2023年2月9日木曜日

外注化阻止ニュース 第618号


大阪~京都間 大雪で約10時間車内閉じ込め
ワンマン化すれば非常時に運転士1人の対応に

 1月24日、大阪~京都間を結ぶJR東海道線で、山科~高槻駅間の列車15本が線路上でストップしました。乗客約7千人が列車内に最大10時間閉じ込められ、救急搬送された人も発生しました。原因は、大雪でレールを切り替える分岐器20台以上が雪が挟まったり凍結したりして動かなくなったことでした。

乗客と向き合うのは現場の乗務員

 JR西日本は降雪が10㌢以上と見込まれる場合、各分岐器で融雪設備を稼働させる規定になっています。しかし、24日は8㌢の予想だったので稼働させませんでした。実際には17時以降急速に雪が降り最大15㌢の積雪となり、ポイント不転換が多数発生しました。
 異常時には列車停車から1時間で乗客を降車させる規定もあり、現場の乗務員からも「乗客を降ろしたい」との声が上がっていました。
 しかし、現場を指揮した近畿統括本部長は「夜間に雪が降る中で降車することは危険」という判断で不具合の解消まで待つ方針を取りました。結果、雪を溶かす作業が難航し、乗客が長時間列車内に閉じ込められることになりました。車内のトイレは長蛇の列となり、気分が悪くなる人も多数出て、救急搬送も必要になりました。
 結果から言えば、JR西日本には「10年に一度」といわれた大寒波に備えて規定以上の対応が求められていました。それができず列車が立ち往生した時、長時間にわたって乗客と直接向き合って対応するのは現場の乗務員なのです。

全面的なワンマン化進めるJR東

 JR東日本は全路線を対象に長編成・中編成・短編成を問わずワンマン化を進める方針を明らかにしています。
 今回と同様の状況になった時、ワンマン化されていればすべて運転士1人で対応しなければなりません。その負担は、車掌とともに対応する場合とは比較になりません。
 会社は、業務融合化・「その他時間」設定・「鉄道部門4千人削減」など乗務員と鉄道業務をないがしろにする施策を進めています。しかし、鉄道の安全を守っているのは運転士・車掌であり現場の労働者です。3月ダイ改合理化・ワンマン拡大に反対の声をあげよう。

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