶がよみがえった。(上総松丘)
- 君津から千葉まで通っていた。当時は館山方面の人はほとんど電車だった。しかし今は100%高速バスだ。公共交通をあずかるJRは無責任だと思う。鉄道は安全、安定的に多くの人を輸送できるインフラだ。それを一度失ったら2度と取り返しがつかない。防衛費の倍増など止めて住民の足を守るべきだ。ともに頑張りましょう。(社民党)
- 今回、こういう集会を開いていただいて、署名の話もあり、これで私も動けるようになった。住民の方々の力を借りながら大きな運動にして闘うことが大事だと思う。地元議員として頑張る。(君津市議)
- 5年前に小学校を廃校にされた。適正規模でないと社会性がないというのが理由だった。赤字線だとしても経済効果だけの問題ではない。地域に生きる人々が幸せに生きていくためには必要だ。(上総松丘)
- ローカル線は赤字が当たり前。そこは国がやることだ。住民の希望や要求にそった生活ができるかどうかということだ。一人当たりいくらかかるのかという問題ではない。オスプレイいらない住民の会としても頑張ります。(オスプレイいらない住民の会)
- JRが「ローカル線が赤字です。民間企業だから赤字路線の面倒をみることはできない」といっているが、こうなったのも民営化したからであって、国鉄分割・民営化そのものが重大な誤りだったということだ。地域住民が声を上げないとJRの思い通りになってしまう。(動労千葉を支援する会・木更津)
- 45年間、亀山から木更津まで通った。駅まで遠いから車で行くが駐車場がないから、結局、列車を使えない。子供が困ったら親が、親が困ったら子が助けるというのが人間として当たり前のこと。地方から都会に子供たちが行ったから今がある。(上総亀山)
久留里線の廃線に反対する地域住民署名運動を成功させよう!
発言の最後に、動労千葉を支援する会・木更津の仲間から、「JR久留里線の廃線に反対する地域住民署名」の訴えが行われ、今後、呼びかけ人を募り、早急に久留里線沿線をはじめ全面的に署名運動を開始することを全参加者に訴えた。
呼びかけに対してすぐに地元の人が「呼びかけ人になります」と声をあげるなど、久留里線を廃線にしようとするJRと国に対する怒りが高まっていることを示した。
集会の最後に、木更津支部・岡田支部長から「署名を成功させ、久留里線廃止阻止へ頑張りましょう」との閉会あいさつで上総地域集会は大成功の裡に終了した。
久留里線ー房総廃線絶対反対! JR久留里線の廃線に反対する地域住民署名の成功に向けて全組合員が総決起しよう!