2018年10月25日木曜日

外注化阻止ニュース 第396号

http://www.doro-chiba.org/ga/gaityuuka396.pdf


シフト管理担当者が〝片手間〟運転
200人以上死傷の大惨事
台湾特急列車脱線事故

 10月21日、台湾・宜蘭県で特急列車が脱線し、少なくとも18人が死亡、187人が負傷する大惨事が引き起こされました(写真)。「尼崎事故(05年の福知山線脱線事故)」そのものともいうべき大事故です。

安全より運行優先―尼崎事故そのもの

 詳しい事故の原因などは調査中ですが、当該列車が突然の停止と発車を繰り返し、運転士はブレーキの不具合を複数回にわたって管理部門に訴えていたことが分かっています。
 しかし管理部門は約20分の遅れの中で急ぐよう催促し、機器についても走行しながらチェックするよう指示。ついには制限速度75㌔のカーブに140㌔の速度で進入し、8両編成の車両すべてが脱線したのです。
 会社が安全より運行を優先して運転士を追い詰めた結果の、まさに台湾版の尼崎事故です。

「片手間乗務」は安全を崩壊させる

 この事故の当該運転士は、普段はシフト管理を担当しながら、土日は応援業務として列車に乗務していました。支社課員・当直・指導員らの「片手間乗務」……まさしくJR東日本が進める乗務員勤務制度の改悪と同じです。
 多忙な中、複数の業務を掛け持ちしながら乗務することの負担、自分自身も管理側にいるがゆえのプレッシャー。そういったことが日々積み重なる上に、機器の不具合や列車遅延で生まれる焦り……そして大惨事が引き起こされたのです。

乗務員勤務制度改悪がもたらすもの

 乗務員勤務制度の役割は、乗務員の健康や列車運行の安全を守るために、拘束時間や一継続乗務時間などを厳しく制限することです。
 それを、「資格さえ持っていれば誰でもできる」と片手間仕事として乗務労働を扱えば、鉄道の安全が守られるはずがありません。
 JR東日本はメンテナンス部門を次々に外注化し、ダイヤの過密化を進め、長時間行路を増やしてきました。すでに列車の不具合や遅延は日常的に起こっています。
 それに加え、乗務員勤務制度の改悪を強行すれば、間違いなく鉄道の安全崩壊を招きます。
 乗務員勤務制度改悪は絶対に認められません。

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